カフェインの作用機構に触れる前にの記事で、カフェインの作用機構に触れる前準備として、アデノシンについて見てきた。

アデノシンは脳内で消費されたATPの老廃物のようなもので、抑制性の神経に作用して睡眠を優位にする。


このアデノシンは膜タンパクであるアデノシン受容体に結合する事で、抑制性の神経に作用する。

この内容を踏まえた上で、カフェインの作用機構について見ていく。




まずはカフェインの化学式のおさらい。


Caffeine_structure

Vaccinationist - 次のものを使用した投稿者自身による著作物: PubChem, パブリック・ドメイン, リンクによる


カフェインは図の中央の六角形の箇所と右の五角形の箇所があるプリン骨格を持つ化合物だ。


一方、アデノシンも


Adenosin

NEUROtiker - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる


向きはカフェインと逆だが、図の右上にプリン骨格を持つ化合物となっている。


カフェインの作用機構は本来であればアデノシンと結合するはずのアデノシン受容体に結合するが、抑制性の神経には作用しない。

アデノシンを鍵として、アデノシン受容体を鍵穴というイメージにすれば、カフェインは鍵穴にただの棒を突っ込むといったところか。

鍵穴を塞ぐ事はできるが、鍵を回す事が出来ないので解錠できないといったところか。

※カフェインは脳関門の選別を受けずに通貨して脳に直接作用する


カフェインのイメージは頭が冴える、眠気がなくなるといったものだが、これは脳が疲労しているのに疲労を感じさせないといったところで、覚醒性の神経に作用しているというわけではなかった。


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上記の内容でいくと、夜間にもうひと頑張りするためにコーヒーを飲んでも、頭が冴える(集中力が増す)といった事がなさそうだ。