どの本で読んだか忘れたけれど、昆虫の生理生態系の本で下記のような文章があった。
ススメバチは翅の付け根あたりにプロリンを蓄えると、その後何も摂取しなくても10km近く飛翔することができると
プロリンというのは
タンパク質の合成に使われるアミノ酸群の一種で、糖原性を持つ。
糖原性とはクエン酸回路関連で使用できるグルコースへと転換することができる特徴を持つもの。
プロリンはカロリーの貯蔵としても利用できるアミノ酸ということになる。
だから、スズメバチは翅の付け根にプロリンを溜め込むことで驚くべき長距離の飛行が可能になるのだろう。
貯蔵性が高く効率も良いアミノ酸であれば、ススメバチに限らず、他の昆虫でもプロリンを貯蔵性アミノ酸として利用しているはず。
このプロリンだけど、グルタミンを二回還元することにより合成される。
グルタミンといえば、
光合成の反応の一部として、糖を解糖することによって得られたケトグルタル酸に、硝酸由来のアミノ基を二回渡すことによって合成される。
このグルタミンを二回還元することによってプロリンが合成されるということであれば、光合成による窒素同化で比較的はやくに合成されるアミノ酸であると言え、グルタミン同様、葉に高濃度で分布されている可能性があるとも言える。
これを踏まえた上で書きたいことがあるのだけれども、その話は次回に書くことにしよう。
- 続く -