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カテゴリー : 堆肥・肥料/page-8

電子書籍の販売をはじめました
 

もう、鶏糞で土作りなんて止めようよ

熊本JAやつしろの栽培者向け勉強会で施肥設計の話をしました等の勉強会で必ず話題として挙げるものとして、鶏糞堆肥の使用には注意が必要で、(緑肥による土作り以外で)鶏糞堆肥を土作りの資材として使用してはいけない。更に、安価な窒素肥料というイメージでも使用してはいけない。ということを伝えています。何故か?それは鶏糞堆肥には思わぬ落とし穴があるからだ。話を始める前に興味があればだけど下記の発酵鶏糞のシリーズに目を通してもらうとして、発酵鶏糞ができるまで1熟成し

 

キレート鉄Fe-EDTA

キレート鉄の使いどころでキレート鉄は水耕栽培では欠かせないものであることがわかった。水耕栽培において、元々鉄の供給は硫酸第二鉄(FeSO4)を使用していたが、硫酸第二鉄だと施肥後のpHが大きく下がり、都度、pHの調整が大変だった。生理的酸性肥料って何?そこで鉄を施肥してもpHが下がらない肥料の必要性が高まり、Fe-EDTAの効果が発見され、使用されるようになったという背景があるらしい。Fe-EDTAを肥料のカタログで見ると、必ずといって良い程適正pHの記載

 

キレート鉄の使いどころ

最近、鉄の肥料としてキレート鉄というのをよく見るが、キレート鉄は何が良いの?と質問を受けた。先に結論を書いておくと、作物の鉄の吸収は複雑で、水耕栽培時においてはキレート鉄でなければ作物は鉄を効率的に吸収出来ないというのが解となる。整理のために、諸々の現象を見ていこう。その前に前回の水耕栽培の記事のリンクを掲載しておく。水耕栽培時のpH調整は溶けやすい塩(えん)で水耕栽培で使われる鉄の肥料として、Fe-EDTAというものがある。EDTAと

 

水耕栽培時のpH調整は溶けやすい塩(えん)で

By D-Kuru - 投稿者自身による作品, CC BY-SA 3.0 at, Linkロックウール - Wikipediaロックウールと水耕栽培でロックウールはスラグという玄武岩から鉄を取り出した際に発生する産廃で、主成分は二酸化ケイ素と酸化石灰(酸化カルシウム)であることがわかった。酸化石灰は乾燥剤の成分で、CaO + H2O → Ca(OH)2の反応を経て、水を吸いながら水酸化カルシウム、つまりは消石灰となる。石灰は水を吸う消石灰は(

 

尿素と塩化カリウムの肥料のとしての使いどころ

先日の肥料業者向けの勉強会で尿素と塩化カリウム(以下、塩化カリ)を使用するのには抵抗があるという話題が挙がりました。鹿児島中央で肥料関係者向け勉強会で施肥設計の話をしました尿素はガスが発生するとか、塩化カリはよくわからないのですが、名前がごついからやばいものを使っているイメージになるとか?これらの肥料の使用リスクがどれほどなのか?の参考として今回の話を書きます。尿素を使用したい箇所は硫安の代替です。硫安と尿素のどちらも窒素分を多く含む単肥でアンモニア態窒素として使用さ

 

熊本JAやつしろの栽培者向け勉強会で施肥設計の話をしました

縁あって、農業県、熊本のJAやつしろで栽培者向けの肥料の勉強会の講師として呼んで頂きました。※京都農販の技術顧問という立場で呼ばれています。JAやつしろ - 八代地域農業協同組合 -JAやつしろでは養液栽培やシステム化の方向に向かいつつある時で、ロックウールによる栽培も増えつつあるところではありますが、土耕 + 養液栽培であれば元肥の重要性は高いです。元肥を見直し、肥効のパフォーマンスを高めて秀品率向上に貢献できれば幸いです。勉強会を開

 

鹿児島中央で肥料関係者向け勉強会で施肥設計の話をしました

京都農販のアドバイザーとして、鹿児島中央付近のセミナールームで肥料関係者向け勉強会で講師をしました。テーマは京都農販での基肥の施肥設計での背景にある考え方を主題として話し、メジャーな肥料の残留性を肥料名から判断するといった内容を副題としています。設計時にどのような理論を採用しているかを明確にすることによって、フィードバックを効率的にしつつ、新技術の採用の判断も的確に行えるようになります。これらの話を元にお互いに切磋琢磨し、理想の手というものを探っていけ

