核酸の肥効について考えてみたの記事で、シロイヌナズナにビタミンB3ことナイアシンを与えたら、乾燥耐性を得たという研究報告に触れた。

この研究報告にたどり着くまでにもう一つ興味深い研究報告を見たので、今回はそれについて触れておく。


植物の新たな干ばつストレス応答機構を発見―「見えない干ばつ」を克服し、作物の大幅増収への道を切り拓く― | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCASに


4352800_s


ダイズとシロイヌナズナにおいて、葉がしおれない程度の初期の干ばつ(見えない干ばつ)においてリン酸欠乏応答が見られたという研究報告が記載されていた。

ちょうど前回の記事でナイアシンの吸収によって乾燥耐性の増強が見られ、これから乾燥に差し掛かるといったタイミングでNADHやNADPHの合成量を増やして、様々な生合成を行えるような準備をしているのかな?という事が頭に浮かんだ。


リン酸は肥料の三大要素の一つで、軽微であっても欠乏症状が見られるとその後の栽培に対して大きなロスとなるので、今回の内容は見逃すわけにはいかない。


目に見えない程の干ばつは頻繁に起こっていて、夏の果菜類では栽培後期の土が絞まる時期に発生する可能性が高い。

保水性の向上は、思っている以上に早期に対応すべき課題なのかもしれない。

これからの稲作は如何に土の保水性を向上するかになるはず


関連記事

硫酸リグニンは施設栽培の慢性的な鉄欠乏を解決できるか?