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カテゴリー : 土壌環境/page-9

電子書籍の販売をはじめました
 

温室効果ガスのメタンは水田から発生する

随分前から騒がれている地球温暖化温暖化の原因は大気中の二酸化炭素の濃度が上がることで、本来地球から放射されるはずであった熱が逃げずに残るというのが定説のざっくりとした概要となる。二酸化炭素の上昇は、地中に埋没された炭素を石油、石炭といった形で掘り出し、燃料として使用した際に発生する副産物である。大気中の温室効果ガスを減らしたい温暖化に影響を与えるものは二酸化炭素だけではない。有名なものにメタンがある。そのままでも発火しても温室効果ガスのメタン

 

風よけとしての緑肥

近所でソルガム(ソルゴー、モロコシ)で四方囲っている畑を見かける。ソルガムと言えば栽培終了後の土壌の団粒構造の形成が最も多いとされる緑肥で、緑肥を使いこなす前に支柱根は株を浮かせる程強靭な根強靭な根によってしっかりと根付き、この根付きによって地上部の背丈も高くなる。背丈が高いことに合わせ、C4型光合成を行うので、CO2の固定量も非常に多いのが特徴である。C4型光合成の二酸化炭素濃縮更に酸性土壌にも強く、残留肥料も貪欲に吸収するか

 

刈り取られたイネがひこばえとして蘇る

近所の稲作の収穫後の水田で、ひこばえが生え始めていた。ひこばえが獣を引き寄せる見ての通り、周辺は若干浸水していて土壌全体で酸素が少ない状態なのだろう。そんな中で、刈り取られて弱っているのに、改めて葉を生やし生き残ろうとする執念というものは凄いものだと感心する。このストレス環境下において、地下部の還元状態の土壌でも守りを固めているのだろうか?と先日投稿した植物の根への酸素の運搬とROLバリアの内容が頭に浮かぶ。刈り取ら

 

窒素欠乏下で奮闘する光合成細菌たち

栽培している者であれば一度は見聞きしたことがあるものに光合成細菌の話題があるだろう。光合成は植物だけのものではなく、細菌の中には太陽からの光を活用出来るものがたくさんいる。By ja:User:NEON / User:NEON_ja - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, Linkその内の一つが光合成細菌であって、シアノバクテリア(藍藻)と呼ばれているものいる。光合成細菌 - WIkipedia藍藻 - Wikipediaシアノバク

 

イネ科緑肥の効果、再考の再考

良い土にはふんだんに酸素が入るもの前回の記事で、良い土にふんだんに酸素が入るのは、良い土によって発根量が増えた草の根から酸素が漏れることに因るものではないか?という内容を記載した。仮にこの内容が正しいとすると、マルチムギが劣化土壌に果敢に挑む京都市内の某法人で様々な良い効果をもたらしたネギの通路でのマルチムギの緑肥が、土壌中の酸素の面でも素晴らしい効果を発揮しているように見えてくる。先に今までの良い結果が下記の記事に記載されているので、そちらを読ん

 

良い土にはふんだんに酸素が入るもの

前々から疑問に思っていたことがある。良さは矛盾の中にあるフカフカの栽培にとって良い土になって、土の中に酸素が行き渡るということがあるけれども、拡散のみで酸素が土の中に行き渡るのだろうか?ということ。良い土は植物の根も土壌中の微生物も活発になるため、土全体の酸素の消費量は増える。このような条件下で土壌中に十分な酸素が行き渡るのだろうか?この疑問を一気に解決させてくれるのが、先日話題に挙げたROLだった。植物の根への酸素の運搬とROLバリア湿性

 

植物の根への酸素の運搬とROLバリア

小さな池の真ん中で前回の記事でおそらくヒエの仲間と思われる草が、水位の低い池で生育していた内容を記載した。水位の低い湿地で生育できたとしても、草である以上、根も呼吸するわけで、根でも酸素を要求する。湿地で生育する有名な作物としてイネがあるけれども背丈が整っていることのすごさと違和感イネの根ももちろんのこと、根は酸素を要求する。これらの湿地に強い植物は、葉や茎から吸収した酸素を通気組織を介して根に酸素を送る機能が発達しているとされている。ふと

 

小さな池の真ん中で

池の真ん中あたりにヒエっぽい草が生えていた。水の中で根付くことが出来る草は強いなとこの写真からひしひしと感じる。このヒエにとって、周りに競合となり得る草がいない。このヒエっぽい草以外の草は除草されたのでは?という疑問が生じるだろうが、根元の落ち葉等の有機物の具合を見て、ここ最近、除草管理等をされた形跡はない。根元で発芽している草が見られる。もし、ここが管理されずにいると、いずれは落ち葉が堆積して水位が下が

 

二酸化炭素濃縮後の有機酸は光合成以外でも使用されるか?

