前回のトマト栽培の最大の課題の青枯病についてを見るの記事で、トマトで最も苦戦すると言われている青枯病(立枯れ病)に対して土壌消毒をしても意味がない可能性が高いと記載した。
この内容を投稿した時に、ふと思った疑問として、青枯病菌を捕食する天敵のような生物はいるのだろうか?ということ。
真菌(カビ)であれば、トリコデルマと聞いて思い出す師の言葉の記事で見たトリコデルマやミミズは耕盤層に移動し、層でミミズ孔を形成するか?の記事で見たトビムシあたりがある。
他には葉のうどんこ病菌を捕食するキイロテントウあたりが有名だったりする。
であれば、細菌を捕食する生物がいても良いはずだ!と早速検索をしてみたところ、細菌食性生物という用語に辿り着いた。
細菌を捕食する生物に、センチュウやアメーバのような原生生物がいるらしい。
センチュウと言えば、根に寄生して病気の原因になるというイメージがあるが、実際のところは大半が肉食性であったはず。
次に気になるのが、畑の土壌で原生生物はどうしているのか?だけれども、検索をしてみたら、島野智之著 根圏における原生生物の役割一土壌原生生物とバクテリアおよび植物根との関連について一 - 土と微生物(Soil Microorganisms)Vol.61 No.1,pp.41−48(2007)に辿り着いた。
原生生物は植物の根圏で活発になる傾向があり、土壌の細菌に何らかの影響を与えている。
更に興味深い内容として、原生生物が細菌を捕食した際に発根促進の植物ホルモンの増加が観測されたということだ。
青枯病菌への対策は土壌消毒ではなく、
育てる事が有効である可能性が増した。
緑肥を育てる際は、当然の事ながら発根を促進させなければ意味がないので、次作で施肥予定の土壌改良材は緑肥栽培の方で施肥すること。
青枯病菌が潜伏すると言われている深さ40cmよりも深い場所に根が伸びないと意味がないので。