 

脱窒で土壌中の硝酸態窒素が減る

脱窒という現象がある。脱窒というのは土壌中の硝酸イオン(NO3-)が窒素ガス(N2)になって大気に放出される。この作用は脱窒菌と呼ばれる土壌微生物が行う。脱窒で減る硝酸の量は無視できない量だった記憶がある。土壌中の具体的な反応としては、タンパクから分解されたアミノ酸は引き続き尿素→アンモニアへと分解され、アンモニアは硝化細菌により酸化されながら硝酸に変わる。※周囲の環境によって硝化されないこともあるアンモニア臭は酸化で消そう硝酸は畑が

 

クエン酸ができるまで

く溶性苦土の水溶性化でく溶性苦土をクエン酸で溶かしたら残留性の少ない水溶性苦土になると記載した。クエン酸は根から分泌されているから、く溶性苦土は植物の根が肥料にリーチした時にはじめて溶けて効くという話になる。く溶性の使いどころと思いきやちょっと待てよ。解糖系という反応とクエン酸回路で電子をたくさん得るでグルコース(ブドウ糖)を分解する過程でクエン酸が生成されている。この反応は植物内の反応として記載したけど、コウジカビも同様の化学反応を行う事が出

 

く溶性苦土の水溶性化

水溶性のマグネシウムが欲しいけど、残留性(硫酸根)が残るのは極力避けたい。というような質問を時々受けます。水溶性で使い勝手のよいマグネシウムと言えば、キーゼライト粉末を使っている人が多い。キーゼライトは天然硫酸苦土で、化学組成はMgSO4・H2O化学組成から判断できるように硫酸根のため、苦土のあるところで話題に挙げた炭酸苦土と比較にならない程よく溶ける。ただ、硫酸根が残留するため、排水性の悪いところやハウスだと残留による障害が怖いところ。肥料成分の偽装に関する

 

基肥について考えてみる

集合と関数でベクトルが関数であり、プログラミングではリストであることがわかった。これを踏まえた上で各肥料を$fertilizer = array("in" => 0, "on" => 0, "wp" => 0, "cp" => 0, "wk" => 0, "price" => 800);こんな感じで保証成分をベクトルで持たせて予算に合わせて最適解をもたせれば良いということになる。肥料成分としての窒素(N)だけどちょっと待てよと凄腕栽

 

苦土があるところ

硫安が出来るところで水マグという名前が出てきたので書いてみる。水マグというのは水酸化マグネシウムの略で、Mg(OH)2の単純な構造であるけど、とても重要な肥料である。水滑石という鉱物を粉砕して上の写真のような形状にしたもので、空気に触れると二酸化炭素を吸収して2Mg(OH)2 + CO2 → MgCO3 + H2O炭酸マグネシウム(炭酸苦土)に変わる。水マグ、炭酸マグ、どちらもMg(OH)2 + 2H2+ → Mg2+ + 2H2O

 

硫安が出来るところ

鉱物は栽培上の問題の解決案を教えてくれるで硫酸は硫化鉱物が空気に触れ酸化することで自然に発生することを知ったと記載した。硫酸の話題が出てくれば、栽培者であれば見ておきたいのが硫安(硫酸アンモニウム)。肥料成分としての窒素(N)もしかしたらこれも自然発生しているのでは?と思い、硫安の合成や製造について調べてみた。検索してみて下記の資料がひっかかかった。硫酸アンモニウム(硫安) BSI生物科学研究所そこには硫酸とアンモニアを原料とする合成法の他に副産硫酸アンモニウ

 

基肥の自動計算に挑戦してみる

タイトルで自動計算に挑戦してみると記載していますが、全く出来ていません。これから考えます。そこのところはご了承下さい。ある日の会話で土壌分析の結果を継続的に保管するなら、基肥の自動計算もできるのではないか?という話題が挙がった。土壌分析アプリsoil2 by Go基肥で使用する各肥料の成分をベクトルで持たせ、線形計画法で最適な解を探し、その解と実際に施した量の差で教師ありの機械学習させ続ければ出来るのでは?なんてその時は思った。線形計画

