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カテゴリー : 稲作/page-3

 

ヘアリーベッチの可能性を探る

グラム陰性桿菌に作用する抗生物質までの記事で、菌(糸状菌、カビ)が生成する抗生物質で、作物に悪影響を与えるカビ毒(マイコトキシン)を生成する菌や軟腐病菌(細菌)の個体数を減らせるのだろうか?という疑問を解消すべく調べている。河川敷でクサフジらしき草を見かけたそういえば、ヘアリーベッチが根からシアナミドを分泌するけれども、シアナミドは菌に影響を与えるのだろうか?と疑問になった。これに関しては以前投稿していたので、リンクのみ記載しておく。酵母でのアセトアルデヒドの...

 

レンゲ米栽培の田の冬の端の様子

前回のレンゲ米栽培の田の冬のレンゲの様子再びの記事で、レンゲ栽培中の田で局所的に低温障害を受けている草が目立つという内容を記載した。この田で少し視点を移動して、用水路側を見ると、単子葉の草がこんもりしている箇所がある。田の端は水が溜まりやすいので、養分過多になるのだろうか?比較的草の生育が速い。このこんもりしているところをよくよく見てみると、ナズナだろうか?花を咲かせている。ナズナの開花時期は2月〜なので違和感はないが、草がこんもり...

 

レンゲ米栽培の田の冬のレンゲの様子再び

レンゲ米栽培の田の冬のレンゲの様子までの記事で見てきたレンゲ米栽培の田の昨日の様子午前中の様子なのでコントラスト?が低く見える。この風景を見て気になったのが、所々がオレンジ色になっていること。手前にある箇所でオレンジの箇所を見てみると、単子葉の草の先端がオレンジ色になっていた。単子葉の葉は細くて、先端は群の中で比較的高い位置になるので、レンゲと比較して寒さに当たりやすいのだろう。今は2月初旬で、これから更に寒い日があるだろうから、その時...

 

稲作に土作りは不要なのか?

秋の荒起こしから秀品率の向上のポイントを探るの続きの記事で、稲作の収穫後の荒起こしの仕方で翌年の稲作の秀品率が変わるのでは?という着眼点で、荒起こしで土がどのように変化するか?を整理してみた。荒起こしでは、肥料の効きが増す分、土壌の劣化をはやめ、保肥力が下がるのでは?という予想となった。※家畜糞を投入して、硫化水素ガスの発生源を増やすという論外なこともある。これらの内容を踏まえた上で、どうしても書いておきたいことがある。昨年の高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培の観測...

 

秋の荒起こしから秀品率の向上のポイントを探るの続き

秋の荒起こしから秀品率の向上のポイントを探るの記事までで、乾土効果と荒起こしについて触れた。稲作の機械の発達により、収穫と同時に稲わらを粉砕して、有機物として土に還すわけだけれども、稲わらの腐熟促進として、石灰窒素か家畜糞を使用することにいくつか懸念事項がある。これらの肥料を使用する理由として、おそらく稲わらのC/N比の高さを、C/N比の低い肥料で相殺させる事が目的だろうけれども、石灰窒素には土壌消毒の作用のあるシアナミドが含まれ、家畜糞には硝酸塩以外の成分も多く含まれている。...

 

秋の荒起こしから秀品率の向上のポイントを探る

乾土効果について考えるの記事に引き続き、今回も冬の水田の作業を見る。秋の米の収穫後に荒く耕す荒起こしをしている田を良く見かける。荒起こしには色々と目的があるが、稲わらを速く分解させることも目的の一つとしてあるらしい。昔は稲わらには利用価値が高かったので、粉砕して鋤き込むなんてことはなかったけれども、収穫後の田のひこばえを見て、稲作の未来を考える最近は収穫時に稲わらを粉砕して土の上に散らすようになったため、稲わら鋤込みが原因の障害が発生するそ...

 

乾土効果について考える

田の端に溝を掘っている方がいた。※上の写真は昨年の収穫後に掘られていた溝収穫後の溝を掘る事が用語として適切かどうかは不明だけれども、田の溝を掘る事自体は作溝と呼ぶそうだ。作溝で狙う効果として、高低差を付けることで田の排水性を高め、田全体を乾きやすくする。田の土を乾かす事のメリットとして乾土効果が狙えるそうだ。古い論文ではあるが、乾土効果について記載されているものから拝借すると、水田土壌を乾燥させると、土に付着していた有機物の一部が外れ、微生物の分解がされやすい状態にな...

