シリケイトメルト内の水による反応までの記事でグリーンタフの形成に関連する現象を見てきた。
粘土鉱物の話題になると時々聞かれることとして、
秋田で採掘できる粘土鉱物が土壌改良効果が高いという話題が挙がる。
昨日の記事までを参考にすると、
各地のグリーンタフの肥料としての質を判断できるようになったかもしれない。
現時点での知識で秋田で採掘できる粘土鉱物を判断してみよう。
…
とその前に、
そもそも日本列島でグリーンタフ(Green Tuff)が分布しているところはどこだろう?
という疑問が生じた。
この疑問に対して色々と調べていたら、
※図:鹿野和彦 グリーンタフの層序学的枠組みと地質学的事象 地質学雑誌 第124巻 第10号 781-803 2018 782ページより引用
上の図を発見した。
最初に話題に挙げた兵庫県の竹野海岸や島根県にグリーンタフが分布されているが、
フォッサマグナ付近から東日本でグリーンタフがある場所が非常に多いことがわかる。
⬇
フォッサマグナは大きな溝に火山灰が何度も何度も降り積もってできた場所であるからわかるとして、
東日本でなぜこんなにもグリーンタフの分布が広いのだろうか?
新潟県の津南のように千曲川-信濃川の北西が昔は海だったが隆起したという話だろうか?
上記論文を読み進めると、
グリーンタフの知見は日本列島の誕生の理解にとって重要であったらしい。
以前投稿した日本列島誕生。大陸からの分離の記事で、
日本列島は大陸から分離して形成された島弧だとして、
大陸から日本が分離する際、
今でいうところのフォッサマグナの位置で島を分断するように西日本と東日本が分かれて移動した。
その後、東日本の方が時計回りで回転した後、
フォッサマグナの位置で糊付けされるように火山灰で埋めて今の形の日本列島が形成されたわけだけれども、
この時東日本は小さな島が無数にあるような小さな島の諸島のようになっていて、
諸島の間の海は堆積や隆起で陸地になった。
※上記のイメージを図で把握したい方は冒頭で紹介した図の参照元の論文をご覧ください。
以前宮城を訪れた時に泥炭土が広がっていたのは、
そこが以前は海か湖で堆積によって形成された陸地なのだろう。
今回までの知識によって、各地の粘土鉱物資材の目利きが出来るようになったはずだ。
目利き以外でも手元にある粘土鉱物が他の産地のものと比較して優れている点や劣っている点も判断できるようになったはずで、劣っている点を穴埋めできるような肥料の組み合わせも検討できるようになったはずだ。
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