 

客土で川砂を入れる意義

先日の勉強会で下記の質問がありました。舞鶴でトウガラシ等の長期栽培に向けての肥料設計の基礎知識の話をしました畑作を続けていたら鉱物が風化して、溶脱するミネラルがなくなる。自身の畑の土がそのような状態の可能性が高いということがわかった。果実内発芽から見える土の状態ふと思ったんだけど、これは一昔前でも同じような状況になるよね。これをどうやって回避していたの?もしかして洪水か?知ってか知らずか日本では米 → 野菜 → 米という

 

雪に埋もれた畑を見て思い出す師の言葉の続き

雪に埋もれた畑を見て思い出す師の言葉で師は雪を匠に利用していたことを思い出した。利用方法といえば、山積みにした植物性の有機物を積雪の重みで発酵を促進する。安定化するために、積雪の重みだけではないんだけど、とりあえず積雪による有機物の発酵の促進の話をもう少し見てみる。有機物が上のイラストのように発酵熱がこもる形まで持っていくためには、それなりの高さまで積み上げなければならない。こんな感じで。※諸事情により師の畑の写真は手元にありません

 

雪に埋もれた畑を見て思い出す師の言葉

近所の雪に埋もれた畑を見て思い出す師の言葉エノコロを見て思い出す師の言葉センダングサを見て思い出す師の大胆さ全面雪に覆われることを大切にしていたなと。雪に覆われる前に春からの作付の準備ができれば春夏どころかその後の作付も安泰だと。雪というのは積もるとそれなりの重量になり、かまくらとかを作ってみるとわかる通り、中はそこまで寒くない。雪は徐々に溶けるため、重量のある重しから徐々に水が滲み出るイメージで、雪が積もる前に分解しにくい有機物を山積みしておくと分解が促

 

カルシウム過剰によるカルシウム欠乏

トマトの栽培でよく聞く尻腐れ病。病気と書いているけど、カルシウム欠乏が原因みたいで、尻腐れが出た畑ではカルシウムを与えるようにと指導を受けることが多い。しかしだよ、カルシウムを与えてトマトの尻腐れが治まる方が少なく、大半は尻腐れが悪化する。悪化するにも関わらず、この手の指導が行われ続けているのは、背景にリービッヒの最小律の考え方があるからだろう。リービッヒの無機栄養説現代の栽培において、栽培をははじめる前に石灰でpHを調整しておく。安価な鶏糞が至るところに

 

リービッヒの無機栄養説

農業史、肥料を扱うにあたって忘れてはならないのが、ユストゥス・フォン・リービッヒと彼が提唱した無機栄養説だろう。ユストゥス・フォン・リービッヒ - Wikipediaリービッヒは化学者で、あらゆる植物の栄養源は腐植のような有機物ではなく、炭酸ガス、アンモニア(または硝酸)、水、リン酸、硫酸、ケイ酸、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの無機物質であるという無機栄養説を唱えた。さらに最小律という植物の生長速度や収量は、必要とされる栄養素のうち、与えられた量のもっとも少ないもの

 

岩の中の白い模様

交差点にある大きな岩岩にある縞模様の色は白色なので、この模様はおそらく石英なのだろうと思う。石英といえば、記憶の中では真砂土は白かった花崗岩の主成分だった。石英の化学組成はSiO2で、酸素とケイ素が安定的につながった構造であり風化しにくい。石英 - Wikipedia化学組成を見ての通りアルミニウムを持たない構造のため、石英単体では有機物を蓄積出来ないはず。枝は腐植になるか?石英といえば、風化しにくい特徴から

 

栽培と畜産の未来のために補足

栽培と畜産の未来のために2前回の内容を読んだという前提でいきなり補足どの家畜の排泄物に問わず、家畜は穀物の飼料を食べる。穀物の中には貯蔵性リン酸があって、家畜糞堆肥で土作りを行うと、続・もう、牛糞で土作りなんて止めようよEC値の他にリン酸の数値も極端に高くなる。貯蔵性リン酸ということだけあって、貯蔵性が高く土壌でもなかなか分解されにくい。つまりは、家畜糞 → 緑肥で家畜糞のデメリットを回避しつつ土作りをしたとしても、EC値は問題なくできたとし

