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シュウ酸から続く無農薬栽培への道までの記事で、低リン酸耐性作物であるラッカセイのAl型リン酸の利用と、利用の際に生じるであろうシュウ酸アルミニウムが周囲に与える影響について見てきた。


速効性のリン酸肥料はどんな形?の記事で見た通り、速効性のリン酸肥料であっても、製造過程で難溶性であるAl型リン酸が含まれ、施肥の際に土にリン酸が蓄積されてしまうので、Al型リン酸をためやすい火山灰土壌でなくても、どの地域でもAl型リン酸の利用は意識しておいた方が良いことがわかった。


であれば、どの地域であっても、ラッカセイのような低リン酸耐性作物の輪作は必須となる。

となると、次に意識すべきは出口戦略で、ラッカセイを大量に育てた場合に売り先はあるのか?を考える必要がある。


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ダイズのように採油の原料として用いることができれば、食用油と脱脂ラッカセイ(ラッカセイ粕)の両方に価値が生まれる。

脱脂ダイズとは何だろう?




最初にラッカセイ油を検索すると、落花生油(精製) | 製品情報 | サミット製油株式会社のページにたどり着いたので、量はともあれラッカセイ油が市場に出回っていることはわかる。

次に脱脂ラッカセイ(ラッカセイ粕)を検索すると古い論文ではあるが、落花生粕の養鶏用飼料価値について - 日豚研誌 12巻 2号 1975があり、ダイズ粕の代替の飼料として一長一短があるといったところだった。


とりあえず、出口の候補はあるということで、現状のラッカセイを利用についてを検索をしてみたら、日本の落花生産業 / 世界の落花生 | 一般財団法人 全国落花生協会のページにたどり着いた。


ラッカセイの用途は原料落花生とバターピーナッツが大半で、煎り落花生や加工が少々ある程度で採油用の記載はない。

他に注目すべき内容として、海外から輸入しているラッカセイの量が国内生産量の10倍であった(2020年)ので、採油等の出口を考えなくても国産の割合を増やすといった考えでも十分に市場は大きいことがわかった。




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ラッカセイはラッカセイはAl型リン酸を利用できるか?の記事で記載した通り、海外依存率が高いリン酸肥料の施肥量を減らしつつ、土壌の有機物の蓄積に貢献して、これまた海外依存率が高い農薬や農薬散布のコストを削減する可能性を秘めた作物であることは間違いないので、減肥の観点からラッカセイの栽培面積が増えてほしいところだ。

栽培でいう国内資源の活用とは何を指す?


余談だけれども、


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ラッカセイの殻は重粘土質の土を軽くする為に有効そうだよね。