
上の写真を頂いた。
この写真は隣り合う田をふるい分けして乾燥させたもので、左が収量が普通?だった箇所で、右が収量が絶好調だった箇所の土になる。
この土は明らかに右の色が黒っぽくて、採取した時も右の方が柔らかくて採取し易かった。
右の土には腐植がたくさん蓄積されているだろうと思い、両方の土の土壌分析の結果を見てみたら、明らかに左の黒くない方の土の方が腐植の量が多かった。
これは一体どういうことなのだろう?
何か見落としているものがあるのだろうか?
土の黒さについて改めて整理してみることした。

写真は緑泥石から土の形成を考えるの記事から
今まで触れてきた土についての話で土が黒くなる要因を思い返してみると、ベンゼン環を多く含む化合物の腐植の蓄積と、

還元された鉄がある。
土の中で鉄の還元に関係しそうなのが酸化鉄なので、酸化鉄を例にして話を進めると、

酸化されている酸化鉄は酸化鉄(Ⅲ)になり、色は赤(茶褐色)になる。
※酸化鉄(Ⅲ)はFe2O3で表し、鉄をイオンで表すとFe3+になる
一方、

還元された酸化鉄は酸化鉄(Ⅱ)になり、色は黒っぽい。
※酸化鉄(Ⅱ)はFeOで表し、鉄をイオンで表すとFe2+になり、Fe3+より電子が1個多い状態(還元)になっている
田の酸化還元電位の記事で触れた通りで、水を張った環境では鉄の還元はしょっちゅう起こっている。
冒頭の写真で土が黒いにも関わらず、土壌分析で腐植の量が少なかったとなると、土の黒さは土壌中で還元された鉄が多いから、もしくは鉄の量自体が多いから?ということが考えられる。
ただ、気になるのが絶好調の田に入ってみると明らかに土がふかふかしていて、体感で腐植が少ないように感じられない。
もしかしたら、まだ見落としていることがあるかもしれないので、引き続き考えてみることにする。
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