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カテゴリー : 農薬/page-1

電子書籍の販売をはじめました
 

ウンカは水生生物の生態系にとって重要であるらしい

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農環研ニュースNo.107(2015.7)は、水田生態系における農薬の影響を評価するため、アマガエル幼生を用いた農薬感受性試験を実施した。27種の水稲用農薬を対象に、急性毒性試験と催奇形性試験を実施。急性毒性試験では、殺虫剤が最も毒性が高く、次いで殺菌剤、除草剤の順であった。ネオニコチノイド系殺虫剤は特に毒性が高く、致死濃度は他の殺虫剤より100倍以上低い値を示した。催奇形性試験では、一部の殺虫剤と殺菌剤で奇形が確認された。この研究は、水田生態系保全のためには、農薬の種類や使用量を適切に管理する必要があることを示唆している。特に、ネオニコチノイド系殺虫剤の使用には注意が必要である。

 

高槻某所の水田で坪枯れを見た

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高槻市の水田で坪枯れを観察。原因はトビイロウンカの可能性が高い。近隣の公園でウンカらしき昆虫を確認したため、地域にウンカが生息していることは確かだ。坪枯れが発生した水田以外では今のところ目立った被害は確認されていない。殺虫剤の使用有無や効果は不明だが、坪枯れを起こした水田は元から稲の生育が悪く、雑草も目立っていた。害虫の大量発生は、飛来によるものではなく、発生しやすい条件が揃った結果ではないかと推測する。周辺水田の観察を継続し、状況を確認していく。

 

高槻の水田でジャンボタニシを見かけた

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高槻の水田でジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を発見。その駆除法として、天敵、トラップ、農薬の他、フルボ酸でイネを強化し食害を防ぐ方法や、水管理を徹底しジャンボタニシに除草をさせる方法が挙げられている。中でも注目されている農薬はリン酸第二鉄で、タニシに摂食障害を引き起こし、稲の肥料にもなるため初期生育に有効。つまり、土作りを徹底し、初期生育にリン酸第二鉄を与え、水管理を徹底することが重要。温暖化の影響で越冬生存率が増加しているため、対策の必要性が高まっている。

 

トビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくる

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トビイロウンカは越冬できず、中国大陸から季節風に乗って飛来する。中国ではトビイロウンカへの農薬使用量が増加しており、薬剤抵抗性を獲得した個体が日本へ飛来するため、国内の農薬対策が難航している。中国で使用されている農薬を避けつつ、効果的な農薬を選択する必要があり、農薬の流行を常に意識しなければならない。農薬散布は益虫への影響もあるため、化学的知見に加え情勢判断も重要で、新たな対策が求められている。

 

カメムシが殺虫剤の抵抗性を得る仕組み

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カメムシは、殺虫剤を無毒化する細菌と共生することで殺虫剤抵抗性を獲得している。カメムシの消化管には共生細菌を宿す器官があり、土壌中の細菌から共生相手を選んでいる。殺虫剤も土壌微生物によって分解されるため、殺虫剤の使用は抵抗性を持つ細菌の増殖を促進する。地域一斉の農薬散布は、この現象を加速させ、カメムシの抵抗性獲得を早め、益虫を死滅させる。結果として害虫は増加し、農薬使用の悪循環に陥る。農薬被害軽減のためには、農薬使用からの脱却が急務となっている。

 

稲作の虫害防除の今後を考える

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稲作におけるカメムシ被害対策として、ネオニコチノイド系殺虫剤が使用されているが、人体やミツバチへの影響が懸念され、使用禁止の可能性が高まっている。代替手段として、レンゲ米の栽培が注目される。レンゲの鋤き込みは炭素固定量を増やし、冬季の雑草管理も軽減できる。一方、暖冬によるカメムシ越冬数の増加は、殺虫剤耐性を持つ害虫の出現など、深刻な農業被害をもたらす可能性がある。殺虫剤に頼らない栽培体系の確立が急務であり、レンゲ米はその有力な選択肢となる。さらに、殺菌剤の使用は虫害被害を増加させる可能性があり、総合的な害虫管理の必要性が高まっている。

