農業史において緑の革命という出来事があった。
これは農学部で作物生産関係を専攻すれば必ずどこかで聞くだろう。
この緑の革命の要約をWikipediaから引っ張ってくると、
/****************************************************/
緑の革命に含まれるプロジェクトは、すでに存在していたが先進工業国以外ではほとんど利用されていなかったテクノロジーを発展途上国に広めた。これらのテクノロジーは、農薬・灌漑事業・合成窒素肥料・その時に利用できる従来の科学に基づいた育種法で開発された改良品種を含む。緑の革命での新技術の開発は、「奇跡の種子」と称された物の生産であった
/****************************************************/
ちなみに緑の革命は1940〜1960年代で、生産量の急激な増加で世界の人口も急激に増えたあたりで、その背景にはこの革命が重要な要素となっている。
1960年代なので、奇跡の種子は遺伝子組み換えではなく交配によって誕生した。
※奇跡の種子はF1種子ではなかったらしい
この緑の革命だけど、中核をなす要素として、ノーベル賞を受賞したハーバー・ボッシュ法というものがある。
ハーバー・ボッシュ法は水と石炭と空気からパンを作る方法と言われることがあるぐらいで、普段吸う空気の8割方を占める窒素ガスからアンモニアを合成する。
アンモニアは硝化させれば、使い勝手の良い硝酸態窒素という肥料になるわけで、空気から肥料を作るという夢のような技術であるわけです。
ものすごくざっくりと書くけど、ハーバー・ボッシュ法は水から水素を取り出し、下記の式のような反応を行う。
N2 + 3H2 → 2NH3(アンモニア)
窒素ガスのN2はN≡Nの三重結合でとても強く安定してつながっている。
水から水素を取り出すのもそう簡単にはいかない。
そこで高温高圧や電流を流すといった処理で窒素ガスの強力な結合を外してアンモニアを合成する。
アンモニアを合成できたら、
By Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
後は硫安にするなり、硝化するなりで用途はたくさんある。
とりあえず、主要な肥料は燃料さえあれば、化学的に合成することが可能であるということはハーバー・ボッシュ法からわかった。
関連記事