前回のC4型光合成の二酸化炭素濃縮では、C4植物では二酸化炭素をリンゴ酸にするというCO2を濃縮して以後の光合成に利用するために蓄えるという内容を記述した。光合成の内容の一部としてリンゴ酸という名前を挙げたけれども、リンゴ酸といえば、コムギで土壌中にアルミニウムがある場合に根から分泌させるという内容があった。酸性土壌で生きる植物たちリンゴ酸がアルミニウムをキレートして、アルミニウムの根に対する毒性をなくすというものだ。コムギはC3植物なので、二酸化炭素から直接リンゴ酸を合

 

六呂師高原の池ケ原湿原

大矢谷白山神社の巨大岩塊前回の記事で福井県勝山市のジオパークで、山体崩壊によって発生した岩屑なだれで転がってきた巨岩を見たという内容を記載した。※勝山市ジオターミナルにあった看板を撮影この地図で言うところの左から二番目の大矢谷集落で、今回の記事では右側の六呂師高原に行った時のことを記載する。六呂師高原は緩やかな傾斜が広がっていて、酪農の牧場が広がっていた。牧場をしばらく進むと、池ケ原湿原の看板が見えてきた。

 

大矢谷白山神社の巨大岩塊

恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク - 福井県勝山市前回の記事で福井県勝山市にある恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークに行ったという内容を記載した。勝山ジオパークは古い地帯で日本で最も多くの恐竜化石を発掘した地域で有名であるけれども、※勝山市ジオターミナルにあった看板を撮影火山活動関連の山体崩壊による岩屑(がんせつ)なだれによる地形も有名である。山体崩壊 - Wikipedia岩屑なだれが発生した地域は緩やかな傾斜となり、スキー場として最適な地形とな

 

あの山に海底火山の跡はあるか?

二価鉄を求めて-後編までの話で、植物の光合成には二価鉄が大事だけれども過剰症には注意という生理的なものから安山岩、玄武岩質的火山から流れる川には有機酸でキレートされた鉄があるという内容を記載した。これらの内容を踏まえ、ここ最近、特徴のある地域をいろいろと行ってみて思ったことがある。台風でも倒伏しないイネ粘性の低い火山の火山灰(凝灰岩も含む)や火成岩を母岩とする地域では生育が良いという定説があるが、海底火山の痕跡がある山が近くにある土壌も生育が良いのでは?と思うようにな

 

畑作を続けることは難しい-後編

畑作を続けることは難しい-前編で土の良さに気を付けていても、畑作を続ける限り、秀品率が落ち続けることがあるということを記載した。秀品率が落ちたと感じる要因は何だろうか?収穫までの期間が長くなったとか、防除に入らなければならない回数が増えたとか。収穫までの期間が長くなるというのは光合成が落ちることによるので、光合成に関する要素が減ったことになる。光合成についてはそのうち触れることにするので、今回はこれ以上触れない。後者の防除の入る回数が増えたというのは、防御

 

目に見えない銅欠乏

いろんなところにいってもやっと思い始めることがある。それは虫による食害や病気の発生というものが銅欠乏の指標ではないか?と食害や病気が全くないというわけではなく、年々、これらの症状が目立ってくることが銅欠乏ではないか?となぜそう思ったか?はじめに植物にとっての銅は防御の要であるリグニンの合成に関わっている。銅を中心にして、リグニンを廻る植物とキノコたちの活動続いて、良い土壌の要因となる腐植の蓄積にも銅が関わっている。良い土壌では発根が顕著

 