 

栽培と畜産の未来のために2

栽培と畜産の未来のためにで家畜糞堆肥で土作りを行うためには、家畜糞堆肥はデメリットの方が大きいので、そのデメリットを逆に利用するためにイネ科の緑肥をかます。という話を記載した。この話だけど、続きで社会的なことも書いていこうかと思う。日本の栽培と畜産では、肥料飼料共に大半を輸入に頼っている(らしい)。※業者の方に聞いた話であって、自身で輸入を行っているわけではないのでらしいをつけておく。日本企業の工場から発生する食品加工の残渣である有機物肥料でさえ、

 

栽培と畜産の未来のために

畜産の糞詰り問題から栽培側への影響までの記事で畜産で発生する家畜糞は処理が大変で、処理にはお金がかかるし、保管するにもお金がかかる上、保管自体がそもそも大変で、家畜糞を溜める、もしくは処理するだけで畜産にとっての負担となる。家畜糞は堆肥化することが推奨されているが、土壌のアルミニウムが腐植を守るまでの記事と、もう、牛糞で土作りなんて止めようよの記事で、家畜糞堆肥には土作りの効果が高くないどころか障害が発生しやすい上、土壌に蓄積される有機物モデルから見ても家畜糞堆肥は効率的ではない。

 

ハーバー・ボッシュ法と緑の革命

農業史において緑の革命という出来事があった。これは農学部で作物生産関係を専攻すれば必ずどこかで聞くだろう。この緑の革命の要約をWikipediaから引っ張ってくると、/****************************************************/緑の革命に含まれるプロジェクトは、すでに存在していたが先進工業国以外ではほとんど利用されていなかったテクノロジーを発展途上国に広めた。これらのテクノロジーは、農薬・灌漑事業・合成窒素肥料・その時に利用できる

 

土壌のアルミニウムが腐植を守る

枝は腐植になるか?前回、枝が腐植になるか?という問に対して、土壌の有機物蓄積モデルが粘土のアルミニウムとリグニンが分解されたもの、もしくはケイ素を含んだ植物の死骸と結合したものが考えられていると記載した。つまりは厳密にはわかっていないけど、冒頭の問に答えるならば、ほぼ確実に枝も腐植になるだろうという。おいおい、腐植はフミン酸のことだろう?それが一般定説だろ?という意見が挙がるかもしれない。というわけでフミン酸のことを調べてみる。/*******

 

枝は腐植になるか?

木の枝から出てくる黒い液知人が木の枝が腐植になるかならないかで討論になったらしい。知人が会話していた人は枝は絶対にならないと主張した。そもそも木の枝が腐植になるかどうかなんて大抵の人にとってはどうでも良い話かも知れないけど、栽培にとっては重大になりつつある問題が背景にある。個人的にはアグリビジネスだ、日本の栽培技術を海外に輸出だと言って、アジアに進出している人が増えつつあるのが問題を悪化させていると思っているが、それはまた別の機会で。おそらく、アグリビジネスだ

 

鶏糞の質を成分分析から考える

養鶏農家から質問があった。鶏糞堆肥の販売の前に成分分析を行わなければならないけど、測る度に数値に違いがあった。発酵鶏糞ができるまで1① N : 2.0  P : 6.3  K : 5.9  C/N : 11.4② N : 3.6  P : 3.9  K : 2.3  C/N : 6③ N : 1.7  P : 4.8  K : 4.3  C/N : 11.9※N:窒素、P

 

楕円形の黒い塊を残して

プランタの底が割れて、土が雪崩の様に出てきたのだけれども、その中に真ん中にあるように黒い楕円のものが大量にあった。これってもしかして…と思い、土を掘り返してみたら、いるわいるわ、甲虫類の幼虫が大量に出てきた。これらの昆虫は腐葉土等の植物性の有機物に集まってくるみたいで、土の中でなかなか分解されない有機物を食べてくれるのでありがたい。一緒に入れたバーミキュライトも粉砕されていて、周囲は程よい土になっていたので色々とあ

 

シグモイド型BB肥料のシグモイドって何?