 

葉の色が濃いイネはいもち病に罹りやすい

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イネはケイ酸を吸収し、葉の表皮細胞にケイ化細胞と呼ばれる硬い層を形成する。このケイ化細胞は物理的強度を高め、病原菌の侵入や害虫の食害を防ぐ役割を果たす。特にいもち病菌の侵入を抑制する効果が大きく、ケイ酸吸収を促進することで、いもち病抵抗性を高めることができる。また、ケイ化細胞は葉の垂直方向への成長を促進し、受光態勢を改善することで光合成効率を高める効果も期待される。さらに、蒸散量の抑制による耐乾性向上にも繋がる。土壌中のケイ酸供給量を増やす、もしくはイネのケイ酸吸収能力を高めることで、これらの効果を発揮し、イネの生育を向上させ、病害抵抗性を高めることができる。

 

カロテノイド生合成阻害の除草剤を見る

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酸素発生型光合成の誕生以前、初期生命は嫌気呼吸でエネルギーを得ていた。やがて光合成細菌が出現し、硫化水素や水などを利用した光合成が始まった。しかし、これらの光合成は酸素を発生しない。シアノバクテリアの出現により、水を電子供与体とする酸素発生型光合成が始まり、地球環境は劇的に変化した。酸素の増加は大酸化イベントを引き起こし、嫌気性生物は衰退する一方で、酸素を利用した好気呼吸を行う生物が進化する道を開いた。この酸素発生型光合成は現在の植物にも受け継がれている。

 

健康的に生きる上でカロテノイドが大事だから蓄積するのだろう

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この記事は、カロテノイドの重要性を卵の黄身の色を例に挙げ、健康への効果を解説しています。鮮やかな黄身は人工的でなく、親鳥が雛にカロテノイドという有益な物質を与えている証拠だと述べています。カロテノイドとフラボノイドは、植物が紫外線から身を守るために獲得した抗酸化物質であり、人間が摂取することで同様の効果が得られると説明。具体的には、免疫細胞の保護や殺菌後の活性酸素除去に役立つことを学術論文を引用して示し、ウイルス感染症の重症化抑制にも繋がると推測しています。そして、作物におけるカロテノイド増加の方法を探るには、除草剤のような減少させる仕組みを調べるのが有効であり、PDS阻害剤のようなカロテノイド合成を阻害する除草剤の存在を例に挙げています。

 

香り化合物の合成経路から見えてくること

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植物の香り化合物(GLV)は、葉が損傷を受けた際にガラクト糖脂質から合成され、害虫や病害に対する防御機構として機能する。GLV合成経路の研究から、ヘキセナールなどの化合物が病害抵抗性に寄与することが示唆されている。このことから、草生栽培において、定期的な草刈りによって放出される香り化合物が作物の耐性を高める可能性が考えられる。逆に、除草剤の使用は香り化合物の放出機会を奪い、食害被害の増加につながる可能性がある。これは、殺菌剤使用による食害増加と同様に、栽培における新たな課題を示唆している。

 

ミツバチ問題と稲作

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ミツバチは花蜜だけでなく、イネの花粉も集めるため、水田に訪れる。しかし、開花時期にカメムシ対策として散布される殺虫剤がミツバチの死因となっている。さらに、ミツバチが粒状の農薬を巣に持ち帰る可能性も指摘されている。カメムシ被害による斑点米は全体の1%未満であり、市場が許容すれば農薬散布は不要となる。ミツバチは生態系にとって重要であり、この問題を機に社会の変化が求められる。水田の農薬は、米の味や生態系への影響を考慮する必要がある。

 

植物は痛みを感じた時にグルタミン酸を用いて全身に伝えている

Glutamate triggers long-distance, calcium-based plant defense signaling - Science 14 Sep 2018:Vol. 361, 1112-1115という研究報告を見かけた。うま味が痛みを伝えている!?-植物が傷つけられたことを感じ、全身へ伝える仕組みを解明-(大学院理工学研究科 豊田 正嗣准教授) - 埼玉大学が冒頭の報告の日本語の解説となる。要約すると、葉が幼虫に食害されたり、ハサミで一部を切る

 

牛糞堆肥による土作りを勧めてくる方の腕は確かか?

