植物性油脂からマーガリンを作るの記事で常温で液体の植物性の食用油に水素添加を行うことで、融点を高め固形化することでマーガリンを生成するという内容を記載した。
この時に融点が上がるものとして、不飽和脂肪酸であるオレイン酸が飽和脂肪酸のステアリン酸になることを記載した。
次に気になることとして、マーガリンの話題で頻繁に見かけるトランス脂肪酸というものが何なのか?がある。
まずはトランス脂肪酸で代表的な脂肪酸をピックアップしてみる。
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これは炭素数18の一価不飽和脂肪酸であるエライジン酸という脂肪酸だ。
炭素数18の一価不飽和脂肪酸といえば、オレイン酸も該当する。
オレイン酸の形を改めて見つつ、エライジン酸と比較してみると、
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左から9番目の炭素に二重結合があるところの左側で折れ曲がり方が異なっている。
ここらへんは難しいので省略するが、オレイン酸は炭素数18の一価不飽和脂肪酸のシス型になり、エライジン酸はトランス型として扱われる。
トランス型が体に悪いというのは、コレステロールの運搬に関わるタンパクに働きかけ、VLDLを増やし、HDLを減らす、つまりは血管からコレステロールを回収する働きが弱まり、血管にコレステロールを運ぶことが活発になるということだ。
食品に含まれるトランス脂肪酸の由来:農林水産省でエライジン酸はオレイン酸への水素添加の際に生成されると記載されていた。
リノール酸やα-リノレン酸にもトランス脂肪酸はあるが、マーガリンの材料となる食用油では圧倒的にオレイン酸が多いので、オレイン酸だけみておけば良いのだろう。