レンゲ米の水田に集まる昆虫たちまでの記事でも記載しているが、ほぼ毎日、レンゲ米の水田を様子を見ている。
知人といえ人様の畑であるので厳密な観測ではなく、本当に様子見程度。
レンゲ米の水田のことを知るために、周辺で田植えの前に土が悪いであろうなという箇所をいくつかピックアップしておいて、その水田の様子も合わせて見ている。
おそらく施肥設計はほぼ一緒で、大きな違いはレンゲで土作りをしているかどうか
※レンゲで土作りをしているので、土作りに用いた肥料に違いは生じる
そんな中で最近顕著に見えてきた特徴として、
レンゲ米の水田では葉色が薄くて、地上部の茂り方が少ない傾向にある。
比較で見ている水田はこんな感じ。
写真ではわかりにくいが、目視では葉の色が濃く見え、地上部は茂っている。
※植え方、特に植える本数は地域で大体同じであったはず
レンゲ米をしているところは他にも何枚かあるけれども、様子は大体同じような傾向がある。
この状況について個人的な見解を載せておく。
レンゲ米の葉色が薄くて茂ってない事が良いことなのか悪いことなのか?は現時点では判断できないが、様々な知見や過去の経験から今回紹介した状況は非常に良い状態だと予想している。
先に悪い方を挙げておくと、窒素飢餓が考えられる。
田起こしの前にミツバチに花蜜や花粉を持っていかれた状態の有機物をそれなりの量を土に鋤き込んでから、1ヶ月近く寝かした状態で田植えをしたので、鋤き込んだ有機物はまだ土壌の微生物によって分解中であった。
イネがこれらの土壌微生物と養分の競合を起こしているので葉色が薄い状態になっている。
良い方で考えられることとして、植物にとって吸収しやすい低分子の窒素化合物の濃度が少ないこと
栽培において硝酸態窒素が多い土壌で育つ作物の葉色が濃くなるという話がある。
所謂、牛糞入れすぎた畑では葉が濃い緑になり地上部が茂るというやつだ。
土壌の微生物、微細藻類や浮草が使いやすい低分子の水溶性窒素化合物を優先的に使用し、成長の遅いイネがあまり吸収できない状態となっている。
これは窒素飢餓と同じ内容ではあるのだけれども、水溶性の窒素化合物の吸収量が少なくなると良い事がある。
植物ホルモンから再び牛糞堆肥による土作りの価値を問うの記事で記載した、土壌中に水溶性の窒素が豊富にあると植物は発根を止めて枝を茂らせるように植物ホルモンの合成パターンを変える事だ。
これが正しいとするならば、
地上部の葉色が薄くて茂りが少ない状態は発根の方を優先的に行っているからという理由で説明が付く。
ここで2つの水田のイネの株を引き抜きたい所だけれども、比較の方の水田は知らない人なので引き抜きはやめる事にする。
この仮説を検証するためには、発根を促進するための夏の水抜きの後に何らかの違いが生じるはず。
余談だけれども、
比較の方で写真のような色落ちが目に付いた。
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