シロザの下葉があまりにも赤くてまでの記事で植物問わず、様々な色素に触れてきた。
カロテノイドの生合成の記事で、黄から赤までの色相のカロテノイドが様々な装飾を経て、どのように色が変化していくのか?を見た。
色の変化を見てきた今ならば、
土壌のpHによって花弁の色が変わるアジサイについて、より深く理解ができるかもしれない。
アジサイの花弁で重要なのは、
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デルフィニジンというフラボノイドだ。
フラボノイドは上記のような2個のベンゼン環(両端の六角形)を3個の炭素(上の図の2、3,4の箇所)で繋いだものを基本骨格とし、デルフィニジンも該当する。
デルフィニジンはフラボノイドのうち、アントシアニジンに含まれる。
※アントシアニンという似た用語があるが、これは後触れる事にする。
アントシアニジンの基本的な性質として、上のB環に何の基が付くか?によって色が変わるとされる。
※デルフィニジンはB環に3個の水酸基(-OH)が付与されている。
ここいらの話は一旦置いといて、フラボノイドの合成について見てみる。
これからの内容は羊土社 基礎から学ぶ植物代謝生化学の53ページを参考にして話を進める。
芳香族のアミノ酸であるフェニルアラニンからp-クマル酸が合成され、クマル酸にCoAが付与された
p-クロマイルCoAに
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マロニルCoAが三個付与され、
※三個のCoAの部分は付与されず、マロン酸の箇所(左側)が付与され環状となる
ナリンゲニンカルコン(カルコン)になる。
カルコンの中央を環状にすることで、
フラボノイドの基本骨格であるフラバノンができる。
カルコン、フラバノンの色は黄色で、ここから更にアントシアニジンになり、右の環(B環)にヒドロキシ基(水酸基、-OH)やメトキシ基(-OCH3)が付与されることで青色へと変化していく。