前回のベンゼン環を含むもう一つの重要な化合物であるリグニンの記事でタンニンの他にあるベンゼン環を含む重要な化合物であるリグニンについて見始めた。
リグニンは
3種類のモノリグノールと呼ばれるベンゼン環を持つ化合物と、
トリシンと呼ばれるO-メチル化フラボノイドが互いに結合し合って大きくなった化合物を指す。
※植物の種類によって、どのモノリグノールやフラボノイドで構成されるのか?は異なる。
今回はモノリグノールの一種であるp-クマリルアルコールの合成について見ていくことにする。
とは言っても、ある程度の合成はフラボノイドの合成の際に見てきたので、フラボノイドの合成の過程でどの物質からモノリグノールの合成の方に向かったのか?を見る。
p-クマリルアルコールはp-クマロイルCoAから(上の図でいうところの)CoA-S-が外れ、アルデヒド基(-CHO)がになったp-クマルアルデヒドを経て合成される。
p-クマロイルCoAはフラボノイドの基となるカルコンの生合成についての記事でフラボノイドの基となるカルコンにもなるわけで、モノリグノールはフラボノイドが合成されるギリギリまで同じ合成経路を経て合成されるようだ。
因みにだけれども、p-クマリルアルコールが主になって合成されたリグニンをp-ヒドロキシフェニルリグニン(H-リグニン)と呼ぶ。