畑作を続けることは難しい-前編

施肥設計の見直しで農薬防除の回数は確実に減らせるで紹介した施肥方法をされているほ場で、ネギの連作をし続けたところ、極度な連作であればやはり徐々に調子が悪くなっていく。話を聞くに、調子が悪くなったからということで途中で緑肥をかましても、調子が戻るということはなさそうだ。これは土を理解する上で大きなチャンスだということで、現状を考察してみる。施肥設計の見直しで一番改善したい個所というのは、作物の発根量の向上で、発根量の向上は土壌中の酸素量と病原性を

 

Soil & Geoロガーで現在地の土質と地質を調べよう

スマホのAndroid端末で現在地の土質と地質を簡単に知ることが出来ないか?とAndroidアプリの開発に挑戦してみた。Go MobileでAndroidアプリの実行までを見てみる最初はGo Mobileで開発しようとしたけれども、Go Mobileはアニメーションが主体で、ボタンを設置するという簡単なアプリには今のところ不向きということで、HTML5のService WorkerとIndexed Databaseを組み合わせて、オフラインでも動作するWebアプリにしてみた。

 

発根に関することをまとめてみると

前回の酵母エキス入り肥料の効果の記事で酵母の細胞壁であるβ-グルカンの断片を植物が根から吸収すると発根が促進される。という研究結果を見た。酵母というのは単細胞のように振る舞っているが、実際のところは細菌ではなく菌として扱われ、ざっくりとしたまとめ方になるけれども、大腸菌のような細菌ではなく、キノコのような菌類の方に分類されている。菌と細菌についてそれを踏まえた上で、今まで挙がってきた発根に関する内容をまとめてみる。酸素供給剤を試した方

 

続・栽培と畜産の未来のために補足

前回の続・栽培と畜産の未来のためにの続きで、家畜糞 + 木質系の有機物 + イネ科緑肥で本来償却されるべき資源を有効活用することで、焼却処分する有機物の量を減らしつつ、生産性を高めるような流れが出来たら良いなと記載した。この話、大事なことを忘れている。それは、緑肥を栽培するような土壌は、連作等や施肥設計で無茶をした土壌であることが多いため、カリ不足になっていることが多い。あそこの畑がカリ不足カリ不足なら家畜糞にふんだんに含まれている

 

続・栽培と畜産の未来のために

結構前に栽培と畜産の未来のためにという記事で、畜産から発生する産業廃棄物である家畜糞は、栽培直線の土作りには利用せず、家畜糞施用 → イネ科の緑肥をかます → 栽培という手順を踏んで、家畜糞の効果を可能な限り高める為に、秀品率の関係ない緑肥に吸わせて、しかも有用な形にして鋤き込んで、次作以降の栽培を楽にすべきで、あわよくば、研修生を受け入れるような方が緑肥を栽培して、研修生にその畑を引き継ぐという流れが理想的ではないか?という内容を記載した。先日の

 

キノコの廃培地は再利用せずに焼却している

前回の記事に引き続き、とある農村を変えたキノコたち農文協の現代農業9月号の廃菌床の特集で紹介していただきました今回の話も現代農業9月号の原稿を作成した時に知った話。先に前回の内容を軽く触れておくと、クレジット:photolibrary木質系の資材で堆肥を作りたければキノコ栽培から学べこれといった産業がない村において、キノコの栽培を行ったことで外貨を稼げるようになった。外貨というのは自身の村以外の地域で売れたということで、キノコの栽培は集

 

硬いチャートの表面で土ができる

唐突だが、スコリアという多孔質の塊発泡している火山岩(玄武岩 or スコリア等)や記憶の中では真砂土は白かった全体は硬いけれども、部分的に脆い花崗岩であれば、風化して土になるのはイメージしやすいけれども、花崗岩から真砂土へチャートという海の圧で固められ、固まる時に二酸化ケイ素を集めて更に固い岩が風化するのはイメージが難しい。話は変わって岩が土になる時に最初に地衣類が岩肌について表面から削る

 

農文協の現代農業9月号の廃菌床の特集で紹介していただきました

明日、2018年8月5日発売の農文協の現代農業9月号で執行役員として関わらせていただいている京都農販の紹介をしていただきました。具体的な内容は、廃菌床堆肥を薦める根拠と廃菌床堆肥を利用した方の土壌の変化のレポートで、根拠の方のたたき台を私の方で作成しました。栽培の何らかのヒントになれば幸いです。書店で見かけた際はぜひ手にとって、よろしければ購入してご覧ください。廃菌床堆肥以外でもキノコを食す方の記事でも面白い記事がありますの

