胆汁酸と炎症性腸疾患までの記事でタウリンについて見てきた。
そろそろ最も重要な人体においてタウリンを合成することはできるか?について見ていきたい。
とりあえず最初にWikipediaのタウリンのページを読んでみると、
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含硫アミノ酸であるシステインからシステインジオキシゲナーゼによりシステインスルフィン酸が合成される。このシステインスルフィン酸がシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)により脱炭酸されてヒポタウリンが生成され、ヒポタウリンが酸化されてタウリンが合成される。ヒトはこれらの合成経路の酵素を持つため、自らタウリンを合成することができる
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と記載されているため、人体でタウリンを合成できることがわかった。
次に人体のどの器官でタウリンが合成されるのか?を調べてみると、主に肝臓で生合成されるという記載があった。
ここで気になるのが、システインという摂取が比較的容易なアミノ酸からタウリンが合成されるのであれば、
栄養ドリンク等でタウリン配合を謳った商品を販売する必要はないはず。
この疑問に関して更にタウリンを検索してみたら、芳賀穣等 魚類のタウリン合成とその機能 - タウリンリサーチ(2020)Vol. 6に腑に落ちる記載があった。
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タウリンの合成は哺乳類では、ネコがCSD(タウリンの生合成に関与する酵素)活性を欠き。ヒトやサルでもその活性が低い。
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という記載があった。
合わせて、
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魚類では、ブルーギルが最も高いCSD活性を持ち、(以下略)
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と記載されていた。
ここで新たな疑問が生じる。
タウリンの効能の記事で人体におけるタウリンの働きの一つに神経伝達物質として働くというものがあった。
人体においてタウリンの主な合成器官は腸内細菌のいる臓器になるのかな?
なんてことを思った。
腸内細菌Paraburkholderia sabiaeにより、脳でのタウリン濃度が上昇し、不安行動が軽減される - 三重大Rナビ -三重大学の研究最前線-
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