11月頃になると毎年栽培について話す機会が多くなってくる。その中でかなりの頻度で質問される内容について書いておくことにする。牛糞等の家畜糞堆肥に依る土作りのことだ。家畜糞は成分的には有機質肥料に近いものがあって、土作り用の堆肥ではない。堆肥という名前で読んでいるのが諸悪の根源で、牛糞堆肥で土作りを行うことは望ましくない。※牛糞を有機質肥料と捉えて超高品質の米を収穫している方がいる。家畜糞堆肥による土作りを止める勇気をこの手の話をすると、そんなはずはない

 

ブルーチーズで得られる知見から農薬の使用量削減を探る

ペニシリウム・ロックフォルティとラウリン酸と菌根菌の記事で、各チーズ内の脂肪酸(ラウリン酸)の含有量に触れ、ブルーチーズが最も多いことを紹介した。ブルーチーズはアオカビ胞子の添加→熟成によって出来たチーズで、アオカビことペニシリウム・ロックフォルティは土壌中に普遍的にいるカビであるようだ。Penicillium roqueforti - WikipediaAM菌といえば、以前に椰子の実の脂肪酸と菌根菌の記事で脂肪酸のラウリン酸によって成長が活発になったと

 

殺菌剤を使用すると虫による食害被害が増加する

前回の氷核活性細菌によって昆虫の耐寒性が減るという記事で、昆虫が葉を食す際、葉の表面にいる細菌を一緒に摂取すると、体液の凍る温度が上昇して耐寒性が減るという現象があることを記載した。この内容を見て頭に浮かぶこととして、作物の栽培において、APUPUさんによる写真ACからの写真殺菌剤を使用することで虫による食害が増えることに繋がるのではないかと。この内容に関して興味深い話があったので紹介する。西田 貴明 特集2 ミクロな世界からの新展開 アーバスキュラー菌根

 

氷核活性細菌によって昆虫の耐寒性が減る

東海大学出版 耐性の昆虫学で昆虫の耐寒性ということで、氷核活性細菌という話題があった。水の特性として、不純物が全く入っていない水であれば、-20℃であっても凍らないが、不純物が少しでもあると融点が上昇する。昆虫の冬眠では、胃の内容物を出し切って、体液の不純物を極力なくした状態で融点を下げて厳しい冬を越すらしい。ここで一つ興味深い話題があって、葉の表面に氷核活性細菌というものがいて、その菌を摂食してしまった昆虫は体液が凍結しやすくなることで耐寒性が減る。※氷核活

 

人の神経と昆虫の神経

フルキサメタミドの作用機構という記事で、昆虫の神経におけるGABAの働きを見て、GABA周辺に作用する殺虫剤の作用機構も合わせてみた。殺虫剤は神経に作用するものが非常に多いみたいだ。となると、今まで見てきたアセチルコリンやGABA以外で利用されている神経伝達物質も見ておくと、今後何らかのヒントになり得るかもしれない。逆相関の交差抵抗性というわけで、朝倉書店 新版農薬の科学を開いてみると、神経伝達物質の例として、アセチルコリン、GABA、グルタミン酸、グリシン、

 

土壌消毒の前に土壌改良材を使用すべきか?

