Oct-1-en-3-ol-numbering


アリルアルコールとアリルカチオンの記事でナメクジが忌避する香気物質の1-オクテン-3-オールを理解する為に、C-1からC-3までの形の箇所の


Allyl_alcohol_v2_numbering


アリルアルコールと、このアルコールが酸性環境に置かれた時に形を変える


Allyl_cation


アリルカチオンについて見てきた。

1-オクテン-3-オールとアリルアルコールの作用が似ているという前提で今回の話を進めていくことにする。




アリルカチオンは求電子剤という特徴を持つので、下記の反応が考えられる

・アリルカチオンと膜タンパクにある酵素のチオール基(-SH)と反応して酵素を失活させる

石灰窒素を施肥した後にアルコール飲料を摂取してはいけないのか?の続き

・求核剤としてのポリフェノール(腐植酸)と反応して腐植酸が沈殿する


前者はアレロパシーのように働き、後者は土壌中の炭素の埋没量を増やす要因となる。


ふと思ったことがある。

土壌中の微生物が1-オクテン-3-オールを合成した場合、植物にとってそれは毒になるので何らかの防御反応を示すことになる。


この場合の防御はおそらく根からポリフェノールを分泌して、1-オクテン-3-オールを失活させることだろう。

これはすなわち埋没炭素量を増やして物理性の向上に繋がる可能性がある。


であれば、


P7280187


熟成した米ぬか嫌気ボカシに1-オクテン-3-オールが含まれていたとすると、それが刺激となって植物が根からポリフェノールを分泌することになる。


これが良いのか悪いのか?は判断が付かないが、ポリフェノールが土壌の微生物に何らかの良い作用になるのであれば、1-オクテン-3-オールはバイオスティミュラント資材のような感じになるのかなと。


検索をしてみたら、Volatile 1-octen-3-ol induces a defensive response in Arabidopsis thaliana | Journal of General Plant Pathology | Springer Nature Linkでシロイヌナズナに1-オクテン-3-オールを与えたら、灰色カビ病に対しての抵抗性が増したという報告にたどり着いた。


抵抗性が高まった要因はジャスモン酸の合成に因る。

植物は痛みを感じた時にグルタミン酸を用いて全身に伝えている


ジャスモン酸からの抵抗性はヨトウの被害の軽減に繋がる可能性が高いので、ヨトウ対策として1-オクテン-3-オールは意識しておこう。