 

切り株は白色の菌糸によって中心から朽ちる

人工林のとある個所で切り株を発見。中心から朽ちているみたいで、中心部から空洞になっている。空洞の個所には落ち葉が入っている。菌糸に覆われた個所は細かくなっていて、ある程度細かくなったら自然に剥がれ落ちるのだろう。リグニンの分解に関与する白色腐朽菌剥がれ落ちた木材の断片が切り株の中央に集まる。その上から落ち葉が落ちてきて覆う。中心部の更に下にはおそらく根であった有機物がたくさんあるだろう。おそらくそこには砂

 

アーバスキュラ菌根菌が好む環境を探る

前回のアーバスキュラ菌根菌の記事で、アーバスキュラ菌根菌であるグロムスと共生すると、宿主植物が利用できなかったリン酸や地中深いところの養分を利用できるようになる。という内容を記載した。菌類の土壌からの養分の吸収の仕組みは凄いものがあり、鉱物質に吸いにくい微量要素は菌根菌を介してかもしれない。銅の機能を活かした農薬、ボルドー液そんな菌根菌だけれども、菌である上、土壌中のことなので、栽培中の作物を抜いて確認ということがしにくい為、感染のパターンだけ把握しておいてその環境に近づ

 

アーバスキュラ菌根菌

先日、施肥設計の見直しで農薬防除の回数は確実に減らせるの話から菌根菌の話題になった。菌根菌というのは、植物の根で共生するエンドファイトの一種で、冒頭の記事で話題になっているネギでも共生が確認されている。エンドファイトと呼ばれる菌たち冒頭の記事のネギで菌根菌と共生関係を築いているかどうか?は置いといて、今回の記事は菌根菌について触れておく。菌根菌にはいくつかのタイプがあって、植物の種類(果樹であるかとかランであるか)によって共生する菌は異なる。タイプについて

 

大気中の温室効果ガスを減らしたい

20年前ぐらいの夏、35℃を超える猛暑日は年に数回あった程度らしい。連日の猛暑日は温室効果ガスである二酸化炭素やメタンが大気中に増えたことが原因である可能性が高いと気象庁が発表しているのはよく聞く話だろう。地球温暖化で台風が大型化、今後も増え続ける?(海洋研究開発機構) | ブルーバックス | 講談社地中に埋まっていた石炭や石油といった炭素源を発電等で燃やしてエネルギーを取り出し、その余剰分となった二酸化炭素が大気中に拡散される。二酸化炭素によって平均気温が高まり、それにより降雨量も増

 

イネ科とマメ科の緑肥の混播

ハウスミカンの木の下には腐朽菌がいないのか?の最後で師と播種した緑肥のことを思い出したと記載した。今回の話は写真が無いのだけれども、前に某所で切り開いた際の土砂を畑に大量に入れたことで秀品率が激減してしまったところがあって、その畑での栽培は諦め、半年間全面緑肥にしたところがあった。その時に選んだ緑肥というのが、エンバクと(アルサイ)クローバの混播だった。アルサイクローバというのは、シロクローバとアカクローバのちょうど中間あたりのクロ

 

エンドファイトと呼ばれる菌たち

ハウスミカンの木の下には腐朽菌がいないのか?前回の話で、ハウスミカンの栽培はハウス内で数年に渡って栽培、除草管理等でハウス内に生える草は年々単一化に向かい、単一化するが故に土壌の微生物の多様性は低下すると考えられている。そこで緑肥で単一化を避ける話題に触れかかったけれども、その前に、農文協 エンドファイトの働きと使い方前回ちらっと出てきたエンドファイトについて触れておきたい。エンドファイトというのはエンドが内で、ファイトが植物という意味があ

 

ハウスミカンの木の下には腐朽菌がいないのか?

