アレルギー反応の緩和には銅を含む金属酵素が重要?の記事を書いていてふと気になった。

植物性乳酸菌が関与した食品や飲料を摂取するとアレルギー反応が緩和される。


この要因の一つとして、腸内細菌叢で有益なビフィズス菌の割合が増えるから。

腸内で有益な菌が増えると有害であると言われるウェルシュ菌が相対的に減る。

ウェルシュ菌はインドールという人体にとって有害な物質を生成する。

腸内細菌叢とビフィズス菌


このインドールだけれども、


L-Tryptophan_-_L-Tryptophan

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必須アミノ酸であるトリプトファンをもとに合成される。


トリプトファンといえば、


Serotonin-2D-skeletal

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セロトニンの合成の基にもなっている。

セロトニンは消化器系や心血管系に関与しているので、インドールではなく、セロトニンを積極的に合成する腸内環境であることが人体の諸々の問題を解決する要因なのではないかと。


というわけで、早速検索してみたところ、藤田紘一郎 こころとからだの免疫学 -腸内細菌の働きを中心に- 心身健康科学 8巻2号 2012年という基調講演の内容が引っかかった。


合成に関することをピックアップしてみると、感情に関与する脳内セロトニンの合成は腸内細菌が関与している。

腸内細菌がセロトニンの前駆体(材料)と合成に関与するビタミン群を用意して、これらの物質が脳に運搬されている。


セロトニンの材料はトリプトファンであるため、腸内の有益な細菌が多ければ、有害なインドールにならずにセロトニンにすることができる。


今回の内容で他に興味深いものとして、マウスにおいて、腸内細菌なしのマウスを用意して、成熟するまで腸内細菌をなしで育てる。

成熟後に腸内細菌を植え付けても、セロトニンの効果らしきものが見られない。

ここから小さい頃に腸内細菌叢を豊かにすることが大事である可能性があることが言える。


話は戻って、腸内細菌叢で有益な細菌が優勢であれば、アレルギーは緩和されるという話は、有毒なインドールが減ることでストレスが減ることと、ホルモンとしてのセロトニンによって心血管系の強化によって、ヒスタミンの代謝が活発になるのかなと。


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