耕作放棄されているところで、赤さが目立っていた草があった。
先端を見ると、白い粉のような模様になっていたので、おそらくこれはアカザ科のシロザだろう。
去年もこの畑は栽培されていなかったので、秀品率が落ちに落ちたところなのだろう。
ずっと見てきたけれども、草むらになることすら無い程、草がほとんど生えない。
株が小さいのに葉が赤くなっていることから、このシロザも相当のストレスを感じているはずだ。
この赤は一体何なのだろう?と気になった。
赤い色素といえばアントシアニンが頭に浮かぶけれども、その割にやたらと鮮やかな赤なので違うかもしれない。
※ストレス過多の環境下での葉の赤はもう少し紫っぽくなるようなイメージがある。
「シロザ + 色素」や「アカザ科 + 色素」で検索をしてみたら、アカザ科の赤い色素はベタレインに因るものという表記を見かけた。
ベタレインといえば、植物の4大色素の一つとして扱われている。
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上の図はベタレインの一つで、赤色から紫色の色素のベタシアニンのベタニンで、
By Benjah-bmm27 パブリック・ドメイン, Link
芳香族アミノ酸のチロシンから生合成されたベタラミン酸(下部)にこれまたチロシンから生合成されたDOPA(中央)が繋がった構造で、左上に糖類が結合することで水に溶けやすくしているそうだ。
話は冒頭に戻って、
環境中の何が、シロザをここまで赤くしたのだろう?
ただ単にシロザが自身の環境に合わないところで発芽してしまったからなのか?
それとも土壌中の環境が相当やばいからなのだろうか?
このシロザの株から得られるものは多そうだ。