技術顧問先の会社で生物性について触れる機会が多くなっているのだけれども、その中で最もよく聞く名前に

土作りにおける生物性とは何か? - 京都農販日誌


Fusarium_verticillioides_01


フザリウム属(Fusarium)の菌(真菌、糸状菌)がある。


このフザリウム属の菌は栽培に携わる人が最も関わる菌であるのは間違いなくて、知れば知る程ラスボス感を彷彿させる菌である。

何故この菌からラスボス感を感じるのか?というと、始めにWikipediaに記載されている内容を抜粋して体感してみる。

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植物質の上で腐生菌として生活するものがよく見られるが、樹液や汚水中に出るものもある。しかし、この菌は植物の病原菌となるものが数多く知られ、農業上の害が大きい。広い範囲の栽培植物が宿主となる。(途中省略)

F. oxysporumの寄生によって生じる導管病やF. solaniの寄生によって生じる根腐病などを総称して「フザリウム病」といい、それぞれの作物に現れる症状に応じて病名が付けられている。

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フザリウム#利害 - Wikipedia


フザリウム属の菌は腐生菌且つ植物寄生菌(植物病原菌)であるものが多いそうだ。

植物寄生菌だけならまだしも、腐生菌という特徴を持っている為、有機物肥料の取扱いによっては、植物が全くいない環境でも増殖している可能性が高いということだ。


本橋慶一:Fusarium属に拠ると、PDA(ジャガイモ煎汁・ブドウ糖寒天)培地で増殖しているので、デンプン等の炭水化物系の有機物で増殖する事になる。

であれば、


komenuka


米ぬかのような有機質肥料でも増殖する可能性が高いということだ。

ただ、ここで一つ注意すべき内容があり、非病原性Fusarium 属菌によるキュウリ灰色かび病の発病抑制 - 農研機構のような非病原性のフザリウム属の菌を他の病原性の糸状菌(おそらくボトリチス属の菌)と拮抗させるような話があり、判断を難しくさせる。

ボトリティス・シネレア - Wikipedia