カテゴリー : 農薬

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バリダマイシンA再び

酵母とトレハロースで菌の細胞内でのトレハロースの働きについて触れた。 トレハロースは菌が高ストレス環境におかれた際に、 細胞内でトレハロースを急ピッチで合成する。 トレハロースはエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)をつなげて、 安定な形(エネルギー源として利用しないということ)にし、 高ストレス環境で生理的に重要な酵素等のタンパクの不活性に対して、 タンパクの間に入り込んで安定な状態にする。 という働きがあった。 菌が高ストレス環境から抜けるとトレハロースは速...

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クチクラ層は何からできている?

一般展着剤の界面活性 展着剤の話題の時にクチクラ層という名称が何度も挙がった。 クチクラ層というのは植物系の教科書ではワックス層と表現されることが多く、 ワックスの特徴で撥水性ということになる。 界面活性作用を持つ展着剤を使用すると、 クチクラ層の持つ撥水性は幾分緩和されるわけだけれども、 そもそもクチクラ層は何の物質で構成されているか? という話題がほとんど挙がらない。 学部と院のどちらも植物系だったにも関わらず、 ふと思い返してみるとクチクラ層がなんであるか?と...

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一般展着剤の界面活性

前回の展着剤とは何だろうで残った話題の一般展着剤だけれども、 界面活性を利用して葉表面にある水を弾く性質を弱めて薬効のある成分が溶けている水分を長いあいだ留めておくようにする。 今回はこの界面活性について見ていくことにしよう。 界面活性といえば洗剤で利用される現象で、 ミセル形成を見ておくと良いだろう。 界面活性に関与する物質の特徴は、 片方は疎水性を持ち、もう片方は親水性を持つもので、 この特徴を持つ物質が水の中に大量に投入すると、 こんな感...

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展着剤とは何だろう

食酢の農薬的な使用の際には展着剤を 前回の記事で植物の葉の表面にはクチクラ層というワックス層があって大半の液体は弾いてしまう。 農薬や肥料分も水溶液なので一様に弾かれてしまう。 ※クチクラ層の特徴により一部例外あり 散布した農薬が弾かれないように展着剤というものを併用すると良い というのが前回の内容だった。 というわけで展着剤について見ていくことにする。 展着剤の定義は下記の通り /*******************************************...

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食酢の農薬的な使用の際には展着剤を

食酢と重曹 前回の食酢の農薬的な利用(アブラムシ等の防除)として利用する際は、 展着剤を一緒に混ぜておかないと、 アブラムシ等が食酢をかわして効果を発揮しない という話題が挙がった。 展着剤というのは今までの農薬の使用でも何度も話題に挙がった(ブログでは紹介していない)ので、 せっかくの機会なので展着剤に触れてみることにする。 まず、展着剤に触れる前に 植物の基本的な特徴に触れてみると、 植物の葉を横から見て、 葉の表面には水を弾くワックス層がある。 ...

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食酢と重曹

菜園ナビ公式イベント『楽しく学ぼう!第2弾 in 関東』で基肥の話をしましたで、 アース製薬の方が農薬についてのアレコレの話をされていたのですが、 様々な人が知ってほしい非常に有用な情報でした。 その中で特に印象的だったのが、 食酢と重曹の農薬っぽい利用がある。 食酢というのはCH3COOHで表される食用で利用できる酢酸である。 重曹というのはNaHCO3でこれまたベーキングパウダーにも利用されるもの。 酢酸は弱酸性を示し、 重曹、食酢の病害防除…/奈良県公式...

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大多数を占める日和見菌の振る舞い

数年前、モーニングという漫画雑誌で 『もやしもん(13)<完>』(石川 雅之)|講談社コミックプラス 農学部を舞台とした農学漫画があった。 農学部といっても酒造関係なので厳密にいうと農芸化学科だろう。 主人公は地味ではあるけれども、 菌を表紙のような形状で見ることが出来、コミュニケーションすることも出来るため、 当然、こんなスキルを教授陣はほっとかないだろうと、 入学早々、酒造系の研究室の教授にスカウトされ研究室に入り浸る という異例の展開を繰り広げる。 こ...

