地形と土壌とテロワールに引き続き、ワインの原料となるブドウの品質について。
河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本に農薬とブドウの品質の話題があった。
農薬を使用するとワインの品質に影響があるか?というもので、ボルドー液を例に話が進んでいた。
ボルドー液といえば、硫酸銅と消石灰を混合して作成した殺菌剤の事で、銅の強い結合力に期待した農薬となっている。
このボルドー液が土壌の糸状菌の状況に影響を与えている。
ここから先は本の内容から抜けるけれども、糸状菌と聞いて連想するのがカビで、今までカビと栽培で最も期待出来るものが、フェノール性化合物の酸化と重合だろう。
フェノール性化合物の重合が発生しにくくなれば、おそらく発根時のストレスは上がっていくと予想でき、結果として吸収しにくい微量要素の吸収量が落ちて品質が低下する。
結果的に虫や病気に弱くなるのではないか?と
そういえば以前、
ミカンの木の落ち葉がなかなか土へと還らないの記事で不調なミカンからの落ち葉の色が白くて、なかなか土に還らないという話題があった。
不調な木自体が銅欠乏ではないか?という話題があったけれども、銅はそれなりの発根がないと吸収しにくい要素のはずで、発根を誘導するためにはコウジカビのポリフェノール関連の働きは欲しいところ。
ブドウやミカンは一度栽培を始めてしまうと、耕しつつ腐植酸の材料を入れるということが出来にくい作物であるので、今回の内容は意識しておきたいところ。