ミカンの木の落ち葉がなかなか土へと還らない先日の記事でハウスでミカンの栽培を何年も続け、ハウスの屋根を剥いで雨を入れるといったことをしていないハウスで、ミカンの木からの落ち葉がなかなか分解されない(ような気がする)という話題があった。その環境下で、外環境から持ち込んだ資材の下からキノコが生えてきたことを記載した。この現象に対して、とある文章が頭に浮かんだ。その文章というのが、農文協から出版されているエンドファイトの働

 

ミカンの木は砂地を好む?

ハウスミカン栽培の銅欠乏前回、ハウスミカンの栽培条件を挙げた。その中に水はけが良いところというものがあることを記載した。これを踏まえ、興味深い話を聞いた。興味深い話の前に今回のハウスミカンの栽培地の地質図を調べてみると、20万分の1日本シームレス地質図花崗岩質の深成岩で形成された山の標高の高い個所であった。花崗岩が風化すればSiO2含有量が非常に高い真砂土という砂土になる。花崗岩から真砂土へSiO2というのは二酸化ケイ素のことで

 

ハウスミカン栽培の銅欠乏

ミカンの木の落ち葉がなかなか土へと還らないから話は戻って、不調なミカンの木からの漂白の落ち葉での(おそらく)銅欠乏の話をする。ミカンの栽培マニュアルに目を通した時頻繁に挙がったこととして、・ミカンは石灰を好む・ミカンは弱酸性域の土質を好む・水はけの良い場所を好むミカンではなく果樹について調べた時、たまに・お礼肥(収穫後に与える肥料)では硫酸銅を与えるとあった。これらの内容が目についた時にふと(JA全農 肥料農薬部 施

 

ミカンの木の落ち葉がなかなか土へと還らない

不調なミカンの木からの漂白の落ち葉の続き。ハウスミカンを栽培されている方から、年々ミカンの落葉が土に還りにくくなっている気がするという意見が挙がった。ミカンに限らず果樹全般の話になるとは思うが、果樹の秀品率を決める上で重要な要因として細根の発生がある。事前に読んだ栽培マニュアル等に記載されている内容から、おそらく樹木の細根は季節的な要素で発生と分解を繰り返すのだろうと捉えているけれども、細根はおそらく土壌の物理性の高いところで発根しやすい傾向に

 

不調なミカンの木からの漂白の落ち葉

佐賀のハウスミカンの栽培者の方向けに塩類集積等の話をしましたの後に栽培の様子を見に行った。ハウス内で下記のような話題が挙がった。最近、ミカンの落ち葉が土に還るまでの時間が遅くなっているように感じる。その中で更に不調の木からの落ち葉は白っぽいものが多くなっている。調子の良い木であれば、こんな感じで褐色になっている。なぜ、落ち葉は土に還りにくくなったのだろう?なぜ、落ち葉の色が白くなってしまったのだろう。この疑問に対

 

褐色腐朽菌のいるところではリグニンはどうなるか?

水耕栽培の培地は露地栽培の堆肥として再利用できるか?で表題の通り、水耕栽培の培地であるヤシガラにキノコが生えたものは堆肥として利用できるか?という疑問に対して、前回は上の写真のキノコの特定から始めた。生育環境等からこのキノコは褐色腐朽菌に分類されるのではないか?とアタリを付けた。堆肥として活用したいのは、木質成分であるリグニンが酸化されて断片化したものであれば、土とよく混ざるという前提で話を進めている。枝は腐植になるか?この前提に対して

 

水耕栽培の培地は露地栽培の堆肥として再利用できるか?

ブログの読者の方と大きなキノコを見て思い出す師の言葉の話をしていて、下記のような質問を受けた。トマトの水耕栽培で利用しているヤシガラで、使用期限が迫ってくると、こんな感じで黄色いキノコが生えてくるけれども、もしかしてベンチで利用しているヤシガラは良質な廃菌床堆肥になるのでは?と堆肥に求める成分として土壌の有機物の蓄積モデルを元にアタリを付けると、木質成分が腐朽菌によって分解された時の(ポリ)フェ二ルプロパノイドの可能性が高く

 

