先日緑肥のことが話題に挙がった。

栽培後に草は勝手に生えてくるから、それを育てれば良いのでは?と

土壌の余剰な養分は緑肥に吸わせろ


今まで何度か緑肥を活用したことがある身からの意見だとそれは否で、栽培後に後から勝手に生えてくる草を活用できるのは、土壌がそれなりの段階に入ってからだった。


とりあえず、イネを一例にしてみて、伝統的なレンゲ米を挙げてみると、


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老朽化水田は冬場の対応次第


レンゲ米というのは、稲作が終わった後にレンゲというマメ科の植物を育てて冬を越し、春になったらすき込んでい稲作を再び始めるという歴史ある栽培方法だ。


一種の緑肥の活用に当たる。


勝手に生えてくる草に頼ることに対して前回の記事を見てみると、


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ロゼットの占拠


背丈10cmぐらいの草が繁茂している。

これから冬になるので年末年始までこれくらいの背丈で止まるだろう。


ここで注目したいのが、


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背丈の低い植物らが既に花を咲かせているということ。

この写真の植物以外に、


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初春の対立遺伝


ナズナやタネツケバナといった乾物量が少ない植物が花を咲かせていた。

花を咲かせていたということは、これ以上の成長や土壌に影響を与える特殊能力的なことは期待できない。


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ロゼット草が春になり、急激に背丈を伸ばしたとしても、一株あたりで占拠してしまう面積が広いため、緑肥としての効果は期待できない。


栽培後に勝手に生えてくる草に期待すると、期待を裏切られるような群生になってしまう。


それならば、自身で考え抜いた冬に強い植物を選抜した方が、この土壌の生産性というものが向上するというものだ。


ただし、生態系というものは常に人知を越えているもの。


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このような群生になることにも何らかの意図があるかもしれない。

それは常に頭の片隅にでも入れておきたいものだ。


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