先日の記事でハウスでミカンの栽培を何年も続け、
ハウスの屋根を剥いで雨を入れるといったことをしていないハウスで、
ミカンの木からの落ち葉がなかなか分解されない(ような気がする)
という話題があった。
その環境下で、
外環境から持ち込んだ資材の下からキノコが生えてきた
ことを記載した。
この現象に対して、とある文章が頭に浮かんだ。
その文章というのが、
農文協から出版されているエンドファイトの働きと使い方のはじめにのページに記載されている
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広い面積に限られた種類の作物を栽培する農地は、自然生態系に比べきわめて特殊な環境であることが影響している。微生物や昆虫の多くは作物に好き嫌いがある。例えば、ハクサイにはハクサイを、スイカにはスイカを好む微生物や昆虫がいいる。このため同じ作物の栽培を続けると、特定の生物だけが増えて、生態系のバランスがくずれてしまうのである。今までの経験から、バランスが崩れた農地から有用な微生物を見つけることは困難だと感じている。
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※上記で紹介した書籍の2ページより引用
この本では、
植物毎に若干異なる根からの分泌物によって、寄ってくる微生物が異なるから、
様々な植物が育っている土壌程、微生物の多様性は増すと記載されている。
となると、
ミカンの木以外の草は極力生やさない。
ミカンの品質の向上の為に殺菌剤を使用することもある。
雨水が入る機会がないので空気中を浮遊している微生物らがハウス内に入ってくる機会が少ない。
というハウス栽培の条件において、
根本的に落ち葉を積極的に分解する白色腐朽菌がいないのではないか?
外部から持ち込んだ資材が白色腐朽菌が苦手とする成分があったとしても、
キノコが生えたところを見ると、
やはりハウス内に白色腐朽菌自体が少ないのではないか?と思えてくる。
※これは冒頭で紹介した記事と同じ結論
となると打つ手は見えてくる。
白色腐朽菌がふんだんにいるであろう資材で落ち葉の層を覆ってあげるべきだ。
そうすればハウス内の落ち葉付近で腐朽菌が存在している確率は格段に向上する。
あとは更に腐朽菌が活動しやすいように落ち葉の層の上に緑肥のクローバを播種する
というところだろうか。
ただ、ここで一つ問題がある。
数年に渡るミカンの栽培で土がしまって、
排水性が低下しつつ、ECが高まりやすい状態にあるので、
クローバがこちらの期待通りに育ってくれるのか?だ。
ここで師と播種した緑肥のことを思い出した。
-続く-