某水田にて、
田に入水した後、しばらく待っても、
水が一行に澄まず、底が見えないという話題になった。
一般的には入水後は一時濁って、田によっては表面が緑になって、
しばらくすると水が澄んで底の泥が見えるようになる。
今回は田の水がいつまで経っても澄まない理由について考えてみることにする。
はじめに話題に挙がっている水田の栽培履歴を確認すると、
水田から畑作に転換したところで、
とある作物を長年連作していた場所になり、
畑作でまともな品質の作物が収穫できなくなった。
露地野菜の連作の間に稲作をかます意義の記事に記載されているように、
畑作の連作の間に稲作をかますと秀品率が戻るという話に従い、稲作を始めたところになる。
前作までの施肥設計に因るが、
く溶性の溜まりやすい成分が溜まっていたり、
劣化しきった土壌粒子が堆積している可能性がある。
劣化しきった土壌粒子が堆積しているということは土は目が細かくなり締まりやすくなる。
その結果として、水溶性の肥料分も抜けにくいという環境になっている可能性もある。
続いて、濁ること、濁り続けることについて考えてみる。
濁るよりも先に溶けるの話題に注目して、
小学校の理科の実験から溶けることについて触れてみると、
溶けるというのは物質が液体に混ざって、液体と一体になること
という定義があり、
大きな特徴として有色無色問わず、透明であることが溶けるの条件である。
何らかの化学反応で析出させない限り、溶けたものが再び沈殿することはない。
となると、
水溶性の肥料が溶けても、田の水が濁り続けるということとは関係なくなる。
ただし、
入水直後に田の水の表面が緑になる現象の背景にある
水に溶けた栄養塩を活用して藻類が急激に増殖して田の底が見えなくなることがある。
見えなくなるといっても一過性だから大した問題ではない。
これでとりあえず濁り続ける田では水溶性の栄養塩が濁りの要因として捉えなくて良くなった。
水田の濁りが解消されない要因として、
一行に沈殿しない何らかの物質が水中に浮遊し続けていることが挙げられる。
これからその物質が何か?を考えてみることにしよう。
-続く-