
無機触媒としての二酸化マンガンの記事で、二酸化マンガンと過酸化水素を反応させると、二酸化マンガンが無機触媒として働き、過酸化水素 → 酸素 + 水の発生を促進させるという内容を記載した。
この内容から、土壌中で一旦二酸化マンガンになってしまったら、再び可溶性のマンガン(二価マンガン)になる事はあるのだろうか?と疑問になった。
※以後は二酸化マンガンをMn(Ⅳ)、可溶性のマンガンをMn(Ⅱ)と表記する
水田のような還元反応が頻繁に発生するような環境であれば、マンガン還元細菌のような細菌がいて、Mn(Ⅳ)をMn(Ⅱ)にするといった反応がありそうだが、畑作のような還元反応が起こり難い環境であればどうなのだろう?
この疑問を解消するために、いろいろと探してみたら、牧野知之著 土壌中におけるマンガンの酸化還元機能と動態 - 農業環境技術研究所報告 第20号(2001)にたどり着いた。
最初の概要に疑問を解消する答えが記載されているが、それは一旦置いといて、これだ!と思える記載があったのでピックアップしてみると、
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Mn(IV)酸化物はこの酸化反応によってヒドロキノン、レゾルシノール、カテコールのようなフェノール化合物に対して酸化能を示し、それらを非生物的に酸化重合して腐植の前駆物質を生成するため,環境中での腐植物質の形成への寄与が示唆されている
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※牧野知之著 土壌中におけるマンガンの酸化還元機能と動態 - 農業環境技術研究所報告 第20号(2001) 110ページより引用
という内容があった。
還元作用のあるフェノール化合物とMn(Ⅳ)を反応させると、Mn(Ⅳ)はフェノール化合物を酸化し、自身をMn(Ⅱ)に還元させるということだ。
どのようなフェノール化合物になるのか?という事で読み進めてみると、

フェルラ酸や

バニリン酸といったフェノール化合物でマンガンを還元していた。
フェノール化合物は自身が酸化された後、他のフェノール化合物と重合し、この反応が続くことで腐植が形成される可能性があるので、マンガンが腐植物質の形成への寄与という事が言えるようになる。





