太陽熱土壌消毒をしたら、悪い菌は死滅し、良い菌は生き残るのか?の続きまでの記事で、太陽熱土壌消毒(太陽熱養生)をしたら、悪い菌は死滅し、良い菌は生き残るのか?という質問に対して、色々と考えてみたが、そんな都合の良い話はなさそうだという内容を記載した。
この太陽熱土壌消毒に関して色々と思うところがあるのだけれども、そのうちの一つとして、中熟堆肥を投入したのち、土表面をビニールで覆って放置するというものがある。
この堆肥という言葉を聞いて何を連想するだろうか?
いろいろな人と話をしてきた経験から真っ先に思い付くものとして、
牛糞等の家畜糞がある。
牛糞と聞いて更に思い付くものとして、熟成する程硝酸態窒素の濃度が上がり、有機態リン酸も豊富に含まれているという事がある。
有機態リン酸は熟成の際に無機リン酸へと変化しているので、土壌中の可給態リン酸の量も上がる。
前回までの記事で土壌消毒を終えた土壌では病原性の真菌が有利な環境になっているという予想に対して、硝酸態窒素と可給態リン酸の量を多くしつつ、牛糞は投入量に対して腐植の量が期待できないので、土の物理化学性がそこまで高くなっていない状態で、真菌を更に有利にさせる環境が整ってしまう。
土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良い
太陽熱土壌消毒で確実な成果を得たければ、
最終的にキノコが生えるような植物性の有機物を主として、
そこの少々の米ぬかが混じっているような構成の中熟堆肥が良いと思ったが、この手の堆肥を熟成させることが出来る真菌(白色腐朽菌)も太陽熱土壌消毒の温度帯は苦手なので熟成は進まず。
太陽熱土壌消毒の時に用いる中熟堆肥は一体何を想定しているのだろう?
米ぬかを主体とした堆肥もリン酸値が気になるから、できれば施したくないし…
ポリフェノールが豊富に含まれている有機物であれば土が欲するような成分の熟成が進むか。
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