BB肥料は経済的か?ある作物の周年栽培をするためには、シグモイド型のBBのロング肥料を上手に利用することが大事!という話題になった。シグモイド?シグモイド(曲線)といえば、機械学習のニューラルネットワークにおいて、対象となるデータと重みの行列同士のドット積を計算した後、データを扱いやすくするために0〜1の範囲内に変換するためのものではないか!※シグモイド関数ニューラルネットワーク - Wikipediaシグモイド - Wikipediaなんてことは置いといて、ある

 

野菜の美味しさを求めて川へ

今年もススキが見事に繁茂しているな……あぁ、ここは川だった。湿地だった場合、ススキに見えるだろうけど、これはススキではなくオギだ。白い綿毛がなびくのは秋の喜びなんてお約束のやりとりはここまでにしておいて。このオギ、人の背丈をゆうに超えており、2m以上は確実にある。河川敷でここまで背丈が高くなるということは、それなり以上に川の水に含まれる養分を含んでいるのだろう。川の水には畑

 

牛糞堆肥は新規就農者を安定へと導くはず

センダングサは開拓する1haに10トントラック160台分の木材チップをいれた畑の話の続き木材チップを入れた後、そのまま放置した箇所は一面センダングサ化した。一方、耕して栽培を始めたところもあった。大型のトラクターで深くまで耕すことによって何とか栽培にこじつけた。耕すことによって土の乾燥は激しくなり、草が生えにくくなった。とりあえず栽培を始め、こんな感じでウリ科の作物を定植しつつ、たまたまもらっていた牛糞をこんな感じで施肥したのね

 

センダングサは開拓する

センダングサを見て思い出す師の大胆さ前回、師が1haの畑に木材チップを10トントラック160台分投入した後、木材チップを敷き詰めた個所でほぼアメリカセンダングサ(以後、センダングサと表記する)という状態になったと記載した。実際のところ、どんな木材チップをどのように敷き詰めたかといえば、こんな感じの粗い木片をこんな感じで敷き詰めた。農業の常識からはるかにかけ離れたものだった。ここまで多く木片を投入すると、作物に与える肥料はすべて木片を

 

センダングサを見て思い出す師の大胆さ

アメリカセンダングサ(以後、センダングサと表記する)の花が咲いていた。センダングサにはたくさんの思い出があって、センダングサを見かけると、師の言葉を思い出す。1haの畑に10トントラック160台分の木材チップを入れてみた。体積にして1600キロリットル分である。農業の専門家が聞いたら発狂ものである。師が専門家と話しているのを隣で聞いていて、何度、「お前はアホか」と言われているのを耳にしたことか。それもそのはず、木材チップはC/N比が高すぎて

 

秋桜と書いてコスモス

フリー写真素材ぱくたそコスモス、秋桜と書いてコスモスで、明治の頃に日本に入ってきたから、こんな感じの雅な漢字が当てられたのだろう。桜は花弁5枚で、コスモスは5枚よりも多いから、そもそも桜から程遠くね?って思うけど、命名した人はそういう形態のことは気にしなかったのだろうね。この時期になると、水田でコスモスが育てられている風景をよく見る。こんな感じで満開にしてしまったら、おそらく景観以外で狙っている効果は半減しているけどね&h

 

臭いの原因は鉄で消臭しよう

鶏糞とか、それ以外の有機物の堆肥作りで時々二価鉄(Fe2+)を消臭のために入れるという話がちょくちょく挙がる。堆肥で臭いといえば、アンモニア、もしくはプロピオン酸周辺の物質が揮発して、それを感知しているからだろう。アンモニア臭は酸化で消そう臭いは固めて溶かして流してしまえって、今久しぶりに二個目の記事を読んでみたけど、福岡では豚糞の消臭でバチルス・チューリンゲンシスを利用しているのね。バチルス・チューリンゲンシスといえば、九州大学の論文にあった癌細胞のみを特異的に

 

果実内発芽から見える土の状態

これはカボチャの果実の断面だけど、普段のカボチャと違ってなんかおかしい。果実内のタネが発芽しているのね。この現象を果実内発芽といい、果実の生理障害の一つとして栽培上の大きな問題の一つである。そもそも、果実内ではなぜタネが発芽しないのか?というのがこの話の前にあって、本来果実の中では熟す過程の間にアブシジン酸というホルモンが合成され、タネがそのホルモンに触れることで休眠状態に入り発芽しなくなる。何らかの条件により果実内でアブシジン酸が合成されないと、