 

レンゲ米栽培の田の冬のレンゲの様子

ここは花の色素と稲作との記事で触れた昨年のウンカの大発生にも関わらず、殺虫剤の使用なしでウンカの被害がなかった田の場所。ここでは次の稲作までマメ科のレンゲを育てている。レンゲの播種は稲作収穫後のすぐ後レンゲの播種は秋の稲作が終わってからになるので、時期はギリギリになってしまう。レンゲの様子を見てみると、(自然環境下と比較して)発芽が遅くなる為、株は小さく見える。しかも、葉の色が変わっているので冬の低温に何らかの反応をしている。アザミのロゼットは美しい...

 

花の色素と稲作と

昨年の食の知見から秀品率の向上への記事同様、年末なので今年を振り返ってみることにする。今年の最大の出来事といえば、なんと言っても、ウンカの当たり年だと言われ、ウンカの被害が尋常ではなかった状況において、周辺がウンカによる坪枯れで秀品率が激減している中、レンゲ米栽培 + 農薬不使用栽培で無事に収穫できた方の栽培に関われたことではないかと。高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培の観測の報告会を行いましたこの水田をほぼ毎日観測していて、中干しの技術の見直しの必要性...

 

ウンカに食害された株とそうでない株の収穫跡

今回の話は記憶を頼りにしているので明確ではないが、一応メモ程度で残しておく。観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうですの記事で話題に挙げたウンカの被害がなかった田(実際には収穫時に少しだけ被害があったところが見つかったそうだ)と、隣のウンカの被害がすごかったの田の収穫跡を見る機会があった。こちらはウンカの被害がなかったところの収穫跡で、こちらがウンカの被害がすごかったであろう箇所の跡になっている。これらの跡で気になった箇所が二...

 

レンゲの播種は稲作収穫後のすぐ後

稲作の秀品率向上の為のレンゲ米栽培を採用する場合、問題になるのがレンゲの播種時期だろう。レンゲに限らず緑肥全般で言えることとして、都市近郊の緯度であれば播種時期の限界は10月下旬だろうか。レンゲの播種時期を調べてみると、レンゲ|レンゲ|緑肥作物種子|畑作園芸分野|商品情報|雪印種苗株式会社のページによると一般地の播種が10月上旬となっている。高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培の観測の報告会を行いましたで話題の中心となった方の今年の収穫日が10月6日で、収穫から2週間...

 

ヒメトビウンカの越冬からウンカの防除を考える

高槻某所の水田で坪枯れを見た今年の稲作は全国的にウンカによる被害がひどかったそうだ。ひどいところでは面積の9割がやられた田もあるそうだ。観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうですウンカには色々な種類がいて、話題に挙がりやすいのはトビイロウンカだけれども、トビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくる。今の所、トビイロウンカは日本では越冬できないとされる。トビイロウンカの他にヒメトビウンカという昆虫もいて、このウンカもトビイロウン...

 

高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培の観測の報告会を行いました

高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培を通して得られた知見の報告会を行いました。この報告会の背景には、知人の紹介で知り合った方がレンゲ米をされていて、その方が田植え前のレンゲ以外全て隣の田の方の栽培を真似ているという観測の好条件が整っているという幸運に恵まれ、しかもその田が毎日通っている道沿いという更に観測の条件が整ったという奇跡的な環境であったという事がありました。観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです作中、レンゲ米栽培の田の方で不安になるような生育が何...

 

収穫後の田のひこばえを見て、稲作の未来を考える

地域の中では比較的早めに刈り取られた田で、ひこばえが発生していた。ひこばえが獣を引き寄せるひこばえは作中の施肥が過剰であったため、肥料の使い方に無駄があってダメだ。という意見を度々見かける。施肥が過剰であるため、作中のイネに対しても過剰であった可能性があり、食味を落とすという意見すらある。このひこばえに関しての内容でふと違和感を感じた。観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうですの記事でも触れたが、常に水を張り続ける水田において...

