コウジカビが人の町にやってきたを含め、最近の課題は学術の面で菌について解明されている事を知る事で、直近では菌類のふしぎ 第2版 形とはたらきの驚異の多様性 - 東海大学出版部の本を足がかりにしている。
そろそろ見ていきたい菌の一つに
Mike Guether - 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, リンクによる
栽培で超重要だとされる菌根菌がある。
菌根菌というのはその名の通り、植物の根と共生して、菌根というものを形成する。
上の写真を見ての通り、植物の根と比較して、菌根はとても細く、植物の根ではリーチできないような狭いところにもリーチでき、宿主の成長に重要な養分を与える。
菌根菌は宿主から養分の見返りに糖やアミノ酸といった炭素化合物を頂く。
以前、殺菌剤を使用すると虫による食害被害が増加するの記事で触れたが、菌根菌と共生している宿主は昆虫の食害の耐性が増すとされる。
これらの内容を踏まえ、主に草本植物と共生するグロムス門の菌について見ていくことにしよう。
※グロムス門はブナ科と共生するキノコらによる菌根とは異なる。
最初に菌根菌に対して、古い分類法から触れてみることにしよう。
今回話題となっている菌根菌は接合菌類に分類される。
James Lindsey at Ecology of Commanster, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
他に接合菌として扱われるものとして、梅雨の高温高湿気時に食物の上に生えるカビも含まれる。
接合菌はキノコを形成するような子嚢菌や担子菌と異なり、大きな子実体を形成せずに有性生殖を行う菌を指す。
※子嚢菌と担子菌を高等菌類として扱い、接合菌を下等菌類として扱った
有性生殖を行うという点で不完全菌とは異なる。
有性生殖の胞子は形成するが、
上の写真のような子実体を形成しないので、胞子の散布は比較的飛ばないとイメージしている。
これらの内容を踏まえた上で、グロムス門という新しい分類法から菌根菌を見ていくことにしよう。
-続く-