とある籾殻が敷かれた通路の上での戦い

有機栽培等でよく見かける通路を籾殻で覆うことで、草抑えをしつつ保水させる。上から降ってくる雨水を直接土に当てないことで土を締めないようにする。おがくず堆肥を利用している畑の土を籾殻で覆うと、冒頭の写真のようなキノコを早朝に時々見かける。白色腐朽菌とトリコデルマの戦いの記事を意識して見ると、このキノコは今まさに他の菌との戦いを行っているはず。籾殻で保水性を高め、降雨で土の締め付けを回避して空気が入りやすい状態になっていて窒素分少なめ、グルコース多めで優位に立てている

 

白色腐朽菌とトリコデルマの戦い2

前回の白色腐朽菌とトリコデルマの戦いで白色腐朽菌とトリコデルマは培地上で陣取り合戦をしていて、培地に硫酸アンモニウム(硫安)を添加するとトリコデルマが活性化するという内容を記載した。この内容は先日紹介した共立出版のるキノコとカビの生態学という本に記載されていた。この白色腐朽菌とトリコデルマの関係だけれども、もう一点興味深い結果の実験があるので紹介すると、白色腐朽菌が活性化した培地にトリコデルマの菌を投入する時、培地上に添加した糖の種

 

白色腐朽菌とトリコデルマの戦い

先日紹介した共立出版のるキノコとカビの生態学という本で、倒木が土に還る際の後半で白色腐朽菌とトリコデルマという菌が競合を始めるという内容が記載されていた。この話を紹介する前にトリコデルマについて触れておくと、/***********************************************************/トリコデルマ属は、子嚢菌門ボタンタケ科に属する菌類で、森林土壌中や落葉、枯れ木に生息するごく普通の菌類である。落ち葉や枯れ木を分解する腐生的な面も

 

イネ科緑肥の効果、再考

マルチムギが劣化土壌に果敢に挑む昨日の記事で、ネギの周年栽培において、土地不足で畑を休ませられるタイミングがないので、ネギの畝の間に緑肥のマルチムギを育ててみたら、予想以上の結果となったという報告があったと記載した。この記事からなぜマルチムギがこんなにもハマったのか?という話題になったのでまとめてみることにした。はじめに緑肥を使用する前の背景だけれども、局所的ひび割れ、植物にとって過酷な領域もともとは露地で上の写真のようにひび割

 

マルチムギが劣化土壌に果敢に挑む

京都農販が関与している畑で、スギナが覆い尽くして栽培の難易度が上がりすぎていたところがある。諸事上によりその畑は休ませる事ができないため、通路にマルチムギを育てて土をクリーニングすることを目的とした栽培をして頂いたところ、目に見える成果が出始めた。この話の詳細を記載すると、年間の収穫目標が高いことにより畑を休ませることができず、局所的ひび割れ、植物にとって過酷な領域速効性の肥料で無理やり栽培を余儀なくされていた土壌で、連作 + 速効性の肥料の無茶な栽培によ

 

スベリヒユの持つCAM回路

塩類集積土壌でも平然とたたずむスベリヒユ先日の記事で塩類集積を起こした土でスベリヒユが繁茂していたという内容を記載した。スベリヒユを調べてみると、C4回路とCAM回路といった周りの草とは異なる光合成をしていたということがわかった。この話を進める上で、C4とCAMについて知る必要があるため触れておく。逆順になるけれども、まずはCAM回路について。そもそもCAMとは何か?というと、ベンケイソウ型有機酸代謝のことでCrassulacean Acid Metabo

 

塩類集積土壌でも平然とたたずむスベリヒユ

OLYMPUSのTGシリーズで広がる視野先日見た塩類集積のハウスで、スギナの他にスベリヒユを見た。そういえば、塩類集積の土壌ではスベリヒユをよく見るなと。スベリヒユは強いのだろうか?せっかくの機会なのでスベリヒユについて見てみることにする。成美堂出版の里山さんぽ植物図鑑の106ページのスベリヒユを見ると、スベリヒユが特別な植物みたいでepisodeが記載されていた。その内容を見ると、高温乾燥地の植物で発達した特別の光合成シス

 

OLYMPUSのTGシリーズで広がる視野

OLYMPUSから発売されているアウトドア用のTGシリーズ。コンパクトデジタルカメラ | オリンパスこのTGシリーズが発売された時、防水防寒があるにも関わらず、夜間で片手取りができるという機能に感動して即買いした。※堆肥場は暗所であることが多く、粉塵が多いためアウトドア用でないと持って行きたくないという背景がある。先日ひょんなことから比較的新しいバージョンを手に入れた。このバージョンは上記の特徴にプラスして、Aモードがあったり、顕微鏡モードがあったりと