 

ジャンボタニシの対策の前に生態を知ろう

ジャンボタニシ対策が話題になった。高槻の水田でジャンボタニシを見かけた石灰窒素が良いと聞いたので試してみるとか、椿油のサポニンが効くと聞いたが、魚毒性が強く取扱が注意だとか。ジャンボタニシ対策として「椿油かす」を使用しないでください:徳島市公式ウェブサイト話をしていた方のジャンボタニシの問題は主に作中に大雨で川からの水が入り込んできた際にジャンボタニシも一緒にやってきたので、ジャンボタニシがこれからの時期に越冬できなければ、藁の鋤込み時の農薬防除はあまり意味がないのかもし...

 

観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです

田植えから定期的に観測していたイネが無事に収穫を迎えたそうだ。驚くべきことに写真に写っている田は今年のウンカの当たり年で周辺も相当の被害を受けている中、殺虫剤を使用せずに収穫までこぎつけたそうだ。高槻某所の水田で坪枯れを見た更に驚くべきことに、すぐ近くにあるもう一つの田では殺虫剤を使用したにも関わらず、ウンカの被害があったそうだ。水稲害虫の天敵のことすぐ近くといえど環境条件は異なるので一概に言えないが、一作を通して見てきたものには多大な価値があることは間違いない。...

 

ヒガンバナのアルカロイド

前回の秋は田の畦にヒガンバナの記事で今年も田の畦にヒガンバナが咲いた旨を記載した。ヒガンバナの球根には毒があって云々かんぬんという話をしたが、そもそもの話で毒って何だ?という事と、作用機構はどうなっているのか?が気になったので、ヒガンバナのアルカロイドについて調べる事にした。本当はアルカロイドそのものの事を最初に触れなければならないが、アルカロイドの定義は難しいので後日時間をかけてゆっくりと見ていく事にする。Ed (Edgar181) - 投稿者自身による作品, ...

 

基肥のリン酸が発根促進である理由を考えてみる

前回のリン酸欠乏で葉が赤や紫になることを考えてみるの記事でリン酸欠乏で葉が赤や紫になることを今までの知見から考えてみた。これを踏まえた上で、稲作の基肥で話題になる発根促進としてのリン酸に触れてみる。栽培の教科書ではリン酸の説明が発根促進という事を時々書かれているのを見かける。リン酸と発根にどのような関係があるのか?よくわからない。リン酸はエネルギーの貯蔵やDNAの主である核酸の材料の一つで、細胞膜のリン脂質の成分でもあるから成長に重要であるということは自明だけ...

 

ウンカは水生生物の生態系にとって重要であるらしい

子供が小さな小さな虫図鑑 | 偕成社 | 児童書出版社を読んでいた。小さな虫という言葉で、ヒメトビウンンカやトビイロウンカが頭に浮かんだので、これらの昆虫はどのように記載されているのだろう?と読んでみたら、稲作にとっては害虫だけれども、生態系においては重要な位置を占めている昆虫であると記載されていた。高槻某所の水田で坪枯れを見たnobeziさんによる写真ACからの写真さいこんたんさんによる写真ACからの写真ウンカはカエルや水生昆虫の重要...

 

高槻の水田でジャンボタニシを見かけた

稲作の事を知る為に、様々な水田の様子を見ているのだけれども、田の底を動く大きな巻き貝?を見かけた。もしかしてこれは俗に言う世間を騒がすジャンボタニシスクミリンゴガイか?スクミリンゴガイ - Wikipediaジャンボタニシであれば食欲旺盛でイネの茎を食べて枯らしたりする厄介者で、この巻き貝が広まるのはなんとか阻止したいところ。卵には毒があって、貝に直接触っても何らかの感染症の恐れがあるため、駆除が難しいらしい。ジャンボタニシの駆除でとられている方法を調...

 

水稲害虫の天敵のこと

前回の冬期灌水有機栽培水田でトビイロウンカの被害が増えた報告から得られることの記事で、冬期灌水といった環境保全型の稲作であっても、環境条件によって急速に肥料成分が効くような状態になってしまうと、昆虫による食害被害が極端に増加するということがわかった。農薬で被害を抑えようにも、厄介な昆虫はすでに抵抗性を持っているわけで、農薬で抑えようとすればする程、農薬の使用量が増えるのに対して、天敵にも影響を与えるので被害は増加し続ける。「○○の時期には△△の農薬を撒きましょう」という慣習的な栽...

