3-オクタノン再びまでの記事でナメクジに対して忌避効果が報告されている3個の化合物の1-オクテン、1-オクテン-3-オール、3-オクタノンについて見てきた。
これらの化合物は揮発性があるので、所謂香りの化合物として扱われるわけで、香りであれば水に溶け難いので他の化合物と反応し難いのでは?と思ってしまう。

ナメクジが3-オクタノンを吸収しても、体内の何らかのタンパクと反応し難いのでは?といったところだ。
この疑問に対して、ルシャトリエの原理を元に考えろというのを見かけた。
ルシャトリエの原理はある化合物に関して均衡状態を保つルールのようなもので、今回話題に挙げている3-オクタノンに関しては、3-オクタノンは水に溶け難いという背景がある。
水に溶け難いというのは全く水に溶けないというわけではなく、若干量水に溶けると考えることができる。
均衡状態は水に溶け難い3-オクタノンが常に水に最大限溶けている状態を維持したいと捉えることができ、この前提条件をもとに下記のように続けることができる。
3-オクタノンは求電子剤として、求求核剤であるポリフェノールと反応する可能性がある。
若干量であるが水に溶けた3-オクタノンはポリフェノールと反応することにより、液中の3-オクタノンの濃度は下がる。
水は常に3-オクタノンが溶ける量の最大の濃度を維持したいので空気中に漂う3-オクタノンを取り込み均衡を保つ。
取り込まれた3-オクタノンはポリフェノールと反応することで、空気中の3-オクタノンは更に取り込まれる。
3-オクタノンと反応できるポリフェノールが尽きるまで3-オクタノンは水に取り込まれ続けるということが考えられる。
今回の話は淡々と反応を書き続けたが、ポリフェノールの構造をイメージしつつ、冒頭で挙げた化合物を合成するメタリジウム属の糸状菌をイメージしながら考えると、薄っすらと見えてくるものがあるのだけれども、それは抽象的な内容になって表現が難しいので、今は触れないことにする。