土壌消毒を行う際、土壌改良材を使用してから消毒を行う方が良いのか?もしくは土壌消毒を行ってから土壌改良材を施用した方が良いのか?そんな質問を受けた。質問をされた方は、土壌改良材を施用したら土壌の微生物相が豊かになるけれども、土壌消毒を行うとせっかく豊かにした微生物相がなくなってしまうのではないか?確かにその不安はあるかもしれない。だけれども、現時点での知見であれば、断然前者の土壌改良材を使用してから土壌消毒を行うことを薦める。ちなみにここで言う土壌改良

 

フルキサメタミドの作用機構

今年はいろんなところで、ヨトウ対策として有効成分がフルキサメタミドの農薬の話題があった。/**********************************************************************/フルキサメタミドは、節足動物のGABA作動性クロライドイオンチャンネルを選択的に阻害し、神経の興奮抑制機能を惹起する。その結果、過度の興奮が起こされることで殺虫効果を示すと考えられている。/*************************

 

食害虫防除としての草生栽培の可能性を探る

チョウ目昆虫の幼虫の休眠の記事までで昆虫の事を色々と見てきて思ったことがある。それは前にも触れた草生栽培の食害虫の防除の可能性だ。草生栽培は課題を明確化するかもしれない地域のお年寄り達は畑に草を生やしたら虫が多くなるから畑を綺麗にしておけというけれども、虫に対する防除というのは株を健康に育てた上で抵抗性誘導することだ。周辺の畑が抵抗性誘導をしていたとしたら、腕の無い栽培者の畑が集中砲火を食らうわけで技術力がないことが露呈される。病害虫の予防は御早めに

 

チョウ目昆虫の幼虫の休眠

寒い冬がある日本において、休眠によって越冬している昆虫が多いらしい。休眠している昆虫を無理やり起こしたら、おそらく死に至るだろう。というわけで休眠について分かっていることを調べてみることにした。昆虫と休眠で検索してみたところ、神村 学 チョウ目昆虫の幼虫休眠機構 蚕糸・昆虫バイオテック84(2)、127-133(2015)という特集に行き着いた。特集に触れる前に事前にホルモンについて復習しておくと、完全変態のチョウ目の幼虫には幼若ホルモン(JH)と脱皮ホルモン(エ

 

植物エクジソンを求めて

ハイハイさんによる写真ACからの写真前回の脱皮ホルモン由来の殺虫剤の記事で、幼虫の成長には幼若ホルモン(JH)と脱皮ホルモン(エグジソン)が関与していて、これらのホルモンの相対的な濃度によって脱皮をするか蛹になるかが決まるらしい。この仕組みを上手く活用して異常脱皮を誘導して死に至らしめる殺虫剤がある。By コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、Ayacopだと推定されます(著作権の主張に基づく) - コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが

 

脱皮ホルモン由来の殺虫剤

※農薬評価書 テブフェノジド - 厚生労働省 6ページより引用テブフェノジドというヨトウを含むチョウ目の幼虫に強力な活性を示す殺虫剤がある。作用機構はチョウ目の脱皮を促し、異常脱皮をさせることによって殺虫するというもの。何故脱皮を繰り返すことによって殺虫することが出来るのか?この農薬の作用を深く理解する為には、どうやら幼虫の成長について把握する必要がありそうだ。ハイハイさんによる写真ACからの写真知識不足で何の幼虫だかわからないが、おそ

 

逆相関の交差抵抗性

前回の有機リン系殺虫剤の作用機構の記事で、よく使用されている有機リン系殺虫剤の作用機構について触れた。農薬を使用していて頻繁に挙がる話題として、農薬の効きが年々悪くなってきたというものがある。同じ農薬を使用し続けると、対象となる昆虫等が耐性を持って効かなくなるというものだ。何故効かなくなるのか?酵素と基質の鍵と鍵穴の関係程厳密ではないけれども、酵素と農薬の間にもゆるい鍵と鍵穴の関係がある。ビタミンを理解する為に補酵素を知る上の図の右を農薬だと見立て

 

有機リン系殺虫剤の作用機構

前回の成虫で休眠する甲虫は土壌で何をしているのか?の記事で、コガタルリハムシという成虫で休眠をする甲虫に触れた。コガタルリハムシは土壌で休眠中に抗菌性のペプチドを合成するが、不思議なことに自身に影響を与える菌ではなく、ジャガイモの乾腐病菌の菌糸の伸長を抑制する物質であった。もしかしたら畑において天敵以外でも作物に良い影響を与える昆虫は沢山要るのではないか?ここで気になるのは、普段よく使用されている殺虫剤が天敵や作物にとって無害(もしかすると有益?)の昆虫も一緒に殺虫している可

 

成虫で休眠する甲虫は土壌で何をしているのか?