 

冬期灌水有機栽培水田でトビイロウンカの被害が増えた報告から得られること

イネのウンカ類への抵抗性の記事に引き続き、イネとウンカ類の事を調べてみる。どのような水田でウンカの被害が多いか検索してみたら、2013 年度に冬期湛水有機栽培水田において発生したトビイロウンカ(Nilaparvata lugens Stal)被害 - 愛媛県農林水産研究報告 第6号 (2014)という研究報告に辿り着いた。考察を読むと、冬期灌水有機栽培水田でウンカの被害が増えたそうだ。ただし、安直に冬期灌水有機栽培水田という栽培方法が悪かったという判断はしてはならず、冬期灌水有機...

 

カメムシが殺虫剤の抵抗性を得る仕組み

レンゲ栽培の田のイネの出穂数を見てみるの記事までで、運良く得られたレンゲ米栽培と、レンゲ栽培以外はすべて栽培を真似しているという比較区の水田という2つの環境の比較によって、イネの生育について触れてきた。おそらくこの2つの栽培環境がなければ、稲作について調べるということはなかっただろう。いろいろと稲作について見てきたので、そろそろ斑点米について見ることにしよう。稲作の主要害虫の一つとして、登熟時にKI-TSUさんによる写真ACからの写真Kekoさ...

 

レンゲ栽培の田のイネの出穂数を見てみる

この写真は数日前に撮影したもので、今は違った形をしているが。初夏から生育を追っているレンゲ米の水田も出穂した。話を進める前に中干し後のレンゲ米栽培の田の様子のまでの内容を整理すると、・レンゲ米の水田は田植え後のイネの地上部の生育が他の水田よりも遅いように見える→地上部の茂りが少ないレンゲ米の水田からイネの生長を考える・中干しをしても、土にヒビが生えず(もしくはヒビが少ない)、土の中に酸素が行き渡らない→中干しの従来の意義に従えば、発根促進ができていないでは...

 

放棄された田はカヤツリグサでも生き残れない

耕作が放棄されている水田があった。遠くから見てもひび割れが凄いが、近くで見ると更に凄い。草の生えないところをみると、土が劣化しすぎていて、稲作であっても十分な収量がなかったのだろうな。田は利便性がとても良いところにあるので、管理作業がしにくいから放棄したというわけではなさそうだ。この田をよくよく見てみると、カヤツリグサっぽいものが生えているけれども、大半が乾燥等の環境ストレスにやられて枯れている。ここから予想できることは、田のような土壌において...

 

ケイ素を利用する細菌たち

水素酸化能を有するイネの内生菌の記事で、イネの内生菌のストレプトマイセス属の細菌からケイ素(シリカ)と錯体を形成していたシデロフォアが発見された研究報告を紹介した。土壌にいる微生物でシリカと関係がありそうな菌や細菌の報告が他にもありそうなので検索してみたら、バクテリアにおけるシリコンの役割 - 環境バイオテクノロジー学会誌 Vol. 11, No. 1 · 2, 47–53, 2011という研究報告に辿り着いた。水田を含む土壌環境から得られた240株の細菌のうち、24株がケイ...

 

ケイ酸苦土肥料から稲作を模索する

肥料の製造元と面識がないので、肥料名は控えるが、ケイ酸肥料で有名なものにケイ酸苦土というものがある。保証成分は苦土が25%近くと多量に含んでいる。ケイ酸肥料で他に有名なもので、珪藻土由来のケイ酸カルシウムというものがあるけれども、カルシウムはできれば入れたくないので、ケイ酸苦土の方が何かと有り難い。カルシウム過剰によるカルシウム欠乏前回の猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討するの記事で稲作にケイ酸が良いという内容を記載したけれども、今までの記事からケイ酸を含んでいれば...

 

猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討する

※上の写真は過去のイネの写真稲作の虫害防除の今後を考える年々勢いが増すと予想される台風に対して出来ることはあるか?の記事で、年々猛暑日が増える中、稲作では高温障害によって米の収量や品質が低下する恐れがあり、高温に耐えられる品種の育種が急務であることを記載した。高温で考えられる障害として、中干し後のレンゲ米栽培の田の様子高温による光合成の低下が挙げられる。光合成の低下は気温の上昇により葉の気孔からの蒸散量が増加することを阻止するために、気孔を閉じて増産量...

