今回は汚泥肥料に含まれる可能性がある有害金属のことの続き
タイトルからは汚泥肥料には常に有害金属は含まれているのではないか?と思ってしまうが、分析の話題が挙がっているものなので、実際には有害金属が含まれているものは市場に出回らないとして、仮に有害金属が過剰に含まれていたら?という前提で話を進めている。
汚泥肥料で話題に挙がっている有害金属はカドミウムで、
公害のイタイイタイ病で話題になった時はイネにカドミウムが蓄積したという話がある。
おそらくだけれども、汚泥肥料は稲作の肥料に含まれる可能性があるので、イネがカドミウムを吸収したらどうなるのだろう?ということは見ておく必要がある。
というわけで検索をしてみたら、長谷川功 植物とカドミウムに関する研究の変遷と課題 - 肥料科学,第42号,35~79(2020)で詳細が記載されていた。
※長谷川功 植物とカドミウムに関する研究の変遷と課題 - 肥料科学,第42号,35~79(2020) 42ページより引用
根から吸収したカドミウムはクエン酸やファイトケラチンと結合して運搬され、タンパク質、フィチン酸やメタロチオネイン等と結合して各組織で蓄積されるそうだ。
メタロチオネインという聞き慣れない用語が出てきたので調べてみることにする。
メタロチオネインは硫黄を含むアミノ酸であるシステインが豊富に含まれて、金属と結合するタンパクの事を指し、植物のメタロチオネインはファイトケラチン(PC)として記載されていることもある。
メタロチオネインはカドミウムだけでなく、亜鉛(Zn)、銅(Cu)や水銀(Hg)等の金属とも結合する。
植物とカドミウムの研究の内容を読み進めると、カドミウムに耐性のある植物の話題があるので、植物毎にメタロチオネインの働きに差があるのかもしれない。
田や畑に流入してしまったカドミウムの対策についても触れておく必要があるだろうけれども、それは次回に触れる事にする。
-続く-