前回のまでの記事で蜂毒に挙がっていたヒスタミンやセロトニンについてを見てきた。
そろそろ他の蜂毒についても見てみることにしようかということで、蜂毒とはなんだろう?の記事中にある表でアセチルコリンは飛ばして、ホスホリパーゼA1について見ていくことにしよう。
ホスホリパーゼという酵素名から判断するに、ホスホがリンでリパーゼが脂質だからリン脂質を分解する酵素であるはず。
リン脂質は細胞膜の主成分なので、それを分解する酵素に何の毒性があるのだろう?
蜂毒の記載にある酵素名にはA1という名称が付与しているので、ホスホリパーゼにはたくさんの種類があって、各々で分解後の物質が異なるのだろう。
上記のWikipediaのリンク先のページでは、ホスホリパーゼA2が蜂毒と記載されているので、A2を見てみることにしよう。
ホスホリパーゼA2は諸々の反応でアラキドン酸を遊離し、プロスタグランジンやロイコトリエン合成の起点となるらしい。
前者のプロスタグランジンは様々な強い生理活性があり、後者のロイコトリエンは気管支喘息やアレルギーの反応、炎症反応の維持に関与しているらしい。
生物に普遍的に存在している物質から喘息はアレルギーの素になるような物質を生成させるなんて、蜂毒はなんとも恐ろしい…