前回の記事で、
徳島の名水の近くの地質が三波川変成帯という低温高圧型変成帯という地帯であるということを記載した。
ここに何かのヒントが隠されているかもしれないので、
低温高圧型変成帯という用語を調べておこう。
はじめに高圧型変成帯という用語だけど、
株式会社誠文堂新光社から出版されている薄片でよくわかる 岩石図鑑の86ページの変成岩の分類から言葉を借りると、
高圧型は広域変成岩という分類に当てはまる。
これまた同じページの説明を引用すると、
広域変成岩は、広範囲に数十〜数百km、あるいは千km以上にわたって帯状に形成されるもので、プレートの沈み込みに関係している。陸のプレートに衝突した海洋プレートが地球内部へと沈み込んで行くときに、海洋プレートに載って運ばれてきた堆積物や火成岩は、大陸縁辺のり苦言堆積物に押しつけられたり、あるいは相携えて地下深くまで引きずり込まれる。沈み込み帯の地下深部には、変成岩ができるような高温高圧環境が帯状に存在する。
とある。
つまるところ、三波川変成帯の岩はプレートテクトニクスという大陸が動いたり、地震の原因となるプレートによる作用による生成物であるだろうということがわかった。
ここらへんをざっくりと見てみると、
地球にはプレートというものがいくつかあり、このプレートが動くことで地形が変わると考えられている。
山が形成される際に働く作用として、
海のところにある海洋プレートというものが陸のプレートとぶつかることで、
陸のプレートよりも海のプレートの方が重いため、
海洋プレートは陸のプレートを持ち上げながら沈み込んでいく。
この時、陸のプレートと海洋プレートの接地面では非常に高圧の環境ができており、
海洋プレートの上にあった堆積岩は陸のプレートの下に潜り込む際に高圧環境に晒される。
この高圧環境内で海洋プレートの上にあった堆積岩は変成岩となる。
沈み込みの深さによって温度帯が異なってくるので、低温という記載で変成作用を受けた深さがわかる。
このような作用で形成された岩が、
四国の三波川変成帯というところにはたくさんあるということだ。
今回はこの地域の土質のヒントになるような情報はないけれども、
どこかで必要になることがあるかもしれないから、
今回の情報は頭の片隅にでも入れておこう。
追記
三波川変成帯中の新たな独立した広域変成帯の存在 ―白亜紀から第三紀の日本における造山運動―を読む限り、今回のような単純なモデルではないみたい。
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