昆虫の更なる理解を求め、東海大学出版から販売されている耐性の昆虫学という本を読んでいる。この本を読んでいると、昆虫はとても強く、そしてわからないだらけだということを痛感する。耐性獲得の速さから栽培で殺虫剤を使用するという選択は実はとんでもない負債を背負うのではないか?と思えてくる。この手の話は後日にしておいて、コガタルリハムシという甲虫で興味深い話があったので紹介する。この昆虫はタデ科の草の活躍タデ科のギシギシ(スイバの

 

アミノ酸で青枯病を予防する

青枯病対策としてのDIMBOAまでの記事で、厄介な青枯病やヨトウの防除のことを整理した。病気と食害を交互に見ることで、どちらの被害軽減に対して同じ事を見ているように感じてくる。そんな中で興味深い読み物を発見した。瀬尾茂美等 今日の話題 ありふれたアミノ酸が植物病害を抑える アミノ酸による植物のパワーアップ - 化学と生物 Vol.56. No.6. 2018上記の記事では、トマトの青枯病に有効な農薬の開発というテーマで、酵母抽出液から発病を

 

青枯病対策としてのDIMBOA

昨日、某SNSに環境に優しい土壌消毒ダゾメットの記事をシェアしたら、下記のコメントがあった。/*********************************************************/アブラナ科ベビーリーフ残渣をすきこみ続けると果菜類のあとのひどい土壌も徐々に復活するのは、今回の内容と関係あるのだろうか、とか考えました。/*********************************************************/このコメントを

 

虫にかじられやすい株とそうでない株の違いは何だ?

前回のダゾメットによる土壌消毒はチョウ目の幼虫に有効であるか?の記事で、アブラナ科植物の防御反応であるイソチオシアネートがチョウ目に効かないというのは、イソチオシアネートに対して耐性があるわけではなく、イソチオシアネートを合成させないということだった。つまりはまだチョウ目の幼虫にイソチオシアネートが効く可能性があるということだ。イソチオシアネートはアブラナ科植物が虫による食害(傷害)を受けた時に合成される。ここで疑問が生じる。コマツナ等のアブラナ科植物で、葉脈付近だけ

 

ダゾメットによる土壌消毒はチョウ目の幼虫に有効であるか?

前回の環境に優しい土壌消毒のダゾメットで、よく使用されるダゾメットがアブラナ科植物の防御反応の一つであるイソチオシアネートを活用していることがわかった。ここで一つ疑問が生じるのが、※写真は私にとっての農業とSOY Shopよりアブラナ科とチョウ目(旧:鱗翅目)の関係ではないだろうか。アブラナ科植物というのは特有の辛味成分のおかげで虫に食われにくいと言われるが、チョウやガの幼虫にはよく食害される。辛味成分は今まで話題に挙がったイソチオシアネートのこと

 

環境に優しい土壌消毒のダゾメット

土壌消毒について見直す時期ではないだろうか?の記事で、タイトル通り土壌消毒について見直すべきだと思っている旨を記載した。土壌消毒という名前により、土壌中の病原性の微生物等を消毒できるという思い込みが発生するが、実は消毒できない個所があって、そこに病原性の微生物等が潜伏する。普段行われている土壌消毒のことをより深く知ることで、どこまで土壌消毒に依存するか?の判断が出来るようになるので、今回は土壌消毒について触れてみる。薬剤による土壌消毒で頻繁に見聞きするものとし

