毎日1記事以上を投稿してきて、今回の記事で10年が経過した。

10年といえば、とある子供が小学校に入学したとして、高校生になるくらい長い年月になるわけで、よく書いてきたと自分を褒めてやりたい。


というわけで、私の10年について振り返ってみたいと思う。




10年で最も印象に残ったのが、何と言っても


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緑色片岩という岩石と出会ったことだろう。

この岩の事を知って人生は大きく変わったといっても過言ではない。


事の発端はこのブログを始める前に出会った京都農販(現在は技術顧問として関与している)の方とひょんな事から全国各地を周る事になったことだ。


様々な地域を訪れる際に、事前に土質の事を知りたいと思い、土壌学の本を引っ張り出して読み返したところ、土の始まりに母岩という用語があることが目に付き、母岩の理解を進めれば土を理解できるのでは?と近所の岩石から学び始めることにした。


当時、子供らが保育園に通っていたので、子供らと遊びながら学ぶぞと、


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たくさんの本や撮影機材を背負い込んで、地質的に特徴的な山をたくさん歩いた。


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時々ある露頭を見かけては、そこにある栽培経験のない土を観察し、理解を深めていった。

夜久野高原の宝山の火口付近で赤い土を見た

長野の栄村小滝集落の米づくり

大鹿村の中央構造線安康露頭

三和町莵原下のP/T境界

山陰海岸ジオパークの竹野町田久日のグリーンタフ

風化した斑れい岩を見に枚岡公園へ行ってきた

大歩危の三名含礫片岩


予想は的中して、母岩と農業の生産性は密接に関わっていて、遠方の栽培者から得られる情報は格段に増えた。




遠方に訪れる際に時々興味深い伝承を聞く事が増えた。

興味深い伝承がある地域では必ずと言って良い程、


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緑色片岩、緑色千枚岩や緑色凝灰岩といった緑色の岩石が足元にあった。


この緑色の岩石について積極的に発信していったら、知人から緑色(青石)に関しての興味深い伝承について聞くことになった。


その伝承というのは、果樹栽培において、青い石が出る園地は良い園地というものだ。

青い石が出る園地は良いミカンが出来るという言い伝え


この緑色の岩石に興味が湧いて調べれば調べる程、日本の歴史のヤマト政権の話題が出てくるではないか!

天沼矛のモデルとなった上立神岩

岩橋千塚古墳群と緑色片岩

六本樹の丘から田道間守の冒険を想像する


高校生の頃、歴史という授業が暗記ばかりで好きではなかったが、緑色片岩を経て、歴史やヤマトの雰囲気を残す神社に関して学びたくなった。




母岩を学ぶ際、もう一つの大きな知見を得ることが出来た。

その知見というのが、


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稲作だ。

稲は地力で穫り、麦は肥料で穫ると言われ、地力の要因は水の供給源となる母岩と植生に因るものであるので、母岩の理解が米の品質に直結する


そこで、地力が少ない地域に対して、地力が高い地域で得られた鉱物資源を活用したらどうなるか?という視点で稲作の観察を始めた。


非常に幸運な事に、徒歩圏内に田を持つ方が稲作の秀品率の向上に意欲的で、得られた知見を教えてくれれば実直に全て実行すると言ってくださり、今まで得た知見を可能な限り共有して稲作を始めた。


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近隣の感と経験(慣行)で稲作をされていた方にとっては奇抜な栽培方法となるため、色々とダメ出しをされたらしいが、それでも実直にこちらが伝えた内容を変更せずに栽培を続けてくださり、たくさんの有益な知見を得ることが出来た。


もちろんその方も、反収や品質検査で地域でトップクラスになった。

中干し無しの稲作から米の品質向上のヒントを得た


この田で得られた知見を他の地域の方も知りたいという連絡を受けるようになり、私自身は稲作が未経験という身でありながら、福井の米どころで話をする機会を得たという10年前では考えられないような体験をした。

福井県越前市武生の稲作の栽培者向けに秀品率の向上の話をしました




これから先は、様々な地域で得られた知見を多くの方と共有し、私自身が遠方に行かずともたくさんの知見を得られるようにしていきたいと思っている。


とりあえず、最初の一歩として近所の会議室を借りて、肥料教室というものを始めてみた。


つい先日、技術顧問として関わっている京都農販の方から、土を理解したいので地質図を見ながら探してきましたと、


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このような写真が送られてきたのが嬉しかったりする。


とりあえず、今回の思い出に浸る記事はここまでにしておいて、今回の記事のタイトルを考えることにする。

記事のタイトルは私が好きな作品(ターンエーガンダム)の最終話に流れる歌からとって、限りなき旅路にすることにしよう。


知らない事はたくさんあるので、こんな感じでこれからも生きていくのだろうな。



もう一つのプログラミング関係の事業に関しては、最高の開発環境を求めて2024プログラミング教材の開発で記載した内容を続けている。