カビ臭の2-メチルイソボルネオールまでの記事でカビ臭について2つの化合物について触れたが2つとも今注目しているフザリウム属の糸状菌(以後、フザリウムと表記する)が合成する化合物ではなかった。
フザリウムが活発になることで発する臭気について引き続き調べたが見当たらなかったので、カビ毒(マイコトキシン)について触れることにする。
最初にマイコトキシン(mycotoxin)という用語について触れておくと、マイコトキシンは真菌(糸状菌:カビ)が産生する二次代謝産物で、人や動物に有害な影響を与える物質の総称で、主にコウジカビ(アスペルギルス属)、アオカビ(ペニシリウム属)とフザリウム属の真菌が合成するそうだ。
フザリウムが合成するマイコトキシンの一例として、
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トリコテセン類のデオキシニバレノールがある。
このマイコトキシンについての説明を読んでいると、作物と人体のどちらに対しても毒性があるらしく、作物の方ではコムギ等の赤さび病の原因物質であるそうだ。
人体に対しては、感情に関するホルモンのセロトニンの合成量に対して影響があるという記載があった。
デオキシニバレノールはグルクロン酸化(グルクロン酸抱合)することで無毒化するそうだ。
他にも色々と見ておきたいことがあるが、長くなるので今回はここまでにしておこう。