 

ヨトウの天敵を探す

カブトムシのかいかたそだてかた - 株式会社岩崎書店 このサイトは、子どもの本の岩崎書店のサイトです。長男がカブトムシのかいかたそだてかたという本を借りてきた。最後のページにカブトムシの天敵があって、キツネ、タヌキ、モグラや冬虫夏草が記載されていた。サナギダケの胞子はどこにいる?冬虫夏草が挙げられているのは凄いなと思いつつ、ここらへんの天敵はなんとなく思いつく。これらの天敵以外で意外な天敵が目に付いた。それはミミズとツチバチだ。ミミズはカブトムシを

 

ヨトウは海の向こうからやってくる

ハスモンヨトウという作物の葉を食害する昆虫がいる。苦手な人もいるだろうから写真は控えておくが、食害するのはヨトウガというチョウ目(旧:鱗翅目)の蛾の幼虫だ。漢字で書くと夜盗蛾で昼間は土に潜っていて、夜に地表に現れて葉をかじる。ある程度の大きさ(中齢幼虫)になると殺虫剤が効きにくくなると、天敵(大半は日中に活動する)はダメ、殺虫剤はダメとどう対策すれば良いのだ?というラスボスみたいない昆虫がいる。弱点といえば、どうやら寒さに弱いらしく、露地では日本の冬に越冬できないらしく、北日

 

土壌消毒について見直す時期ではないだろうか?

耕土の深い層に潜伏した病原菌の記事で、病原菌が耕土の深いところに潜伏していて、深く耕すことによって病原菌が上がってくることはどうなの?という疑問を考えてみた。※ここではグラム陰性細菌の青枯病菌について触れているそもそもの話で、各種土壌消毒法による青枯病菌密度抑制効果の事例解析 - 農研機構機関リポジトリによると、深い層にいる病原菌は薬剤による土壌消毒の効果が届かない深さにいただけの可能性がある。更に上記の解析結果によると、土壌消毒に糖蜜やエタノールを利用すると深い層にいる

 

耕土の深い層に潜伏した病原菌

先日、病気の話をしていた時に下記のような話題が挙がった。病原菌が耕土の深いところに潜伏すると聞いた。排水性の向上の為に深く耕す(天地返し)ことによって、病原菌が潜伏する層が土表面に上がってくることになるけれども大丈夫なのか?と上記の内容を考えてみよう。耕土の深いところに潜伏する病原菌と聞いて連想するのが、おそらく青枯れ病菌か軟腐病菌ではないだろうか?青枯病の原因菌について調べてみたどちらもグラム陰性の嫌気性の細菌に分類されていて、酸素が少ない環境で

 

米ぬかを利用した土壌還元消毒

以前、ダニの防除を調べていた時、農文協から出版されているハダニ防除ハンドブックに米ぬかによる土壌還元消毒という手法が紹介されていた。『ハダニ防除ハンドブック』國本佳範編著 - 田舎の本屋さん有機質肥料としての米ぬか主にハウスで1〜2トン/反の米ぬかを施用し、土壌を潅水して酸素の少ない状態にする。潅水状態で土と米ぬかを撹拌して静置する。土を乾かしビニールで覆うことによって酸素が入らない状態にして、20日近く静置する。米ぬかを使用した土壌還元消毒における土壌窒素量

 

病気の予防は昆虫を意識し、昆虫から学べ

先日、大阪市立自然史博物館で開催中の特別展昆虫に行ってきた。連休中ということもあって中は非常に混んでいた。博物館の前で女の子がポスターを見て、カマキリ先生と言っているのを見ると、Eテレの香川照之の昆虫すごいぜ!は偉業を成したと実感する。香川照之の「人間よ、昆虫から学べ」という名言がある。材料工学において昆虫の模倣というものは非常に重要で、薬学において昆虫から抽出した物質も重要で、昆虫の研究というのは年々重要度が増していく。そんな中、昆虫展が

