以前コウジカビについて調べていた時に味噌や醤油等の製造でよく見聞きするコウジカビ(Aspergillus oryzae:以後オリゼーとする)はAspergillus flavus(以後、フラバスとする)というアスペルギルス属の糸状菌が家畜化した菌だという内容を記載した。
発酵食品のおかげで、コウジカビに良いイメージが付いているが、それはオリゼーに対してのイメージで、フラバスには良いイメージが付いていない。
それは何故か?というと、マイコトキシン(カビ毒)を合成するからだ。
では、フラバスはどのようなマイコトキシンを合成するのだろうか?
有名なもので、
アフラトキシンというものがある。
このマイコトキシンは植物や人体に対して毒性があるそうだ。
毒性については今は触れないけれども、ここで一つ大きな疑問が生じる。
人はフラバスからアフラトキシンが合成できないオリゼーになったものを味噌や醤油の製造で活用しているが、人はこのオリゼーをどのようにして得たのだろう?
家畜化という表現を見ると、最初はフラバスで味噌作りをしていたが、時々味噌を食した時に毒を食らっていて、製造を続けるうちにフラバスがオリゼーに変化していったのか?
それとも、自然界ですでにオリバーになっていた菌が最初の味噌作りでたまたま入ってきたのか?
もし前者であれば、もう一つ考えられる事があって、発酵食品の製造の過程でアフラトキシンは合成されているが、発酵の過程で何らかの反応によってアフラトキシンが無毒化するようなことがあるのか?
もし、その反応があるならばそれは色んなところで絶対に役に立つので把握しておきたい。