 

川に流れ込んだ肥料成分は蓮に吸わせろ

農業汚染というのは知ってるかい?栽培中に使用する肥料や農薬が川に流れ込み、川にいる藻や微生物が急激に増えることがある。※農薬よりも肥料の方の話がよくでてくる藻や微生物が急激に増えると当然死骸もたくさん発生して川にヘドロが溜まる。そうなると川や池の見た目が悪くなる。ヘタするとヘドロによって窒息してしまう魚もいる。微生物が急激に増えることによって、水中の酸素の量も減り、それによる酸欠死もあり得る。以前琵琶湖で農業用水の汚染が問題になり、琵琶

 

夏といえばヒマワリの下で起こっている土壌の変化

畑でヒマワリを育てているところをよく見かける。株数や花の大きさから飼料用や採油用ではないだろう。おそらく、景観兼緑肥用だろうね。緑肥を使いこなす前にヒマワリは緑肥として優れた特徴がある(らしい)。それは土壌に蓄積した吸収できない形状のリン酸を、吸収できる形状のリン酸に変えて次作につなげることができる。続・もう、牛糞で土作りなんて止めようよで記載した通り、リン酸を意識的に与えなくても、有機質肥料や家畜糞にたくさん含まれているか

 

バーミキュライトという名の薄板状粘土

バーミキュライトを購入した。JAの職員に渡される施肥診断技術者ハンドブックによると、バーミキュライトは雲母由来の板〜薄板状の二次(粘土)鉱物となっている。そもそも粘土って何?モンモリロナイトと同じ2:1型鉱物と呼ばれ、保肥力が半端無く高く、保水力も高い粘土鉱物として扱われている。粘土鉱物は買ってでもいれろ保肥力とは?でもさ、上の写真は全然粘土に見えないよね。まぁ、細かい粒子が合わさってあの形状になっているなら、粘土だと言えなくもないか。(薄)板

 

クローバの根圏で起こっていること

栽培において品質を大きく左右する要因といえば、どれだけ良質な植物性の資材を投入するか?とかかっているけど、良質な植物性の資材は熟成させるのは手間だし、障害が発生しないようなワラは大量に入手するのが困難。だからといって、冒頭の写真の様な木質資材は、なかなか土となじまないどころか、ある程度以上の量で作物に害を与えかねない。熟成するまでに大きな手間がかかるので、なかなか手が出せない。写真を見ての通り、放置していてもなかなか草が生えてくれないので、こういうところに作物を植えて

 

アジサイの青の肥料

アジサイが梅雨に咲く理由はなんだろう?先に装飾することに意味はあるのかい?アジサイは土壌のpHが低ければ青、pHが高ければ赤。ちょうどリトマス紙と逆で紛らわしい。このpHによって色素の色が変わる話だけど、実際は土壌のアルミニウムの量が影響しており、pHが低い環境ではアルミニウムが多いので青になるという話を以前記載した。青い花が土壌の状態を示すでね、最近肥料を調べる機会も増え、せっかくだからとアジサイの花弁を青くする肥料として販売

 

作物と鉄まとめ

続・続・もう、牛糞で土作りなんて止めようよの続き鉄がアミノ酸の合成や抵抗性を増す要因であるならば、二価鉄を施肥すれば秀品率が上がるんじゃないの?という考えに行き着く。二価鉄を酸化させずに施肥させる手段があるかどうかは知らないけど、二価鉄をキレートに包めば、そこそこ安定的に吸収させることが可能だと思う。だけどだよ、他の要素同様、過剰症に注意しなければならないはず。知らない間に溜まっている石灰現に、鉄過剰症は施肥をはじめて結構はやい段階で発生す

 

続・続・もう、牛糞で土作りなんて止めようよ

発生し続ける活性酸素で動植物の活性酸素による菌の侵入を阻止する話を記載した。活性酸素による防御の要は、活性酸素を生成する時と、活性酸素が暴走しないようにする時に、どちらも電子を与えるという還元が大事になっている。となるとだよ、免疫系以外のところで発生する還元が極力少なくなれば、免疫に占める割合を多くすることが可能ではないか?という疑問が生じる。アミノ酸肥料というのがあって、どことは言わないが、それを売っている人の売り文句にアミノ酸は炭水化物に窒素がつい

