太陽熱土壌消毒は土壌の劣化を加速させる恐れがあるの続きまでの記事で、太陽熱土壌消毒の際に
選定する中熟堆肥の種類によっては、土壌の劣化を加速させる恐れがあるのでは?という内容を記載した。
土壌の劣化の恐ろしいところは、一年目は微量要素の溶脱により生育が良くなったように見えることだ。
一年目の成功実績をもとに二年目、三年目と同じような事をしていくと、いつの間にか土のタネとなる粘土鉱物が無くなっていることになり、数年後には同じような成果が得られなくなっているどころか、病気が多発する環境になっている可能性が高い。
この問題を回避する為に、中熟堆肥と合わせて、ミネラル分も一緒に施用しておくことという注意を見聞きすることがあるが、ここにも思わぬ落とし穴があるように感じる。
それは、有機質肥料でミネラル分豊富という事を聞いた時に連想するものとして、
牡蠣殻などの有機石灰がある。
この牡蠣殻を投入する前に成分を確認して欲しいのだけれども、石灰岩と比較して石灰分(炭酸石灰)が少ないとされるが、それでも苦土やカリウム等の重要な要素と比較して、石灰分が突出して高いという傾向がある。
※牡蠣殻の成分に関してはカキ殻肥料の特長 | 卜部産業株式会社に記載がある。
土壌消毒を行わなければならない畑は何らかの問題を抱えているところが多く、その問題の要因の多くが、リン酸と石灰が過剰になっていると予想していて、そこに更にミネラル分として有機石灰を投入するのは自殺行為になるのでは?と思っている。
今まで挙げてきた太陽熱土壌消毒の懸念点を踏まえた上で考えると、中熟堆肥はポリフェノール多めの植物性堆肥にカロリー源の米ぬかを混ぜたもので、ミネラル分は
モンモリロナイト等の微量要素を含んだ鉱物系の肥料になるのでは?と予想している。
そもそもの話で、土壌消毒をする前に病気に成りやすい環境の改善から始めるべきは変わりないけれども。
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