
カリンの良い香りの記事で、カリンの果実に含まれる香気物質について触れた。
今回は妻がカリンの砂糖漬けのようなものを作ろうとしていたので、その時の話を記載する。

カリンの果実を包丁で切ろうとしていたが、果実が硬くて半分に割るのも一苦労だったし、細かいブロック状にするのはもっと苦戦していた。
果実って本来動物に食べてもらって、タネを遠くに散布するものであるはずなのに、カリンの果実の硬さはそのイメージからかけ離れている。
一体、どのような動物に食べてもらうことを想定しているのか?
もしかしたら、ナツミカンのように果実が形成してから長い期間をかけて熟すとか?
とりあえず、果実の硬さについて触れておくことにする。
Wikipediaのカリンのページでは、石細胞という用語を用いている。
石細胞とは厚壁異型細胞(スクレレイド)の一種で、耐久性のある層の小さな束を形成する、高度に肥厚し、木化した細胞壁を持つスクレレイマ細胞の縮小した形態であるそうだ。
スクレレイマ細胞という用語は置いといて、細胞壁にリグニンや結晶化したセルロースやシリカ等を蓄積させて細胞を石のように硬くするそうだ。

同じバラ科の果実のナシのシャリシャリとした食感も石細胞に因るものであるそうだが、カリンの硬さはナシとは比べ物にならない程硬すぎる。
カリンの果実は過熟すると柔らかくなるのかな?