 

中干し後のレンゲ米栽培の田の様子

田植え前から観察しているレンゲ米の水田レンゲ米の水田からイネの生長を考えるの記事で触れた通り、比較対象として観察している周辺の畑と中干し後から興味深い差が生じ始めた。上の写真は比較対象の地域の慣行的な栽培の田だけれども、日差しの関係から明確に撮影するのは難しいが、全体的に葉色が薄くなっている。この現象は他の畑でも同様。この時期は幼穂形成の時期で生殖器官への養分転流が盛んになる時期なので、葉色が薄くなるのは当たり前の現象ではあり、葉の老化として考えら...

 

開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきこと再び

維管束とオーキシンと発根までの記事を経て、開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきことを見ることにしよう。エルドンさんによる写真ACからの写真稲作前のレンゲ栽培で意識したいこととして、ミツバチ等の昆虫が花蜜と一緒に花粉を持っていってしまうことを記載した。この記事中で稲作時の川水の入水でミネラルが入るかもということを記載したが、調べていく中で、整備された用水路からの入水ではミネラル(主に亜鉛)は期待できそうにないことがわかった。 ...

 

イネの秀品率を高める為に不定根に着目する

シバの分げつを見るの記事でイネではないが、イネ科植物の不定根を見た。不定根の発生は米の秀品率に大きく影響を与える要因であることは間違いないので、不定根の発生についてわかっていることを把握しておきたい。稲作の中干しの意義を整理する脇芽を知って、挿し木を知ろう(イラストは双子葉植物だけれども)不定根といえば、高校生物でオーキシンと脇芽と不定根頂点で合成されるオーキシンが根の方に移動する際、地上部の途中にある脇芽の発生を抑制しながら、根に...

 

稲作の虫害防除の今後を考える

※上の写真は過去のイネの写真植物の毛水田ではそろそろ稲穂を形成する時期になる。稲穂の時期といえば、カメムシによる被害(斑点米)の低減の為の殺虫剤の散布がある。使用されている殺虫剤を見ると、ネオニコチノイドが頻繁に目に付く。ネオニコチノイドは植物体で浸透移行性があり、少量で長く効きつつ、人体には比較的影響が少ないとされる殺虫剤で重宝されているが、※人体の脳発達に影響を与える可能性があるという報告もある農薬ネオニコチノイドの曝露による哺乳類の脳発達への影響—自閉症...

 

レンゲ米栽培の水田と無機一発肥料

レンゲ米栽培の水田と有機一発肥料の記事で田植えの前にレンゲを育てたところは土壌の三要素のうちの生物相が顕著に変わっている可能性が高く、それに伴い有機一発肥料の有機成分の肥効が前倒しになる可能性があることを記載した。※実際にはレンゲ分の有機物があるため、パターンは大きく崩れる可能性があると記載している稲作でよく見かける一発肥料について個人的な見解ではレンゲ米の栽培では有機一発肥料よりも無機一発肥料の方が良いのではないか?と予想しているが、無機は無機で注意すべきことがある。 ...

 

ウキクサは稲作においてどのような影響を与えるのか?

前回のレンゲ米栽培の水田と有機一発肥料の記事で有機一発肥料の話に触れ、有機一発肥料はレンゲ米の栽培には向いていない可能性がありそうだ(あくまで個人的見解)という内容を記載した。その内容の一つに、窒素等の成分の肥効が前倒しになるため、その余剰分が、ウキクサの繁茂に影響を与えるのではないか?という内容を記載した。ウキクサに関して様々な意見を耳にする。ウキクサを良く捉える方と悪く捉える方がいて、整理するとどうやら田植え直後にウキクサが増殖するのは誰に...

 

レンゲ米栽培の水田と有機一発肥料

前回の一発肥料の2つの型の記事で一発肥料のシグモイド型とリニア型を見た。これらの型は肥効のパターンを意味していて、有機一発肥料はリニア型であることをよく見かける。有機一発肥料は有機質肥料が土壌の微生物によって徐々に分解されながら少量ずつ肥効を示すという特徴を利用する。ここで一つ思うこととして、高槻の清水地区のレンゲ米の水田の田起こしレンゲ米の栽培ではマメ科緑肥のレンゲをかますことで土壌の環境が向上され、有機質肥料の分解のパターン...

 

一発肥料の2つの型

前回の稲作でよく見かける一発肥料についての記事で一発肥料について触れた。速効性と緩効性の肥料の絶妙な組み合わせで、作付け前の元肥に一回使用するだけで、収穫まで追肥をしなくても良い肥料のことを言う。この一発肥料を可能とした技術として、上の写真の黄色い粒の樹脂コートがある。水溶性の肥料を水に触れることで徐々に溶けるコートで包むことで、土壌中の水分により徐々に溶けて時間差で肥料成分を与える事にができる。緩効性の肥料は他に油かすや革粉といった有機質肥料もある。この有機...

