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カテゴリー : ビタミン・ミネラル・味/page-10

 

重要だけど扱いにくいものでもある二価鉄

光合成の明反応-後編までの記事で、植物は太陽光を受光することで光合成を行うわけだけれども、その光合成という反応において最も注目されているのが電子の移動であって、その電子の移動には多くの鉄(特に二価鉄)が必要とされることがわかった。※実際には鉄を含むタンパク質鉄はFe2+とFe3+の状態をとり、二価鉄は前者のFe2+の方を指す。プラスが一つ少ない、つまりは電子e-が一つ多い。鉄は電子を受け取りやすく離しやすいという特徴があるため、鉄は電子の運搬に関わる。電子を受け取

 

光合成の明反応-後編

光合成の明反応-前編前回、光合成の明反応の詳細を見て、水から電子を取り出して、その電子の動きを見つつ、各所で動いている物質のことを見た。とはいっても、すべてを見たわけではないので、今回は残りを見ていく。はじめに図の中央にあるシトクロムb6fを見ると、この個所はシトクロムがたくさんある場所で、シトクロムというのは、酸化還元機能を持つヘム鉄を含有するヘムタンパク質である。シトクロム - WikipediaヘムはBy NEUROtiker - 投稿者自身

 

銅を中心にして、リグニンを廻る植物とキノコたちの活動

廃菌床という資材のこと最近、廃菌床の話題がちょくちょく挙がり、廃菌床のことをまとめる機会が増えた。廃菌床というのはキノコ栽培で使用された培地のことで、キノコがある一定以上生えて収穫された後に廃棄されたもの。キノコというのは、作物栽培の堆肥として非常に有用な木質系の成分の終盤の分解者にあたり、キノコがしっかりと生えきったものであれば、堆肥として利用すれば土に障害なく有効な形で作用してくれる代物だ。成分をまとめたりといろいろしていたらふと頭に浮かんだことがある。今

 

うどんの茹で汁は飲まないけれども、そばの茹で汁は飲む文化

蕎麦湯を飲んだそばを食べた後に出る蕎麦湯が好きなのでざるそばを注文して蕎麦湯がサービスである時は必ず飲むんだけど、蕎麦湯で検索してみたら蕎麦湯を飲むべきではないという意見があって驚いた。麺を茹でた後の液体が蕎麦湯であるわけで、茹でた際の麺から溶出してしてしまった成分が溶けているから良いという話題だけれども、この話をスパゲッティの茹で汁に当てはめると、スパゲッティの麺には塩分や添加物がたくさんあるだろ。スパゲッティの茹で汁を飲む文化なんてないから蕎麦湯を飲むのも信じられ

 

蕎麦湯を飲んだ

先日、もりそばを食べた。もりそば、ざるそばを食べる時に食後に蕎麦湯が出てくることが多く、そばのつゆを蕎麦湯で薄めて飲むのが好きだ。蕎麦湯といえば、最近町でよく見かける立ち食いそば屋でそば特有の栄養素があるというポスターを見たので、蕎麦湯を味わっている時にそば特有の栄養とは何だろう?とふと思い出したので調べてみた。Rutin synthase in fava d’anta: purification and influence of

 

元素118の新知識から金属酵素の働きを知る

星屑から生まれた世界 - 株式会社 化学同人 38ページより引用I-W系列と各微量要素I-W系列を知ってから、微量要素についてのイメージがより鮮明となって、各種金属酵素の働きを理解したい欲求が増えてきた。まとまっている本はないか?と本屋で様々な生理学系の本を探してみたけれども見つからず…そんな中、仕事用の本棚の整理をしていた時にふと目に付いた。講談社ブルーバックスの元素118の新知識という本。元素118の新知識|ブルーバックス|講談社

 

殺菌剤の標的とSH酵素阻害

マンゼブ Ⅰ.評価対象農薬の概要 - 環境省より引用前回の亜鉛を含む農薬の作用をI-W系列から考えてみるで亜鉛を含むマンゼブという農薬を見て、実際の作用の話に入る前に金属酵素全般の話を書いた。マンゼブの作用を改めて記載すると、ジチオカーバメート系の殺菌剤であり、SH酵素や金属酵素を阻害することにより殺菌活性を有すると考えられているということだった。とりあえず、SH酵素阻害から触れてみることにする。SH酵素阻害と言えば、銅を含んだ農薬のボルドー液

