グリコール酸とグリシンの記事で、グリシンの合成について丁寧に見てきた。

グリシンについて次に気になることはグリシンの主な使い道だろう。


グリシンと聞いて真っ先に思いつくものが、


Glutathion


グルタチオンと


Phytochelatin


フィトケラチンだ。

グルタチオンの方はグルタミン酸、システイン、グリシンの順に結合したトリペプチドで、フィトケラチンは(グルタミン酸とシステイン)の組み合わせが何度が続き、最後にグリシンが付与されたペプチドになる。

グルタチオン - Wikipedia

Phytochelatin - Wikipedia


この2つのペプチドの用途をざっくりと書くと、グルタチオンは抗酸化作用で、フィトケラチンは重金属汚染土壌の浄化になる。

光合成とグルタチオン


上記で挙げた化合物のうち、グルタミン酸とグリシンはグリシンの合成の話題で挙がり、葉面散布でも頻繁に供給される可能性がある。

ここでふと気になったのが、システインはどうだろう?ということで、システインについて詳しく見ていくことにする。




L-Cystein_-_L-Cysteine0


システインは硫黄Sを含む含硫アミノ酸の一種になり、側鎖がメルカプトメチル基(-CH2-SH)が付いている。

システイン - Wikipedia


今まで挙げたアミノ酸で似ている構造を思い浮かべてみると、


L-Serin_-_L-Serine


側鎖がヒドロキシメチル基(-CH2-OH)のセリンとよく似ている。

であるので、システインはセリンのヒドロキシ基(-OH)がチオール基(-SH)に置換されることで合成される。


途中端折るけれども、システインは根から吸収した硫酸イオン(SO42-)を還元して硫化水素(H2S)にした後、速やかにセリンのヒドロキシ基と置換して合成されると言ったところだろうか。


硫化水素は使い勝手が良いが毒性が高いので、細胞内の均衡を保つ為にセリンに付与したといったイメージかな。




ここでいくつか気になることがある。

まず植物にとって硫酸は吸収が難しいはずなので、システインの合成自体が難易度が高いのでは?ということ。

硫酸塩系肥料の残留物がある土を緑肥で解決したい


であれば、グルタチオンやフィトケラチンといった植物の生育の要になるようなペプチドの合成は、硫酸の吸収に依存することになる。

この点に関して葉面散布でフォローすることは可能なのか?が次に気になる事になる。


ここで改めて、アミノ酸の葉面散布剤について丁寧に見ていくことにする。