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農薬の開発と病原菌の耐性獲得、再び農薬の開発へ

酸アミド系殺菌剤ペンチオピラドを含め、 殺菌剤の開発者と使用者の話を見聞きしていると話題に挙がりやすいのが、 せっかく効きの良い殺菌剤が販売されたのに、 病原菌が耐性を獲得して効かなくなった。 耐性菌に対して新たな殺菌剤が開発され市販されても、 また新たな耐性菌が現れ効かなくなった というもの。 これを聞いて思ったのだけれども、 効きの良い殺菌剤が市販される→みんな使い始める→過剰に使う(乱用する)人が現れる 地域のとあるほ場で耐性菌が現れる ※過剰な...

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酸アミド系殺菌剤ペンチオピラド

2年前に京都市内の某所で、発生してしまったら止めることの出来ないと考えられていた黒腐れ菌核病を肥料と農薬の組み合わせて侵攻を止めた話があった。 京都市内で起こったすごいこと 侵攻を止めた背景に 黒腐れ菌核病の原因菌である糸状菌が低いpHで活発になるという情報があったため、 生理的塩基性肥料を用いて土壌のpHを高めて原因菌を苦手な環境に追い込み、 弱体化したところでペンチオピラドという殺菌剤を使用して伝染を止めた。 最近も有効成分がペンチオピラドの農薬の話題がちらほらと挙がるの...

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バリダマイシンAのポテンシャル

前回挙げたバリダマイシンAというトレハロースの分解阻害の農薬だけど、 先日、とある農薬会社のサイトで興味深い記述を見つけた。 バリダマイシンAという殺菌剤 今回はその記述を紹介する。 先日、対軟腐病の記事で植物自身の免疫を刺激することができるプラントアクティベータという農薬の話題が挙がり、 プラントアクティベータの作用があるものとしてプロベナゾールが挙がった。 防御の植物ホルモン、サリチル酸 プロベナゾールの推定作用点を見ると Dr.(ドクター)岩田の...

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バリダマイシンAという殺菌剤

最近よく聞く農薬でバリダマイシンAというものがある。 ネギやニラといった地上部だけカット収穫して、根を残して再生したところで再び収穫するような作物で、 カット収穫後に消毒という意味合いとして使用するという話をよく聞く。 話題に挙がったら可能な限り調べておくのが当サイトの方針なので、 今回も例外なくバリダマイシンAを調べておく。 はじめに構造を見ておくと、 バリダマイシンA Ⅰ.評価対象農薬の概要 - 環境省より引用 3個の六炭糖が炭素-窒素結合?とグリコシド結合...

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殺菌剤の標的とSH酵素阻害

マンゼブ Ⅰ.評価対象農薬の概要 - 環境省より引用 前回の亜鉛を含む農薬の作用をI-W系列から考えてみるで亜鉛を含むマンゼブという農薬を見て、 実際の作用の話に入る前に金属酵素全般の話を書いた。 マンゼブの作用を改めて記載すると、 ジチオカーバメート系の殺菌剤であり、SH酵素や金属酵素を阻害することにより殺菌活性を有すると考えられている ということだった。 とりあえず、SH酵素阻害から触れてみることにする。 SH酵素阻害と言えば、 銅を含んだ農薬のボルドー液の際...

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亜鉛を含む農薬の作用をI-W系列から考えてみる

先日、マンゼブという農薬の成分の話題になった。 マンゼブというのは、 マンゼブ Ⅰ.評価対象農薬の概要 - 環境省より引用 分子式が(C4H6MnN2S4)xZnyで表されるマンガン(Mn)、硫黄(S)と亜鉛(Zn)を含んだ化合物である。 分子式をざっくりと見たところ、亜鉛(Zn)が遊離してイオン化しやすいだろうと予想している。 作用機構を見ると、 ジチオカーバメート系の殺菌剤であり、SH酵素や金属酵素を阻害することにより殺菌活性を有すると考えられている。 ...

