Manganese_4_oxide


微生物由来の還元糖と不可給態マンガンの記事で、微生物が何らかの要因で死滅した際、細胞内に含まれる還元糖が土壌中に溶脱して、不可給態マンガンを還元して可給態マンガンにする可能性があるという内容を記載した。


この内容だけれども、前回敢えて触れずにふせた箇所に下記のような記述があった。

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風乾処理という酸化条件になるにもかかわらず交換態マンガンが増大するとの現象は土壌乾燥によって死滅した土壌微生物遺体由来の糖類、特に還元糖によるマンガン酸化物の還元溶解が大きな要因であると判断した。このマンガンの溶出が風乾および殺菌処理にともなうマンガン過剰症に大きく関与していると考えられる。

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牧野知之著 土壌中におけるマンガンの酸化還元機能と動態 - 農業環境技術研究所報告 第20号(2001)の147ページより引用


PA240112

※土の乾燥のイメージとして愛知県の渥美半島の赤黄色土の写真を持ってきた。

※赤黄色土だと土壌の劣化により、そもそもの話でマンガン自体が少なくなっている可能性あり。

造岩鉱物の成れの果て


土壌の乾燥により死滅した(であろう)微生物らから還元糖が溶脱して、不可給態マンガンを還元して可給態マンガンにした可能性があると。




この内容を読んだ時にふと頭に浮かんだことがある。


微生物由来の還元糖でリン酸塩が還元されたものと、可給態マンガンであるMn(Ⅱ)が反応して、新たなリン酸塩が形成されるのかな?と。


とりあえず、リン酸塩鉱物を検索してみたら、


Metaswitzerite-177958

By Rob Lavinsky, iRocks.com – CC-BY-SA-3.0, CC BY-SA 3.0, Link


スウィッツァー石という鉱物があり、理想的な化学組成が(Mn)3(PO4)2·7H2Oであるそうだ。

Switzerite - Wikipedia


リン酸は-3の陰イオンの分子であるので、この時結合しているマンガンはMn2+(Mn(Ⅱ))といったところか。


土壌中で可給態マンガンとリン酸が結合し易かったとすると、植物は見えない程の干ばつでリン酸を大量に使用しているかもしれないの記事で触れたような植物が干ばつを経験するとリン酸欠乏応答を示す要因になるのかもしれない。


よくよく考えたら、還元剤と金属の関係はマンガンだけではなく、鉄の還元もあるわけで、還元された鉄が酸化条件により再び酸化しつつリン酸鉄(Ⅲ)が出来て難溶性リン酸化したということもあるかもしれない。

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