脂肪族の香気物質についての記事に引き続き、酵素により生成されるフレーバーについての内容について見ることにし、今回はテルペン系香気物質について見ていくことにする。
テルペン系香気物質という名称を見て、真っ先に頭に浮かぶのが、
ウンシュウミカン等の柑橘の果実に含まれるテルピネンになる。
テルピネンは一見すると六角形の箇所があるので、ベンゼン環を基本骨格としたフェノール性化合物なのか?と思いたくなるが、シクロヘキサジエン骨格(環の中に2つの二重結合を持つ)を基本骨格としたテルペン炭化水素であるそうだ。
テルピネンはモノテルペンという括りに分類される。
ゲラニル二リン酸(GPP)と呼ばれる炭素数10の直鎖イソプレノイドが折りたたまれて環状になったものになる。
聞き慣れない単語がいくつか出てきたが、これらを丁寧に見ていくと興味深いものが見えてくるので、順を追って見ていくことにしよう。