 

亜鉛を含む農薬の作用をI-W系列から考えてみる

先日、マンゼブという農薬の成分の話題になった。マンゼブというのは、マンゼブ Ⅰ.評価対象農薬の概要 - 環境省より引用分子式が(C4H6MnN2S4)xZnyで表されるマンガン(Mn)、硫黄(S)と亜鉛(Zn)を含んだ化合物である。分子式をざっくりと見たところ、亜鉛(Zn)が遊離してイオン化しやすいだろうと予想している。作用機構を見ると、ジチオカーバメート系の殺菌剤であり、SH酵素や金属酵素を阻害することにより殺菌活性を有すると考えられている。金属

 

リグニン合成と関与する多くの金属たち

最近、植物にとっての病気とは何なのだろう?と微生物や酵素の事が記載されているものを再び読むようになった。そのキッカケとなったのが、下記の記事であるわけで、生物の誕生は地球にある物質を元であるならば、生物の基盤は石(鉱物)である。I-W系列と各微量要素生物が獲得した便利な機能も当然鉱物由来であって、病原菌(感染して発病の要因となる菌)の攻撃も鉱物由来であって、感染された生物の防御も鉱物由来である。植物の細胞壁には病原菌が体内に侵入してきた際に菌の侵入を認識して、防御や攻

 

I-W系列と各微量要素

星屑から生まれた世界 - 株式会社 化学同人昨年末の太古の生物は酸素によって現れた銅を活用したの記事で衝撃的な書籍と出会ったことを記載した。この本が学生の頃にあれば、きっと人生は今とは違う方向に向かっていただろうなと思える程の衝撃であった。農学や細胞学を勉強していてここまで生物と金属にピックアップして記述している本は見たことがなかったし、この視点は農学を学ぶ上で理解を急激に進めるための手引となることは間違いない。というわけで、再び読み始めたわけだけど、この本の序盤

 

二年ものの味噌を買った

近所のイベントで二年味噌が売っていたので即買いした。しかもこの味噌、材料が脱脂後の大豆ではないのが更に良い。写真の左側が一年物の味噌、右側が二年物の味噌。近寄って見ると、これが一年もので、これが二年もの市販の味噌には賞味期限があるけれども、味噌自体は発酵食品であるため、腕の良い方の味噌であれば、味噌には賞味期限というものはなく、寝かせれば寝かせるほど美味となる。無添加味噌の表面にカビが生えた上記以外のことで、以前食品

 

植物は銅を何に活用するか?

銅の機能を活かした農薬、ボルドー液で(おそらく)胆礬と石灰岩を燃焼させたものでボルドー液という農薬を作成したことを記載した。で、今回はボルドー液の機能を記載しようと思ったがその前に植物にとって銅は微量要素の肥料成分として捉えられているので、植物体内で銅がどのような働きをするのか?を見てみたい。JAの営農のハンドブックを開いてみると、銅(Cu)は下記のように記載されていたおもな吸収形態:Cu+、Cu2+おもな生理作用:1. チトクロームa、アスコルビン酸酸化酵素、チロシ

 

銅の機能を活かした農薬、ボルドー液

太古の生物は酸素によって現れた銅を活用したで生物にとっての銅というものの重要性を再認識した。いや、作物の肥料の微量要素としてなかなか銅は話題が上がらないのであまり気にしていなかったという方が正しい。そんな作物と銅だけど、近代農薬の歴史において、初期に現れたボルドー液というものが、硫酸銅を主として製造された農薬で、銅のもつ「破壊と創造」というものが病原性微生物には防除として効いて、作物にはサプリ的要素として効くらしい。ということでせっかくの機会なので、ボルドー液について調べてみ

 

