緑青とはどんな反応?に引き続き、銅にまつわる話。
小学生の頃に銅をソースで洗うとピカピカになるという話があって試したことがある。
あの時は化学反応なんてものは一切知らず、ただピカピカにしただけだったけれども、化学反応は把握しておいた方が良いなということで改めてやってみることにした。
10円玉をお酢に浸けるときれいになるのはどうしてですか? | お客様相談センター|ミツカングループを見て、食用の酢でいけるという記載があり、穀物酢があったのでやってみた。
最初、こんな感じの10円硬貨を穀物酢(4.2%)に浸し、数十分待った後、水道水で洗い流してみたら、
こうなった。
光源が違うだろうというツッコミを入れたくなるだろうが、ここはご愛嬌でスルーしてほしい。
ピカピカにはならなかったが、表面の色は変わった。
ここから化学反応の記載をしていこう。
10円硬貨が黒ずんでいるのは、主成分の銅が酸化しているため、単純にCuOと書きたいところだが、銅を水に溶かした時にいくつかのパターンがあるため、念の為に今回の酸化銅がCuOであるか?を調べておく。
酸化銅 - Wikipediaに拠ると、酸化銅には酸化銅(Ⅰ)のCu2Oと酸化銅(Ⅱ)のCuOがあり、色が異なる。
黒ずんだ酸化銅は酸化銅(Ⅱ)のCuOであるので、10円硬貨のサビは酸化銅(Ⅱ)とする。
次に酢酸だけれども、
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CH3COOHであり、カルボン酸の一種である。
これらを踏まえた上で、酸化銅と酢酸の反応を見ると、
CuO + 2CH3COOH → Cu(CH3COO)2 + H2O
となり、黒ずんだ銅が剥がれて、下の酸化していない層の銅が見えてくる。
ここで気になるのが、酸化していない層の銅は酢酸と反応しないのか?になる。
10円硬貨は銅が主で亜鉛と錫(スズ)の合金であり、結合方法は金属結合で、金属結合は酸と反応するので、いずれは溶けるかもしれないが、ここらへんは疎いので自信はない。