
水耕栽培の培地は露地栽培の堆肥として再利用できるか?で表題の通り、水耕栽培の培地であるヤシガラにキノコが生えたものは堆肥として利用できるか?という疑問に対して、前回は上の写真のキノコの特定から始めた。
生育環境等からこのキノコは褐色腐朽菌に分類されるのではないか?とアタリを付けた。
堆肥として活用したいのは、木質成分であるリグニンが酸化されて断片化したものであれば、土とよく混ざるという前提で話を進めている。
この前提に対して、褐色腐朽菌はリグニンを分解せず変性させるだけだと考えられているので、もしかしたら冒頭の水耕の培地をそのまま堆肥として利用するのは難しいかもしれない。
ただ、今の時点で判断するのはまだはやいということで、褐色腐朽菌について更に調べてみることにした。
検索してヒットしたページが京都大学の生存圏研究所のドキュメントで、木に学ぶ、きのこに学ぶサイエンスというもの
キノコの誕生から種類の説明とリグニンの分解までが丁寧に記載されている。
このドキュメントの最後に

※上記ドキュメントの7ページ目より引用
このような図があり、点線で囲まれた個所がきのこのリグニン分解反応により増加した酸化型リグニン構造を反映しているとのこと。
このことからも褐色腐朽菌のキノコが生えた個所では、酸化されたリグニン(リグニンの断片)が少ないことが言える。
もし培地を堆肥としてそのまま利用する場合は、土に馴染む成分は少なめになるので、様々な菌が活動したけれども粗大有機物であるという認識で、排水性の向上あたりを狙うということだろうか。
おそらくだけれども、培地として利用してきたので木材としての撥水性が弱くなっているはずなので、この培地を集めて天日干しで乾燥と殺菌を行い、再度、白色腐朽菌が生えるように仕向ければ、そこらにあるおがくずよりもはやくに良質の堆肥になるかもしれない。
もしくはおがくずに混ぜて、おがくずの撥水性を弱めるか…

培地にコケが生えているので、有機物量は多くなっているはず。
補足
生態系の書物だと褐色腐朽菌の方が森に残す炭素量が多いと記載されることが多いので、もしかしたら今回のように酸化型リグニンの量とかは気にしなくても良いのかもしれない。