 

ひび割れ環境でなんとか伸長したけれど

あのノゲシが負ける土があるとは先日のひび割れた土壌の土で、ノゲシといった強靭な植物であっても上の写真の通りで、ひび割れてしまった土壌というのが植物たちにとって如何に過酷であるかを物語る。そんな土地において、他にもなんとか伸長していたタネツケバナがいたけれども、緑肥を活用する意義こじんまりとした株にアブラムシがびっしりでいたたまれない状態になっていた。先日同様、動けない草が周囲の環境を変えながら成長するというけれども、大き

 

あのノゲシが負ける土があるとは

京都市内のとある畑で休ませているところがあった。その畑というのがこの通り、ひび割れで草があまり生えていないし、生えていたとしても背丈は低い。そんな中、この手の土を得意とする草はいるものだろうと探してみたんだけど、強いと思われるノゲシのような草がこの通り。用水路とキク科の草植物は動けないので、根を生やしたところの環境を変えながら成長するといういうけれども、クローバの根の周りで何か起こってるどの草もうまく成長できなけ

 

川に落ちている石を頼りに肥料の鉱山を探す

株式会社誠文堂新光社 / 日本の石ころ標本箱日本の各川で何の石があるか?が記載された本がある。最近ちょくちょく行くようになった仙台にはどんな土があるのだろう?と宮城県のページをめくってみたら、仙台市の名取川というところで、株式会社誠文堂新光社 / 日本の石ころ標本箱 44ページモルデン沸石ことゼオライトが採石できるらしい。ゼオライトといえば土壌改良の効果が高いとされる粘土鉱物の一種で、ホームセンターの肥料売り場でも売られていることがあるらし

 

花崗岩が崩れ土になっていく

棚倉構造線の棚倉西断層棚倉の西断層より西側に山本公園というところがあり、この公園には川があって、川の横にはキャンプ場がある。この川に訪れた時、崖の一部が崩れ、崖付近には近寄れなくなっていた。この崖の個所の地質を先に調べておくと、20万分の1日本シームレス地質図崖崩れが発生していた個所(ピンの右側)は花崗岩質の深成岩となっている。五代松鍾乳洞横にあったスカルン鉱床崖崩れ個所には近寄れないが、

 

美味しいコメを求めて福島県の浅川町へ

棚倉東断層の強アルカリ温泉前回までの棚倉構造線の断層の話で福島県に訪れたわけだけれども、棚倉西断層と東断層を見ることが福島を訪れた主の目的ではなく、棚倉から北に10km程離れた浅川町というところに行くことが主の目的だった。話の発端は、知人の出身である浅川町で局所的ではあるが、非常に美味しいコメが収穫できる地域があるという話題が挙がった。昨年出会った小滝のコメのことを伝えた後、浅川町のコメが美味しいところの地質を確認してみたら、興味深い地

 

棚倉東断層の強アルカリ温泉

前回の記事で棚倉構造線に訪れた内容を記載した。棚倉構造線の棚倉西断層棚倉構造線には棚倉西断層と東断層があり、20万分の1日本シームレス地質図日本の長い断層が並行に並んでいる。北方の棚倉町からこの地域に入り、南に向かって移動していたわけだけれども、諸事情により矢祭というちょうど真ん中あたりで西断層から更に西に向かうためにこの地域から抜けた。ここからは事前に読んでいた本の内容になるけれども、商品詳細 - 3D地形図で歩く日本の活断層

 

除草され尽くした(草にとって)の荒野で

とある家庭菜園の畑にて、きれいに除草されたところに一本の株があった。これはヤブガラシだ。ヤブガラシは栽培者に何を伝えるのか?おそらく先日の除草中に抜かれたけれども、土の上に放置されて、不定根が生えて根付いてしまったものだろう。オーキシンと脇芽と不定根周りに他の草が生えていないこともあって、不定根という不安定状態であっても余裕で居続けることができるのだろう。こんなにも強い植物が栽培しやすい土になるに従って居なくなるのはなん


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