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抗生物質ストレプトマイシン

放線菌と協働して軟腐病を減らすまでの記事で放線菌が放出する抗生物質の話題には触れてきたけれども、抗生物質そのものには触れていない。 というわけでそろそろ放線菌から初めて発見、抽出されたストレプトマイシンという抗生物質を見ることにする。 By NEUROtiker ⇌ - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link ストレプトマイシンをWikipediaから抜粋すると、 /********************************************...

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放線菌と協働して軟腐病を減らす

菌と細菌についてまでの話題を経て触れたかった問題として、 軟腐病の蔓延を阻止したいというものだった。 軟腐病菌はグラム陰性の通性嫌気性の細胞で、 増殖が速く?、有効な殺菌剤がないとされている。 通性嫌気性とは? 今までの記事で軟腐病の被害を減らすために 植物本来備えている免疫作用を刺激して、感染時に備えることで被害を減らす という手が有効らしいということがあった。 軟腐病菌の侵攻を止めるには? 防御を強化してから、感染時に殺菌剤で対応する。 そうすれば、確度は相当...

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菌と細菌について

良い土の匂いは放線菌によるもの?で放線菌の話に触れた。 有機農業では放線菌の活発な土壌は良い土壌という認識があって、 確かに放線菌は、 ・好気性環境(酸素多め)で活発になりやすい ・カビ(菌)の外殻であるキチン質を積極的に分解する酵素を分泌する ・細菌に効く抗生物質を合成するものがいる といった特徴があり、 作物にとって栽培しやすい条件で増殖しつつ、 一部の土壌微生物が過剰に増殖することを防ぐ役割を果たすように見える。 それを踏まえた上で、再び放線菌の説明を読むと、...

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良い土の匂いは放線菌によるもの?

師のところで栽培を学んでいる時、 事務所を開放して栽培者向けの勉強会を開催したことがある。 紅土と黒ボクを見て思い出す師の言葉 招いた先生から下記のような事を教えていただいた。 良い土の土の匂いは放線菌によるもので…(以下略) この話は後にも時々見聞きするものだった。 更に農薬の話でもちょくちょく放線菌は登場する。 というわけで、 今ここで放線菌について見ておくことにする。 まずはWikipediaから放線菌の文章を抜粋してみると、 /************...

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軟腐病菌の侵攻を止めるには?

前回までの記事で、 栽培者にとって非常に厄介な軟腐病菌の生理的特徴を確認した。 通性嫌気性とは? 次に知るべきことは、 軟腐病菌が寄生先の植物に侵入する際の武器(酵素)を止める手段を植物側が持っているかどうか?だ。 具体的には侵入用の酵素を阻害する物質が存在しているかどうか? 対軟腐病 軟腐病菌が植物を攻撃する際に使用する酵素はペクチナーゼと呼び、 植物の細胞壁同士を結合させているペクチンという多糖類で、 ペクチナーゼは植物のペクチンを溶かす(分解する)ことによって寄生...

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グラム陰性の細菌とは?

前回の対軟腐病で(ネギの)軟腐病の原因菌を調べた。 結果は下記の通り、 細菌名はエルビニア・カロトボーラで、グラム陰性の通性嫌気性の細菌である。 ペクチナーゼという酵素を使って寄生した植物の細胞壁を弱体化させながら侵入する。 病気を調べると菌と細菌という文字をよく見かけるけど、 菌と細菌の違いはなんぞや? という疑問は一旦置いといて、 細菌は菌よりも細胞がシンプルで、増殖速めという前提で話を進める。 さて、細菌名とちょっとした特徴を得たところで、 最初の鍵であるグラ...

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対軟腐病

先日の肥料講習会での質疑応答で京都農販の木村が返答した内容が非常に印象に残った。 京都市肥料講習会で基肥と予防の話をしました 質問内容は 毎年ネギの黒ぐされ病に悩まされている。 一度発生してしまったら、農薬はほとんど効かず、全滅を覚悟しなければならない。 何か良い手はないか? それに対しての返答として、 微生物全般を学び、微生物には得意な環境でなければ増殖出来ないルールがあることを知りました。 黒ぐされ菌核病の原因菌を畑に入れないことはもちろん大事なのですが、 入ってし...

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