風化した斑れい岩を見に枚岡公園へ行ってきたの続き

斑れい岩の風化の箇所の話題に触れる前に斑れい岩そのものについて整理しておこう。


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この写真に写っている石が斑れい岩で正しいとして、


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(株式会社誠文堂新光社 日本の石ころ標本箱 201ページの図を参考にして作成)


上の図から斑れい岩は粘性の少ない深成岩に分類されることがわかる。

玄武岩質のマグマが地中で固まったもので、斜長石、輝石、かんらん石、角閃石が多いが、初期に晶出した重い結晶(有色鉱物)が液体のマグマの中を沈降したり、マグマの対流と共に動き回ったりすることで構成鉱物の量比にバリエーションが多いらしい。

※チームG 含まれる鉱物や組織で種類を知る 薄片でよくわかる岩石図鑑 - 株式会社誠文堂新光社の斑糲岩のページを参考


冒頭の写真の石の所々に見られる白い箇所(無色鉱物)は実際には青っぽく(灰色?)見え、石英等ではなく斜長石であるらしい。

Wikipediaで斜長石を開いてみると、化学式がNaAlSi3O8 - CaAl2Si2O8のケイ酸塩鉱物であるらしい。

斜長石 - Wikipedia


※下記からの内容は朝倉書店 基礎地球科学 (第3版)を参考にして記載


斑れい岩は深成岩であるため、地中でゆっくりと冷え固まる為、


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各鉱物が大きく配置される完晶質等粒状組織の形式になる。

※石の中の大きい鉱物を班晶(はんしょう)と呼ぶ


斑れい岩の対として


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長野の栄村小滝集落の米づくり


似た組成の火山岩である(おそらく)玄武岩を見ると

各鉱物が小さすぎて識別できない斑状組織と呼ばれる形状になっている。

斑状組織にはある程度の大きさになった鉱物(班晶)の周りに非結晶の火山ガラスであったり、粒の細かい石基で構成されている。

石基 - Wikipedia


火山ガラスといえば、黒ボク土を形成するアロフェンに関与しているもので、深成岩には火山ガラスが少ないことが上記の内容からわかった。

粘土鉱物を理解する旅2




上で斑れい岩は重い鉱物で構成されている。

重いが故に冷えて固まる際、同じ深成岩である花崗岩や閃緑岩よりも深い所に位置する為、日本列島の斑れい岩の分布図を見ると、斑れい岩が観察出来る箇所が少ない。


まだまだ斑れい岩について整理が足りないだろうけれども、

これらの知見を踏まえた上で枚岡公園の風化した斑れい岩の露頭周辺の土を観察することにしよう。


-続く-


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