 

殺菌剤に病原菌の滅菌作用があると期待することが問題だ

どこで見たかは定かではないが、農薬の開発者の言葉で、畑で病気が発生し、畑全体に蔓延した状態になったら、殺菌剤で進行を止めることは難しいというものがある。とは言え、日々の作業が忙しくて、病気の出始めを発見(早期発見)は難しい。だから後手にまわって、畑全体で病気が蔓延した時に殺菌剤を使用してしまうといった話を良く聞く。ここでふと気になったことがある。こと京都株式会社さんで病気の話をしましたで触れた内容になるが、殺菌剤を文字通り、病原菌が液体に触れたら消

 

モミラクトンの分泌量の増加を追う

イネから発見されたイソプレノイドのモミラクトン前回の記事でイネの根からモミラクトンという物質が分泌されていて、モミラクトンには抗菌性やアレロパシー活性があると記載した。抗菌性というのはいもち病への耐性あたりで、モミラクトンの分泌を促進できるような資材があれば、栽培はもっと楽になるのではないか?というわけでモミラクトンについて更に調べてみると、加藤 尚 イネの根からのアレロパシー物質モミラクトンの分泌 根の研究(Root Research)25 (1):5-13 (2016

 

イネのサクラネチンはいもち病菌に対して抗菌作用を持つ

HiCさんによる写真ACからの写真苦味や渋みのタンニンまでの記事の流れからわかる通り、ポリフェノールについての興味が日に日に増している。ポリフェノールの理解が深まると、日々の食事が豊かになることはもちろんのこと、土についての理解が深まるのではないか?と期待している。ポリフェノールという難題に手を付ける為に、羊土社から出版されている基礎から学ぶ植物代謝生化学という本を購入して読み始めてみた。この本は植物が合成する様々な物質をどのような物質

 

殺菌剤とブドウの品質

地形と土壌とテロワールに引き続き、ワインの原料となるブドウの品質について。河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本に農薬とブドウの品質の話題があった。農薬を使用するとワインの品質に影響があるか?というもので、ボルドー液を例に話が進んでいた。ボルドー液といえば、硫酸銅と消石灰を混合して作成した殺菌剤の事で、銅の強い結合力に期待した農薬となっている。銅の機能を活かした農薬、ボルドー液チョコクロワッサンさんによる写真ACからの写真この

 

ナミハダニに対するプラントアクティベータ

農研機構のプレスリリースを眺めていたら、(研究成果)トマトなどの虫害を天然物質で予防 | 農研機構というものを見かけた。タバコ由来の天然物質であるロリオライドをトマトの葉に与えたところ、作物の重要害虫であるナミハダニ、ミカンキイロアザミウマやハスモンヨトウの生存率と産卵数の低下が確認できたとのこと。ロリオライドは直接的な殺虫作用は持たないので、プラントアクティベータとして働いたということがわかった。これはとても明るい未来に繋がる研究成果であって(他の研究成果も同様に未来を

 

ホウレンソウとダニの話

食品残渣系の堆肥にダニが湧いたの記事で、ダニのことが話題に挙がったけれども、ダニの事がまったくわからず予想ができなかった。というわけで、朝倉書店から出版されているダニのはなし -人間との関わり-という本を読んでみた。一通り読んでみて、栽培者が知っておくべきことがいくつかあったので今回はそれを紹介する。ホウレンソウを食害するホウレンソウケナガコナダニの話。その名の通り、ホウレンソウの葉を食害するダニではあるが、このコナダニは普段は土壌中の

 

クオラムクエンチングで軟腐病や青枯病の被害を減らせるか?