乳酸菌の活性に更に迫る

乳酸菌の活性に迫るで乳酸菌はγ-アミノ酪酸を合成するということを記載した。このγ-アミノ酪酸は人体でも合成されており、神経の抑制系の反応で使用していることがわかっている。他に何かないか?ということで、再び乳酸菌で論文検索してみたところ、下記の論文が引っかかった。乳酸菌の生理機能とその要因 日本調理科学会誌 Vol. 46,No. 2,129~133(2013)この論文には乳酸菌の一般的な構造が記載されている他、プロバイオティクスの仕組み等も

 

乳酸菌の活性に迫る

糠漬け時の乳酸発酵に迫る前回までのあらすじとして、糠漬けという発酵食品は、食塩による浸透圧上昇により細胞内の成分をスープのようにごちゃまぜにし抽出する。糠床の糠に住まわせた乳酸菌等の微生物によって米ぬかと抽出したスープ内の有機物を発酵させる。浸透圧による細胞内の成分の抽出によりミネラルの吸収効率を高め、発酵の過程を経て、有機物の吸収効率を高めつつ、繊維質は残すので、繊維質の摂取の恩恵も受けられる。前の記事でも書いたけど、乳酸菌はただひたすらにデンプ

 

糠漬け時の乳酸発酵に迫る

糠漬けを探る前回、糠漬けの手順について触れた。食材を糠漬けに漬け込むまでの間に整形・洗浄→食塩という手順があり、食塩後に食材を糠漬けに漬けて、米ぬか内に住み着いている乳酸菌によって発酵を開始する。ここで見るべきポイントは2つだね。・食塩が食材に与える影響・乳酸菌は何を発酵しているのか?(食材内の物質を発酵しているのか?)この問に関する解は下記の論文を参考にする。漬物工業の現況と新技術動向の294ページから295ページまで漬物が漬かるということ動植物の細胞は

 

先生に覚えておけと言われたジンクフィンガーを私はまだ忘れていません

先日、鍋をした時に、なんと鍋には牡蠣が入っていた。牡蠣を食べる度に学部生の頃の研究室の先生の言葉を思い出す。院試の勉強や研究のために遅くまで残っていたら、時々先生が居酒屋でごちそうしてくれたものだ。男性が精力を付けたければ、牡蠣が良い。ジンクフィンガーを覚えておけ。と※亜鉛はZnと表し、ジンクと読むあぁ、先生の言いつけ通り、牡蠣やアワビ=ジンクフィンガーが頭から離れなくなってしまったよ。By Thomas Splettstoesser (www.scistyle.

 

オーガニックの野菜は美味しくなりやすい

最近、野菜の価格が高い。価格が高くなるのは、市場全体での野菜の収量が下がり、需要と供給の関係で供給が下がり、相対的に需要が上がったことが要因だろう。収量が下がる要因には、単純に栽培する人が減った以外に天候や獣害によるものも多い。天候が悪い年は日本全国大概の場所が悪くなるから、大体の方が不作かと思いきや、無難に回避して、供給不足時にもそれなりの収量の方がいて、無農薬栽培を行っている畑で多く見かけた。無難に回避できている畑の野菜は比較的美味しいので

 

作物と鉄まとめ

続・続・もう、牛糞で土作りなんて止めようよの続き鉄がアミノ酸の合成や抵抗性を増す要因であるならば、二価鉄を施肥すれば秀品率が上がるんじゃないの?という考えに行き着く。二価鉄を酸化させずに施肥させる手段があるかどうかは知らないけど、二価鉄をキレートに包めば、そこそこ安定的に吸収させることが可能だと思う。だけどだよ、他の要素同様、過剰症に注意しなければならないはず。知らない間に溜まっている石灰現に、鉄過剰症は施肥をはじめて結構はやい段階で発生す

 

発生し続ける活性酸素

鉄と上手なお付き合い前回、生体内で活性酸素が発生して、侵入した菌とかを死滅させるけど、活性酸素が強力すぎて、ある程度の量の活性酸素は鎮めなければならないと記載した。これって、侵入した菌分だけ活性酸素を合成すれば良いんじゃね?という話になるけど、常に活性酸素を用意しているから、侵入した瞬間に菌を死滅させることができる。侵入してから数を菌の数をカウントして、それに合わせて活性酸素を用意していたら、活性酸素を生み出す過程にも複雑な制御が必要になるし、一斉に菌が入って

