テルペン系香気物質についての記事で柑橘類の果実に多く含まれているモノテルペンの香気物質について見てきた。
テルペンには他にも重要な化合物がたくさんあって、その化合物から他の香気物質が合成されるので、そこらへんも丁寧に見ていきたい。
テルペンで非常に重要な化合物として、
ニンジンなどでよく聞くβ-カロテン等のカロテノイドがある。
カロテノイドは前回触れた
ゲラニル二リン酸(GPP)の左側の炭素鎖がたくさんつながったテトラテルペンと呼ばれるテルペンになる。
※テトラテルペンは炭素が8(イソプレン単位)×5(テトラ)で40個の化合物
β-カロテンと言えば、分解途中で
レチノールことビタミンAになることは有名だと思うが、他にも
イオノン(上の図はβ-イオノン)という香気物質にもなるそうだ。
※イオノンはノルイソプレノイドやノルカロテノイドに分類される
イオノンは低濃度でも非常に強い香りを持ち、食品や香料の風味に大きく貢献しているそうだ。
イオノンで思い出したが、栽培の師が育てていたニンジンは凄い甘い香りがしていたんだよな。
甘い香りがするニンジン程、食味も甘くて、細く切ったニンジンを焼いたものはお菓子のような甘さがあった。
香りと甘さは何か関係があるのかな?
テルペンを合成する時の基になるゲラニル二リン酸についての理解が深まれば、そういうこともわかってくるのかな?
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