 

稲作の中干しの意義を整理する

イネの花芽分化の条件までの記事で記載している通り、レンゲ米の田をほぼ毎日見ている。いくつかのレンゲ米の畑で共通していることが、葉の色が薄く、地上部の茂りが少ないが茎は太い。比較的背丈は揃っていて、田全体で葉の色が整っている。一発肥料(次の記事あたりで触れる予定)を使っているが、レンゲによる土壌改良によって肥効パターンが変わっている可能性があると予想している。慣行的な栽培の田と比較して他にも興味深い現象があった。発根を促進するために行うとされる中干し...

 

イネの花芽分化の条件

前回のイネの有効分げつ歩合とはの記事でイネの分げつのうち、収量に関するものとそうでないものの違いを見た。収量に関係ない分げつは収量に関する分げつから発生した高次分げつのことを指す。となると、一般的に言われる中干し前の分げつが有効で、中干し後の分げつが無効というのはあくまで指標であって、明確な判断基準ではないということがわかる。今のところ、傾向として(観測範囲内で)一律レンゲ米の水田は分げつの発生が遅いというのも、無効分げつの発生を抑えているという可能性も十分あり得る事...

 

イネの有効分げつ歩合とは

レンゲ米の畑の一つが先週あたりから急速に生育をはやめ、しかも葉色は緩やかに濃くなっている状態になっている。葉の色が濃いイネはいもち病に罹りやすい上の写真のレンゲ米のイネは周辺のイネと生育状況では大差ない状況となっている。元JAの営農指導員曰く、上の写真の水田の株は比較的茎が太く見えるそうだ。中干しによって土壌中の窒素の形態とかが変わったのはなんか影響があるのかな?といろいろな想像をしてしまうが、今は適切な判断をするために知識不足を埋めることが先決なので、前回のイネの分げつ...

 

イネの分げつについてを知ることが大事

窒素肥料過剰でイネの葉の色が濃くなるのはなぜだろう?までの記事でレンゲ米のことを見ている。近所でレンゲ米を栽培している箇所が数箇所あり、どの水田も一律で薄い葉色と分げつが少ない傾向にある。これは地上部よりも発根が優勢になっている事に因るものだと予想しているのだけれども、自身で栽培しているわけではないので確認はしていない。物事を判断するためにはイネの知見が全然ないので、一つずつ丁寧に見る必要がある。今回は収量に関与する分げつについて見ることにする。分げつは他の植...

 

水生植物であるイネの根腐れについて考える

イネのいもち病から離れ、イネの根腐れについて見る事にする。今年は大雨の日が多く、田から水を抜く事ができず根腐れが多発するのではないか?と言われている。田から水を抜くというのは、中干しと呼ばれる土表面がひび割れするまで乾かして、ひび割れの箇所から酸素を入れて根を丈夫にする過程を指す。この中干しに対して一つ疑問がある。植物の根への酸素の運搬とROLバリアという記事で触れたが、イネの根はROLバリアというものを発達させ、葉から...

 

葉の色が濃いイネはいもち病に罹りやすい

前回のレンゲ米の水田からイネの生長を考えるの続きレンゲを育てて鋤き込んだ後に田植えをした水田では、レンゲ鋤き込み以外の条件が似たような水田と比較して、葉色が薄く葉の茂りが少ない傾向(あくまで主観)があることを記載した。この状態が良いのか悪いのかを判断するのは難しいけれども、欠乏症が出ているというわけではないので良い事であると予想している。前回の記事では植物の反応として、水溶性の窒素化合物と発根についてを見た。イネのサクラネチンはいもち病菌に対して抗菌作用を持つ...

 

レンゲ米の水田からイネの生長を考える

レンゲ米の水田に集まる昆虫たちまでの記事でも記載しているが、ほぼ毎日、レンゲ米の水田を様子を見ている。知人といえ人様の畑であるので厳密な観測ではなく、本当に様子見程度。レンゲ米の水田のことを知るために、周辺で田植えの前に土が悪いであろうなという箇所をいくつかピックアップしておいて、その水田の様子も合わせて見ている。おそらく施肥設計はほぼ一緒で、大きな違いはレンゲで土作りをしているかどうか※レンゲで土作りをしているので、土作りに用いた肥料に違いは生じるそんな中で最近顕著...