 

アミノレブリン酸はもともと除草剤として考えられていた

軽く見聞きしただけで詳しいわけではないんだけど、ポルフェリン症という病気があってだな。ポルフェリンが過剰蓄積し、それが人体に悪影響を与える。ポルフェリン症 - Wikipediaポルフェリンといえば、赤玉卵の殻で殺菌作用を示す色素のことで、この色素に光が当たると活性酸素が発生すると前回記載した。卵の殻の硬さ以外の防御この活性酸素、例えば、植物体内でプロトポルフェリンⅨの量を過剰にすると、光を浴びた時点で体内に活性酸素が貯まる。度

 

アミノレブリン酸のポテンシャル

卵の殻の色素に使われているプロトポルフェリンⅨ、これは植物にとって葉緑素の前駆体になる成分で、プロトポルフェリンⅨとマグネシウムを合わせていろいろとといじるとクロロフィル(葉緑素)ができる。それ以外にも、鉄と合わさったら赤血球の成分になったり、それ以外でも動植物(微生物も含む)にとって大事なシトクロムにもなる。シトクロム - Wikipediaこのプロトポルフェリンの前駆体となるのがアミノレブリン酸で、最近、肥料や化粧品の成分として利用されている。このアミノレブリ

 

クローバのことは河川敷で学べ

緑肥としてクローバを採用するとなんかいいことがあると聞いて、種カタログを見てみると、クローバに何種類もあって何を選べばわからない。ということが多々あるみたいです。赤クローバ、白クローバ、アルサイクローバ、クリムソンクローバカタログに説明文があるけれど、それだけではイメージしにくいなと。そんな時は自転車に乗って、河川敷を走ってみよう!何かヒントがあるはず。早速あった。赤クローバと白クローバが自生していた。しかも

 

可溶性ケイ酸にあるかもしれない底力

肥料袋を見ると、やたらとケイ酸を推していることがある。ケイ酸といえば、イネ科の作物が吸収して強靭な体になったり、くちた後の安定した腐植になったりと水田をしている人にはいいことだらけ。と思いきや、実はそれ以上に素晴らしい価値がある可能性がある。その可能性に触れる前に、ちょっとした小話を土壌を構成する鉱物の中にミネラルを供給するものがある。例えば長石という鉱物がそれで、長石が風化するとカリウムが出つつ、カオリナイトという粘土に変わる。記憶の中で

 

まずは上から圧をかける

籾殻という資材がある。処分に困っているそうだ。なかなか分解しないから堆肥として使いにくいので、燻炭にして利用している人が時々いる。分解しにくい要因として、籾殻自体が水をはじくので、水を弾くがゆえに微生物による分解がなかなか行われない。というような特徴の資材なんだけど、程よい塊になると、中の水が蒸散されにくくなるので、中には菌糸がびっしり。菌糸が生えてしまえば、籾殻は撥水性を失うので、

 

蕎麦殻には貯蔵タンパクが多そうだ

昨日、蕎麦殻を畑にまくということで、蕎麦殻を見せてもらった。で、これがまいたところ。蕎麦殻って、結構、蕎麦の粉末が残っているものなのね。この粉末が、そばの種子が発芽するために利用する貯蔵タンパクならば、蕎麦殻の何がアレルゲン?まいた直後に畑にすきこむと、土壌中の微生物が一気に増えそうだな。蕎麦のFag e 2は酵素分解されにくいと記載されていたけど、植物が発芽するときには分解されて利用するわけだ。土壌の微生物

 

蕎麦殻の何がアレルゲン?

前回、卵の梱包に蕎麦殻が使われていたという話を記載した。卵の梱包に蕎麦殻をこの蕎麦殻なんだけど、以前は枕の充填剤として使われていたらしいけど、そばアレルギーの人が使うとアレルギー反応を示すことがあるらしい。ということは、蕎麦殻にはアレルゲン(アレルギーの原因物質)が付着しているということになるので、この物質が堆肥や飼料として利用する際に何か影響がないのか?とりあえず、どんな物質がアレルゲンになるのか調べてみた。そばの成熟過程および調理時のそ


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