ウィルス発がんの記事に引き続き、細胞のがん化の話。

植物学といえど、細胞生物学が基礎にあるので、細胞のがん化の研究はちょくちょく目にしていた。

学生の頃に細胞のがん化といえば、p53遺伝子の話題が頻繁に挙がっていた。


早速、Wikipediaからp53遺伝子の概要を抜粋してみると、

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p53遺伝子とは、一つ一つの細胞内でDNA修復や細胞増殖停止、アポトーシスなどの細胞増殖サイクルの抑制を制御する機能を持ち、細胞ががん化したときアポトーシスを起こさせるとされる。この遺伝子による機能が不全となるとがんが起こると考えられている、いわゆる癌抑制遺伝子の一つ。

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p53遺伝子 - Wikipediaより改変して抜粋


要約すると、がん化した細胞でp53遺伝子が働くと、がん化した細胞が消えるけれども、p53遺伝子が動かなくなると、がん化が止まらないということ。

ここで気になるのが、p53遺伝子が動かなくなるというのはどういうことなのか?


以前、植物にとって大事な大半のことはアサガオが教えてくれるの記事で触れたトランスポゾンの話題を再び持ち出してみる。




トランスポゾンというのは、DNA間を動き回る因子で、アサガオに限らず、ヒトのDNAにもあるという報告がある。

トランスポゾン#沿革 - Wikipedia


アサガオを例にして話を続けるけれども、このトランスポゾンが、




花を形作る超重要な遺伝子の間に入り込んだら、超重要な遺伝子は全く別の形になり、意図した動きにはならなくなる。

この超重要な遺伝子をp53遺伝子に置き換えるとp53遺伝子が壊れるまでの流れがよくわかる。




トランスポゾンに限らず、DNAに割り込んでくるものがいる。

内在性レトロウィルスについてを知るの記事でみたレトロウィルスだ。


ということは、レトロウィルスの感染により細胞ががん化する可能性があるのか?




レトロウィルスとがん化で検索をしてみたら、Wikipediaの記載が引っかかったけれどもニュアンスが異なる。

今回の話とは異なるけれども、一応抜粋を載せておく。

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ERV(内在性レトロウィルス)を活用している細胞機構の別の例として、がん抑制遺伝子 p53 が挙げられる。 p53 経路は DNA 損傷および細胞ストレスにより誘起され、アポトーシスに至る。クロマチン免疫沈降とシーケンシングにより、全 p53 結合サイトの30パーセントが霊長類特異的な ERV ファミリー上に位置することが判っている。ある研究によれば、p53 機構はトランスクリプションの迅速な誘起を引き起こし、レトロウイルス RNA を宿主細胞から排出するため、レトロウイルスに有利であることが示唆されている。

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内在性レトロウィルス#ゲノム進化における役割 - Wikipediaから一部改変して抜粋