
γ-オリザノールから稲穂の籾の色の濃さを考えるの記事で米ぬかに含まれるγ-オリザノールについて触れた。

γ-オリザノールはフェルラ酸のカルボキシ基(-COOH:上の図の右端)にステロールがエステル結合したものになる。
エステル結合は-C(=O)-O-C-の個所で、

赤枠で囲った個所を指す。
カルボキシ基は親水性の官能基であり、ステロールとのエステル結合により親水性の機能は失われる。
ここでステロールについて考えてみることにする。

上の図はステロール骨格になる。
ステロールは脂質に一種で、ベンゼン環ではない環状の構造が主で、端にヒドロキシ基(-OH)が付与されている。
環状構造の方は疎水性(非極性)でヒドロキシ基(-OH)は親水性(極性)であるため、水と油に溶ける両親媒性を持つ化合物になる。
※環状構造の方の大きさにより水への溶け難さが増す為、ステロールが必ず水に溶けるとは限らない
この内容を踏まえて、

γ-オリザノールに付与されているステロールの一種のシクロアルテノールについて見ていく。
親水性(極性)を持つ個所が左下のヒドロキシ基(-OH)の一箇所になる。

γ-オリザノールはフェルラ酸の親水性の基のカルボキシ基とシクロアルテノールの親水性の基のヒドロキシ基がエステル結合する為、2つの極性基が失われることになり、シクロアルテノールの大きな疎水性の個所が付与される為、フェルラ酸と比較して疎水性が強化される。
これにより米ぬか内でのフェルラ酸の貯蔵性が向上したことになる。

赤枠で囲った個所のヒドロキシ基とメトキシ基(-OCH3)が残っている為、フェルラ酸の持つ抗酸化作用はγ-オリザノールになってもそのまま残る事になる。