作物の病原性細菌たちのクオラムセンシングの続き。前回の記事までで、栽培で非常に厄介な軟腐病菌と青枯病菌はクオラムセンシングという仕組みで、周囲で仲間が十分数増殖できたことをきっかけに病原性の物質を合成して宿主である作物を攻撃する。仲間がある程度の増殖は周辺のクオルモンの濃度を見ている。このメカニズムに関して興味深い論文を発見した。青枯病菌 Ralstonia solanacearumのクオルモンによる病原性発現 土と微生物 Vol.60 No.2,pp.91〜

 

作物の病原性細菌たちのクオラムセンシング

前回の記事で、細菌らが何らかのアクション(たとえば宿主に対する毒素の生成であったり)を行うきっかけとしてクオラムセンシングというものがあるという紹介をした。クオラムセンシングクオラムセンシングは腸内細菌叢で頻繁に挙がる用語だけれども、栽培でもクオラムセンシングを見ているものがあるのではないか?ということで検索してみたら、クオラムセンシングの農業への応用 日本農薬学会誌 33(1), 90–94 (2008)という論文に行き着いた。細菌らが周辺に

 

クオラムセンシング

みすず書房からこれからの微生物学 マイクロバイオータからCRISPERへという本が出版されていたので読んでみた。ちょっと前まで権利の問題で世間を騒がせていたCRISPER-Cas9を微生物学的な視点から応用までを丁寧に説明していたり、CRISPER - Wikipediaバイオフィルムやクオラムセンシングといった私が学生の頃に教科書に載らなかったような内容がまとまっていたのが良かった。バイオフィルム - Wikipediaクオラムセンシング - Wikiped

 

未熟な鶏糞内に含まれるであろう抗酸化作用

植物にとってビタミンB6とは?の続きまでの記事で、ビタミンB6が活性酸素に対して抗酸化作用があることがわかった。今まで見てきた活性酸素は電子を多く持って不安定になった酸素や水が、更なる安定を求めて、他の物質から電子を抜き取る作用があって、取られた物質は電子を取られることによって脆くなる。電子は糊付けの意味を持っていると捉えれば、電子を取られることで崩壊するすることはイメージしやすい。量子力学で生命の謎を解く抗酸化作用のある物質とは、活性酸素にいち早く電子を与えて、他の物質

 

藍藻から発見された植物の芳香族アミノ酸等の合成を阻害する糖

とあるサイトでシアノバクテリアから発見された糖にシキミ酸回路内の酵素を阻害するものがあったという論文の紹介記事があった。写真:ねこのしっぽ 小さな生物の観察記録より引用シアノバクテリアとは酸素発生型の光合成を行う細菌のことで、古い呼び名では藍藻と呼ばれている藻類?である。藍藻類のユレモはゆらゆらと動くシキミ酸回路といえば、Journal of Pesticide Science 6 〔1},February 1981 112ページより引用植

 

シアナミドは土壌の細菌にも効果があるのか?

前々回の石灰窒素の作用機序で石灰窒素の主成分であるシアナミドの作用機序を調べ、前回の酵母でのアセトアルデヒドの耐性で最もシンプルな真核生物の酵母でのシアナミド経由で蓄積されるアセトアルデヒドに対する振る舞いを調べた。元々の話の発端は緑肥のヘアリーベッチが根からシアナミドを分泌するということから、土壌消毒の代替として晩秋からヘアリーベッチの栽培は可能であるか?というものだった。今抑えたい症状が四万十の話題で頻繁に挙がったショウガの根茎腐敗病等や、以前からずっと話題に挙げてい

 

酵母でのアセトアルデヒドの耐性

前回の石灰窒素の作用機序の記事で石灰窒素の主成分であるシアナミドの作用とアセトアルデヒドの毒性について触れた。シアナミドの作用によって蓄積されるアセトアルデヒドはDNAやタンパクと結合といった重大な影響を与えることがわかった。おそらくこの毒性は細菌等の原核生物や動物、植物やカビ(酵母)等の真核生物関係なく、DNAを持つすべての生物に影響を与えるはずだ。菌と細菌について更なる理解を深める為に検索していたところ、出芽酵母のアセトアルデヒドに対する細胞応答と耐性機構 - J


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