横濱鶏という鶏肉から煮ると黄金色の油が出てくるという話題があった。
これは所謂ダシにあたるので鶏肉から出てくるダシについて調べてみたら、イノシン酸という物質名が出てきた。
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イノシン酸といえば、鶏肉に限らず、
魚粉(魚系のダシ)にも含まれている三大旨味要素の一つ。
野菜の美味しさとは何だろう?食味の向上の記事で魚粉肥料で作物の品質を向上させている方がいるという内容を記載して、この記事では魚粉に豊富に含まれるアミノ酸が関与しているのでは?と併せて記載したけれども、
もしかしたら、ダシの要素であるイノシン酸が作物に何か影響を与えているかもしれない。
というわけで検索してみたところ、イノシンの施用は水耕栽培において作物の根の発育を促進する | 農研機構という研究報告に行き着いた。
様々な作物において、イノシンが直接側根や根毛に影響を与えている可能性が高いと。
ここではイノシン酸ではなく、イノシンという物質名になっていて、イノシン酸とは実は関係ないかもしれないので、イノシン周辺の代謝を確認してみる。
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イノシンはイノシン酸のリン酸基(H2PO4-)が水酸基(OH)になっている核酸で、イノシン酸がヌクレオチダーゼによって加水分解され、リン酸基が外れてイノシンとなる。
※Visual栄養学テキスト 人体の構造と機能および疾病の成り立ち II.生化学 | 中山書店 131ページを参考にして記載
上記のイノシンの研究結果のページには、イノシンはアミノ酸の工業的製造過程において副産物として大量に生成する化合物であると記載されていた。
となると、以前紹介した
アミノ酸製造の粕を濃縮させた黒糖肥料にはもしかしたらイノシンが多く含まれている可能性があるということか?
某アミノ酸メーカーからも、サトウキビ由来のアミノ酸廃液から抽出した成分で発根促進剤を作って販売していることもあるし、おそらく正しいだろう。
発根が促進されれば、微量要素の吸収も促進されるわけで、品質や秀品率の向上に繋がるのは間違いないし、黒糖肥料であれば、カリウム欠乏の問題も軽減できるので、発根に関して何かと都合が良い。
となると、発根促進した後に潤沢に微量要素を吸収できるように土壌劣化は回避しておくことが重要になってくる。
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