 

レンゲ米の水田に集まる昆虫たち

高槻の清水地区のレンゲ米の水田の田起こしの記事で、レンゲ米をされている方の田を見た。この田はいつも通っている道にあるので、通る度に経過を見ている。先日、この田で入水して田植えをしていたので、水の濁り具合やプランクトンの増殖具合を見ていた。春の入水後に緑藻が繁茂した周辺には田がいくつもあるので、大きく目立っていた違いが、おそらく動物性プランクトンだろうけれども、茶色いもやが一気に広がったこととその後の浮草の発生で、浮草の上にハエが集まっていた。浮...

 

花の色を決める4大色素

コトブキ園さんから恵壽卵を頂きましたの記事と、マメ科の黄色い花が鈴なりで開花している周辺の記事を踏まえつつ、acworksさんによる写真ACからの写真花蜜と花粉に含まれる成分周辺の記事で気になることがある。花蜜及び花粉には花の色に関与する成分が入っている。それらの成分がハチミツの色や香りに影響を与えていることは間違いなくて、色や香りが機能性を向上していることも間違いない。色素についてピックアップしてみると、例えば同じマメ科であっても、初...

 

緑肥栽培中に追肥を行う価値はあるか?

開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきことの記事で、レンゲ米の品質向上の可能性の模索をした。水田の冬季にレンゲを育てる事によって、ミネラル分の持ち出しは逃れられないので、そこらへんを意識する必要がある。もう一点、心配事があって、レンゲとアルファルファタコゾウムシの記事で紹介したマメ科植物を摂食する昆虫が増えていて、年々レンゲ栽培が難しくなっているということだ。これを踏まえた上で、緑肥の利用で意識すべき点がもう一点ある。レンゲ米の質を向...

 

開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきこと

レンゲに限らず、すべての緑肥で頻繁に挙がる質問の一つとして、緑肥は花が咲く前に刈るか、花が咲いてから刈るか?というものがある。これは非常に難しい問題だけれども、質問があった時は刈る前だと伝えている。刈る前と答える理由は、花を咲かせるというのは非常に大きなエネルギーを使うわけで、※単位は%花蜜と花粉に含まれる成分一般的な花粉の成分を見ても、様々な養分が含まれ、これらの成分が畑の外環境に持ち出されてしまう。花粉というのはこれから分裂が活発になる細胞であ...

 

レンゲ米の質を向上させることはできるか?

前回のレンゲ米は美味しいのか?の続きの記事で水田の冬季にレンゲを育てることで、根圏微生物フロラが改善されて、難吸収性の養分の吸収の効率が高まり、それが米の食味に影響を与えるのでは?という内容を記載した。上記の内容が正しいと仮定して、冬季のレンゲ栽培をより効果的にする方法を考えてみる。根圏微生物フロラが広域になるための要素を挙げてみると、・レンゲの発根量が増すこと・根圏微生物が好む環境が適切にあること・共生微生物と適切に共生関係を結べることあたりが思いつく。...

 

レンゲ米は美味しいのか?の続き

前回のレンゲ米は美味しいのか?の記事で、緑肥で期待できる効果を整理した。緑肥の期待できる効果を踏まえた上で、水田の冬季にレンゲを育てることが次作の米の食味に影響を与えるのか?を考えてみる。先に米の品質を再度挙げると、水田で上流から流れてくる水の水質が大きな影響を与えていることは間違いない。米の美味しさは水の綺麗さというけれど水質というのは主にどのような金属イオンが溶けているか?でおそらく鉄、マグネシウムや水溶性のシリカが豊富な程、米の食味は向上しているはず。イネがシリ...

 

レンゲ米は美味しいのか?

高槻の清水地区のレンゲ米の水田の田起こしの記事で水田の冬季にレンゲを栽培している方と、レンゲを育てることによって、次作で栽培する米の美味しさは向上するのか?という話題になった。個人的な意見ではレンゲ米は通常の栽培と比較して美味しくなるだろうと判断している。一般的にはマメ科のレンゲを育てることによって、マメ科特有の窒素固定によって土壌の肥料分が補われ、ほとんど肥料分を必要とせずに育てることができるということを言われているけれども、ここには美味しさの話題はない。マメ科緑肥で得...


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