魚粉肥料についてを細かく見てみる2の記事でイワシを乾燥して粉砕した魚粉肥料について見た。

その際にイワシの栄養価も合わせてみて、魚粉肥料の肥効に関する内容も触れた。

イワシを乾燥して粉砕した魚粉肥料はN:P:KのN(窒素)に当たる有機態窒素の含有量が圧倒的に多い肥料であった。


上記内容を踏まえた上で、現在一般的に売られている魚粉肥料について見てみる。

魚粉肥料のN:P:Kは窒素 7 〜 9%,リン酸 4 〜 9%,カリ 0 〜 1%と言われている。


窒素とカリは前回の記事から上記のような数値になるのは違和感はないが、リン酸が窒素に匹敵する程含まれているのは不思議に思う。

前回見たイワシの栄養価ではリン酸はカリと同じぐらいしか入っていなかったはず。


一体、このリン酸は何なのだろう?

今市場に出回っている魚粉は水産加工品の残渣由来で有ることが多いらしいので、加工の流れを見たらわかるかもしれない。




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わかりやすい例としてカツオを挙げる。

先にカツオの栄養価を挙げておく。

タンパク質25000mg
カリウム380mg
カルシウム8mg
マグネシウム38mg
リン260mg
鉄分1.9mg
亜鉛0.9mg
0.10mg
マンガン0.01mg

カツオ#栄養成分 - Wikipediaの100gあたりの栄養価の内容を改変して記載

※前回のイワシと比較して、リン酸に対してカルシウムが少ないのは核酸(ATP等)が多いからか?

植物は水から得た電子をどうやって蓄えている?


カツオの水産加工品といえば、カツオのタタキ、鰹節や鰹出汁がある。

カツオ加工廃棄物の有効利用について ~廃棄物処理工程の改善~ - 静岡県水産試験場に拠ると加工品は基本的にカツオの赤身を用い、


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頭部や骨は使用されずに残るらしい。


頭部が最も多いので頭部を例にして話を進めると、頭部を粉砕して、DHA魚油を抽出した後、残渣と液体有機肥料が残る。

必須脂肪酸のα-リノレン酸の働きを見てみる


この時の残渣が魚粉肥料に該当するはず。

おそらくだけれども、骨や背びれもこの残渣に一緒に含まれるかもしれない。


もう一つ大量に残る成分で内蔵もあるけれども、内蔵を圧搾してあら粕と液体有機質肥料が残る。

あら粕で品質が悪いものも魚粉肥料に該当するはず。


頭部のリン酸はおそらく骨由来のリン酸カルシウムに該当するはずで、おそらく核酸は魚油の方に多く含まれてしまうはず。

窒素肥料の複雑さの続き


であれば、


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N:P:Kの表記が 7 : 7: 0 と表記された魚粉肥料があった場合、このリン酸はリン酸カルシウム(リン酸石灰)である可能性が非常に高く、食味の向上に為に魚粉肥料を施肥した時に意図していない石灰(カルシウム)が大量に投入されてしまう。

施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すな


更に厄介なことにリン酸石灰は土壌のpHに影響を与えない石灰であるので、基肥でpHの調整の為の石灰を抜く事が難しくなるので、魚粉肥料を主で栽培する時は基肥の構成に神経を尖らせないといつの間にか深刻な連作障害に嵌り痛い目に合いそうだ。

く溶性苦土と緑泥石

石灰でなくてもpH調整はできる


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