 

鉄と上手なお付き合い

鉄という物質がある。鉄をイオン化させると、Fe2+とFe3+という2つの形をとる。酸化鉄(Ⅱ)や酸化鉄(Ⅲ)という形で今までよくでてきたよね。還元剤としてのシュウ酸?これは1つの電子を放出しやすく受け取りやすいという鉄イオンの大きな特徴らしい。放出しやすく受け取りやすいということは、どこかで発生した電子を保管しやすく、どこかで使いやすいという意味を示している。だから、(画像:5-アミノレブリン酸の農業利用に関する技術開発 Regulation

 

キノコが行う自身の再構築

ビタミンDの前駆体を体に組み込むキノコたち先日、キノコのエルゴステロールについて調べたいと思い、キノコについての論文をいろいろと読んでいたら、下記のタイトルの論文を発見した。きのこ類が生産する糖質加水分解酵素 木材保存 Vol.39-2(2013)この論文には、キノコが木材を分解する際に使用される酵素(ただしリグニンは除く)が記載されていた。その中でふと目についたのが、きのこ類のような菌類は菌糸生長する際に,キチナーゼ,β-1,3グルカナーゼ,&beta

 

ビタミンDの前駆体を体に組み込むキノコたち

天気が良いので、シイタケを天日干しするってよキノコを天日干しするとビタミンDが増えるらしい。実際に起こっている反応は、プロビタミンDであるエルゴステロールが光化学性の反応によってビタミンDに変化するかららしい。ビタミンDというのは、人体でカルシウムの結合を高めるビタミンということになっている。で、ここで疑問になるのが、廃榾木に群がる菌群シイタケってカルシウムの吸収を積極的に行いタチなの?キノコはカビなので、カルシウムでがちがちに固めるイメー

 

天気が良いので、シイタケを天日干しするってよ

シイタケの天日干しをしていた。シイタケを天日干しすると風味や栄養価が上がるらしい。他の食材も天日干しをすると風味や栄養価が上がるものがある。こんな生育した環境から切り離された状態でも、健気にいずれ使うであろう成分を合成して蓄えているのか?なんて思ったので調べてみた。風味が上がる要因の大半が、干すことによって水分が減り、養分が濃縮されるかららしいが、それ以外にビタミン量の絶対量が増えるという反応があるらしい。紫外線照射条件の違いに

 

有機質肥料としての米ぬか

米ぬかを入手した。米ぬかは肥料として販売されているのはなかなか見ないけど、栽培では米ぬかは有機質肥料として重宝する。保証されている成分として、N : P : K = 2.5 : 6 : 2他に苦土(マグネシウム)が1.5ぐらいと多く含まれ、微量要素の成分が程よく入っているのが特徴。※ここでいうNはタンパク質のはず肥料成分の偽装に関する意見について糖分、脂肪分が多く、ビタミンも程よく入っている。食材としての米ぬかの話だが、カルシウムが不足している

 

苦味を感じるのは生命の危機

植物性の有機物で栽培した葉物野菜には苦味が無いのはなぜでしょう?という話題になった。一般的に言われるのは、葉物野菜中に含まれる硝酸態窒素が少ないからというで、硝酸態窒素の多さが苦味に何らかの影響を与えている可能性がある。でだ、ここでいう硝酸態窒素というのは一体何なのか?なんだけど、肥料の中に含まれる窒素として、・アンモニア態窒素・硝酸態窒素・有機態窒素がある。他にも区分があるかもしれないけれども、大雑把にまとめてみる

 

微生物資材に頼る前に発酵食品を学ぶ

日常で発酵のお世話になっていることが多く、発酵食品を好んで食べるという方も多い。そんな中で、発酵食品として優秀だから、発酵に関与した微生物が土壌で頑張ってくれたら有用じゃね?という意見が多くあり、その手の微生物資材も多く販売されている。しばらく後に出てくる話だけど、微生物資材を入れてるけど、これってこの資材の中にいる微生物のおかげなの?資材投入の費用対効果はどうなの?という意見もちらほらと見かける。これから記載する内容はあくまでも個人的な意


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